これから、このまま

仲間の方程式


「…ジタン」
「どうしたスコール、顔がマジだぞ」
「ああマジだ。マジで聞きたいことがある」
「なんだよ、相談ならのってやるぜ?」
「…20歳って、大人、だよな」

ぴしっ。
目前に、雷でも落ちたかのような衝撃。
どんな言葉が出てくるかと、緊張で張りつめていた心はあっさり解放された。
しかし、予想していたのとはかけ離れていたその内容に、ジタンは呆然とした。
近くで今の話を聞いていたらしい、ティーダとフリオニールも同じように驚きを隠しきれていない。

この話をスコールが振ってきて、ジタンが思い当たることはただひとつ。

「…バッツ、か?」
「ああ。アイツはセシルやクラウドと違って落ち着きがない」
「で、そんなバッツは大人じゃない、と」
「振る舞いが大人らしくない、と言いたいんだ」
「そんなこと無いッスよ、スコール!」

言葉を挟んだのはティーダだ。

「バッツにも大人っぽいところはあるッスよ!!酒だって飲むし」
「お前…大人の基準はそれだけじゃないだろ」
「なんだよのばらー、じゃあのばらは何が大人の決め手だと思うんスか?」
「そうだな…」

フリオニールが考え込む。
ならばと、ジタンはもう一度スコールと向かい合った。

「じゃあ、スコールの思う大人らしいバッツってどんなだ?」

そう尋ねるとスコールもまた考え込んだ。
奥の方では、

「や、やっぱり女性に対して紳士にだな…ゴクッ」
「…それぜんぜん関係なし!」

…コント?
なんて思ってる間に、スコールはいろいろ考えを巡らせていたようだ。

「…心配、かけないでほしい」
「…それだけ?」
「ああ。アイツはいつも危なっかしくて、こっちは落ち着いていられないんだ」

それは、彼なりにバッツを大切に思ってのことだというのは言うまでもない。
でも。
ジタンはスコールを両目にしっかりとらえて、話し出す。

「確かにバッツはいつだって自由奔放で子供っぽくて危なっかしくて…だけどさ、それがバッツらしさだろ?自分らしさを大切にしてるってことだろ?それって、大人だと思うんだ」
「…」
「それに危ないとはいえ、バッツがそんな簡単にやられるわけないだろ?自分のことは自分で守れるし、助けが必要になったら、オレ達が助けに行けば良いじゃん!」
「…そうだな」

どこか安心したような表情で、スコールはジタンの言葉に頷いた。

心配するのは、相手が大切だから。
でも、それが過ぎるのは、ある意味では相手を信頼してないってことだよな。

スコールとジタンの間に、同じ思考が巡った。

「オレだって!バッツだけじゃなくて、みんなのこと助けに行くッス!」
「俺もだ!」

いつの間にかこちらの話に戻ってきていたティーダとフリオニールも、同意を示した。

信頼している、信頼されている。
守り、守られる。
それは年齢に関係無く、仲間の間では当たり前の方程式。


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