双子3
(ジョージ視点)
5年生の始業式の日。
俺はホグワーツ急行のコンパートメントにフレッドとリーとともに今年のいたずらグッズについて話合っていると、突然車内の明かりがすべて消えた。
こんなことは入学してから今まではじめてだったので、俺たちは顔を見合わせる。
なにがあったんだ?
俺たちは辺りは暗かったが、停電の理由を調べるために車掌に聞きに行こうと立ちあがった。
けれど、扉から出ようと扉を見たとき。
真っ暗なコンパートメントの扉の窓に張り付いた黒い影を見て動きを止めた。
本物を見たのははじめてだったが存在は知っている。
アズカバンにいるはずの吸魂鬼が窓に張り付いていた。
吸魂鬼の顔は暗くて分からないが、確かにそいつはこちらをじっと見ている。
そして、ガタガタとこじ開けようと扉を鳴らすので。
俺たちはすぐに杖を取り、構えた。
どの呪文が効果があるのかまだ知らないが、ただで負けるつもりはない。
けれど、俺たちが魔法を放つ前に吸魂鬼は突然扉を揺らすのを止めると。
吸魂鬼は横を向き、悲鳴のような甲高い声を上げて、すぐにまるで何かから逃げるように逃げ去った。
そんな吸魂鬼に俺たちは不思議に思いながらも、まだ扉へと警戒を怠らずにチラリと顔を見合わせる。
だが、なぜ吸魂鬼が逃げたのかという疑問はすぐに晴れた。
吸魂鬼の去ったあとすぐに頭の上におそらく魔法だろう、白い半透明の見たこともない生き物を乗せたミリアが廊下を悠然とした振る舞いで歩いて来たのだ。
その白い物は長い耳からしてウサギのようだが、尻尾はギザギザしていて長く全体的に丸い。
その魔法で作られた生物はまるで電気のような白いモヤを辺りに散らしている。
…あの白いモヤが吸魂鬼を追い払ったのだろうか。
ミリアは俺たちのいるコンパートメントに目を向けることなく、驚く俺たちに気がつくことなく、そのまま廊下を歩き去った。
(主人公視点)
「ただいま戻りました」
「おかえり、ミリア」
私はコンパートメントに戻ると、スチュワートは真っ暗なので本を読むことをやめたのでしょう。
窓からこちらへ顔を向け、私の頭の上にいる守護霊を見ました。
原作から今年列車に吸魂鬼が現れる事は知っていたのですが。
まさか廊下を歩いている途中で現れるとは思いませんでした。
ですので、私は自分を守るために守護霊の魔法を使ったのです。
「その生き物は何だ?初めて見た」
「そうですね、実在はしない生き物ですから。電気を放つネズミという架空の生き物です」
私の守護霊は日本の有名な国民的キャラクターです。
可愛いので気に入っています。
私は守護霊の呪文は今年のために家にある本を使って覚えました。授業ではまだ習っていません。
一応守護霊は高度な魔法のようですが、私は幸せな時が簡単に思い浮かびましたのですぐに使えるようになりました。
この魔法は幸福度で出来が左右されますので、幸福なことが思い浮かべられなければ使えません。
「けど何で守護霊の呪文を使ったんだ?」
「吸魂鬼が列車内にいらっしゃいましたので。追い払うためです」
「吸魂鬼が?それで明かりが消えたのか」
「はい、そうでしょうね。」
どうやら電気が消えただけでここに吸魂鬼は来なかったようです。
それなら良かったです。
すぐにルーピンがどうにかするので電源は復旧するでしょうが。
本当にこの魔法を使えるようにしておいて良かったです。
.
[ 130/179 ][*prev] [next#]
[mokuji]