long long ago
それは私の忘れた遠い過去の話です。
私が生まれて間もなく家に母の友人が家にやって来ました。
母はその友人が大好きなのか普段はクールな彼女が目をどこか輝かせています。
母の友人はそんな母とは正反対の生命力のある明るい女性でした。
そして母の友人は私と同じ、生まれて時間が経っていない、小さな赤子を抱いていました。
その赤ん坊は母の腕の中安心して眠っています。
母の友人は私の母と一通り話した後、私のいる揺りかごのところまでやってきました。
「はじめまして。ふふっ、もう二人にとてもそっくりね」
「そうかしら」
「うん全体的な顔つきはお母さん似だけど細かなところはお父さんに似ているね」
そう言うと彼女は私の横に赤ん坊をふわりと下ろしました。
近くで見ると可愛らしい顔つきで頬っぺたがプニプニしています。お餅のようで可愛いです。
「ミリアちゃん、きっと二人は同じ寮になるだろうから。いいえ、同じ寮でなくてもリゲルと友達になってあげてね」
そう母の友人は私へ母親の優しい笑顔で言いました。
寮とはおそらくは学校の事でしょうが。
リゲルが望むのか分かりませんが。
もし彼が望むのなら、彼の友人になりたいなと思いました。
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