これから、このまま

結局いつも通り


*ティナのバイト先はペットショップ


「…あれ?」

フリオニールは驚いた。
自身の家には、いつも通り、2人が揃っていた。

「マリア…学校のパーティー出るんじゃなかったのか?」
「やっぱりやめたの。3人一緒の方がいいもの」
「ガイも、ティナのバイトの手伝いしに行くって言ってたよな」
「全部終わらせた。オレのおかげで動物と仲良くなれたって、ティナ喜んでた」

予想しなかった展開である。
2人がいない前提で進行していた計画が、狂ってしまう。
緊急事態、どうしようか。

「フリオニールは遅かったのね。何かあったの?」
「まあ、色々…というか、このあと用事があるんだ」
「用事?フリオニール、出掛ける?」
「いや、相手に来てもらうんだ」
「え?何も聞いてないわよ」
「俺たち、何かすることある?」
「強いて言えば…待っていてほしい」
「何を?」

彼が現れるのを。

今年のクリスマスは彼と過ごす予定だった。
彼が自立してこの家を出ていってから、そんなことは滅多に出来なくなった。
だから、向こうの都合がついたのをいいことに、会おうと思っていた。
マリアとガイに内緒で。

ちょっと悔しさを感じた。
秘密の楽しみを奪われて。

でもこれじゃ、

「…昔と同じだ」

4人で過ごすクリスマスが、久しぶりにやって来る。
それだけのこと。

思わずこぼれたフリオニールの笑みに、マリアとガイは首を傾げるばかり。


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