LIKE & WISH

※R16、BL、軽く◯慰有り、近親、一方通行
※嫌な予感がしましたらプラザバックをお願いします。







もしももしもの話だが、夜弟の部屋の扉が僅かに開いていてそこで弟が兄である自分の名前を呼びながら自で始まって慰で終わることをしていたらどうだろう思うだろうか。
俺の場合は驚いたが息と足音を消して逃げたよ。
俺は何も見なかった、うん。忘れるなんてムリー。焼き付いて離れないよー。

さて、まずは俺の説明をさせてもらおう。
俺は平成の日本で生きていたが転生して児童書の魔法の世界である、ハリー・ポッターの世界のイケメンキャラクター、セドリック・ディゴリーの兄として生まれた。
セドリックとは一つ違いで、俺はレイブンクロー生であり、まあ顔も遺伝でイケメンである。
さらに運動神経もよく頭も学年一だ。ここらへんはディゴリー家の予めのスペックもあるかもしれないがまあ努力の賜物でもある。
俺の目標としては弟として可愛く思っているセドリックの代わりに三校魔法学校対抗試合に出場する事だからな。やっぱセドリックに死なれるの嫌だし。

セドリックは小説であったみたいにいい子で可愛い弟だった。
小さいころから俺になついていたし、俺と異なる寮のハッフルパフに選ばれた時は俺の前だけで「兄さんとおなじ寮じゃないぃ」とピーピー泣いていた。けど俺が「忍耐と勤勉なんてセドリックらしいじゃないか。俺はハッフルパフ好きだけどな」と小さな頭を撫でながら伝えると顔を真っ赤にして無言で抱きついてきたり。クィディッチの選手になった時などなど何かある度に報告してきたりと、ちょっとブラコンだなと思ってはいたけど微笑ましく思っていた。
これで俺の名前だけ呼んでいたら、同じ名前の女性かなとか現実逃避できたが、行為中ルイ兄さんとか言われたからもうどうしようもないんだけど。
ちょっと来年から弟が殺されるゴブレットの年なんだ。他のタイミングなら距離を置いて熱を冷ます手もあったかもしれないけどとりあえず俺がゴブレットに選ばれる前までは関わらない訳には行かないし。

あれ、でももしセドリックが俺の事が好きなら利用できるんじゃね。



ホグワーツで三校魔法学校対抗試合の開催が発表された後、俺はハッフルパフへセドリックに会いに行った。
俺が現れるとセドリックはふにゃりと見目麗しい顔を嬉しそうに崩し、「セドリック、一緒に夕飯食べに行かないか?」と尋ねると二つ返事で頷いたので大広間へ向かった。

「しかし対抗試合の発表は驚いたな。父さんはニヤニヤしてたけど何も教えてくれなかったし。セドリックも何も聞いてなかった?」

道中俺はセドリックに軽く話をふるとセドリックは頷いた。

「兄さんに話していないのに僕だけに話すわけないよ。僕も兄さんには話してたのかなと思ってたけど内緒にしていたんだね。対抗試合、どんな課題があるんだろう」
「さあなー。魔物と戦ったり、謎を解いたりとかかな」

本当はどんな内容か知っているけど、もちろん言わない。

「魔物かあ。吸魂鬼とかゴーレムとかかな」
「うーん吸魂鬼なら守護霊か。セドリックは使えるか?」
「まだ完璧じゃないけど、兄さんは使えるよねツバメの守護霊」
「おう。そうだなー、セドリックは何を思い浮かべて守護霊作ってる?」
「えっ」

話しながら尋ねるとセドリックは顔を真っ赤にして言葉を止めた。
それに俺はすぐにやぶ蛇だったと察して誤魔化した。

「まあ言いにくい思い出もあるしな。俺も人に言うの恥ずかしいし。なるべく幸せな瞬間を思い浮かべた方が良いから吟味した方がいいぞ」
「うん、そうしてみる。ありがとう兄さん」
「おう。教えるのは兄として当然のことだぜ」
「うん…」

少し寂しそうにするセドリックに俺は何も知らないふりをして笑いかける。

「俺さあ、まだ詳細分からないけど選手に立候補する予定なんだ」
「兄さん参加するんだ。兄さんならきっと優勝できそうだね」
「おう、だからセドリック“応援してくれよな”」
「えっ」

セドリックは言葉に詰まったが俺は何も考えていないかのようにセドリックへ笑顔を浮かべて暗にセドリックお前は立候補するなよと言う。
分かっている。セドリックは代表選手になりたいと思っていたことを。小説でも読んだし、弟はクィディッチもそうだが、こういうイベント事は好んでいるから。
けど、好いている兄のお願いとどちらを取るのか、それは俺には分からない。最悪断っても良いのだ。けれどうなずいてくれたら死なない運命へそれほど確実なものはない。

セドリックは目を泳がせながらも暫くして頷いた

「…うん、応援するよ。僕にできることがあったら何でも言って」
「ありがとう、嬉しいよ。セドリック」
「難しいだろうけど怪我には気を付けてね」
「そうだな。可愛い弟が心配しないように気を付けるとするか」
「!?可愛いとか言わないで」

顔を真っ赤にして怒るセドリックに俺は愛しく思い微笑んだ。

セドリック、愛する弟のお前の為に代表選手になるよ。 気持ちには応えられないけど。

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