これから、このまま

長編2


ドラマの企画は、DBSの成人メンバーで行うのが伝統。
つまり、今年はライトとクラウドの他に、新たにセシルとバッツが加わった。

4「企画側に立つとなれば、僕たちの思い通りってことなんだね」
5「去年まで散々いじられた鬱憤、晴らさせてもらおうじゃん」

そして、メンバー以外の協力者として、ケフカ、アルティミシア、クジャも参加しての会議が幕を開けた。

7「今日の会議では、役割の確認をしていこうと思う」
1「スタッフとしての役割は基本的に去年と同様。協力頂く3人も同じく、ケフカはドラマのポスター作成、アルティミシアは演出のための魔法、クジャは衣装制作と演技指導を頼む」
6'「任せちゃってくださーい」
8'「期待は裏切りませんよ」
9'「腕がなるよ。ところで、キャストはどうなっているんだい?やはり役柄も大事だけど、演じる本人にも相応しい衣装を作らなくちゃ」
5「それが…」
4「まだ決まっていないんだよね」
1「と言うと?」
4「物語の鍵を握る、姫を誰にするかが決まらないんだ」
6'「ティナがいるじゃないですか」
1「ティナは話の中心になる3人の騎士の一人だったな。バッツとジタンと共に物語の主役だ」
5「主軸となる役を演じるティナが、鍵を握る姫を同時に演じるのはキツいんじゃないかって」
8'「確かにそうですね。しかし、現実はそうしなければならないのでしょう?」
9'「僕が演じることで」
57「「解決するわけないだろ」」
4「じゃあやっぱり、主役の3人以外の誰かが犠牲になるね」
7「姫の役が似合うヤツか…」
6'「女装なら君こそ相応しいんじゃないですか?」
7「黙れ」
8'「あら、かわいさならスコールも負けないかと」
5「いざ選ぶとなると決まらないよな」
9'「ところで、その姫はどんな人物なんだい?」
7「この資料に載ってる」

クラウドが手渡した資料には登場人物の紹介と、その横に手書きで名前が書いてある。
役の担当をメモしたようだ。

『姫…とある小国の王女。自然と平和を愛する』

1「バッツとティナ、ジタン以外も全員何かしらの役で出演するのだな」
6'「おや?もうひとつ決まってない役がありますね」
7「ああ、騎士たちの恩師が追加になってな」
8'「クジャ、あなたが引き受けてはどうです?演技指導もしやすいでしょう」
9'「良いこと言うじゃないか。ドラマを盛り上げる力になるよ」
4「せっかくだからそうしよう。この会議での決定事項は絶対だからね」
5「で、姫は誰にする?」

しばらく続く沈黙。
それを破ったのはクジャだった。

9'「…彼だ」
6'8'「?」
9'「フリオニールだよ」
45「ええ!?」

一同は驚きのあまり言葉を失った。
フリオニールと言えば、仲間内でも背が高いし、体つきもかなりいいほうだ。
正直、素直にうんとは言えない。

7「どうしてそうなる」
9'「信念を持ち最後まで意志を貫けるだけの力を持つ彼にこそ演じて欲しいんだ。僕の演技指導力を存分に発揮させてもらえそうだし」
8'「あの子なら、自分の役目ときちんと向き合えるのではないかしら」
5「自然を愛するというか、のばらを愛する姫ってとこか!」
1「決まりだな。セシル、バッツ、明日のミーティング用に資料を清書して印刷頼む」
45「了解!」
1「では、今日の会議はこれまでとしよう。撮影の計画は資料と一緒に載せておくから、あとで確認してほしい」
6'「楽しみですね」
7「(…フリオニール、素直に引き受けるか?)」

一大イベントは、まだ幕を開けたばかり。


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