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※もしホグワーツの戦いで助けが来なかった場合
※死ネタ
ホグワーツでの戦いでセドリックは私を庇い守るために死喰い人による死の呪文により死んでしまいました。
瞳の色を無くした彼を抱きしめ膝をつきながら私は呆然としました。
そんな私を近くにいた双子の片割れやホグワーツの生徒が守るようにして戦って下さいますが、私は人形のように意思をなくしてしまったセドリックに思考を奪われました。
なぜ私を助けたのとか、私がいなければとか、強ければとか。
思いが交錯し、もう私も死んでいればどれだけ気持ちが楽だったかとぐちゃぐちゃと思いましたが。
それでも私は杖を握り、セドリックが騎士団になってまで守ろうとした人たちを守るために立ち上がりました。
「ミリア、大丈夫か?」
「ええ、スチュワート。大丈夫ですよ」
それから、ホグワーツの戦いが無事に終わった一年後。
ヴォルデモートが打ち砕かれた今、魔法界は平穏を取り戻していました。
平和になったのでスチュワートはたまに私の家を訪れては話の合間にそう尋ねてきました。
それに私はいつも笑顔を作るようにして返します。
私はセドリックの葬儀にも参列しましたし、お墓にも何度も行っています。
本当にセドリックは死んでしまったのです。これは現実なのです。
私は一年経った今もまだセドリックを引きずっていました。
そんな私を優しく面倒見の良いスチュワートは気遣って下さいました。
今回もスチュワートは心配そうにして帰って行きました。
スチュワートが帰り、私は息を吐きました。
「セドリック。どうして、貴方はもういないのですか」
虚空に呼びかけますが、もちろん答えはありません。
私はセドリックが好きでした。
それなのに私は彼にきちんと伝えることもできずに、彼を殺してしまいました。
私があの場にいなければきっと死ななかったはずです。
私のせいです。私がいなければ。
セドリックが死んでしまうのでしたら助けられたくなかったです。
涙が次々とこぼれ落ちます。
苦しいです。胸が苦しくて死にそうです。
「お願いです。こんな運命、嫌です」
神様、もしいるのでしたらお願いです。
私にセドリックを守らせてください。
気がつくとそこは薄暗く埃臭い暖炉の中でした。
私は意味が分からなくて辺りを見回しますが蜘蛛の巣の張る使われている形跡のない屋敷は、知らないようなけれど知っているような不思議な感覚を覚える場所でした。
呆然としている私の前に姿現しをしたテールがバチンと音を立てて現れました。
彼はオイオイと泣きながら私に魔法をかけて煤で汚れた服や肌を綺麗にしてくれました。
「テール、ここはノクターン横丁ですか?」
「はい、お嬢様。無事で良かったです。テールめは本当に心配致しました」
「そう。それで今私の年はいくつ?」
「?8つでございますが」
「そう。ありがとう」
今の私は子供になっていました。テールは私に嘘をつきませんから確かに私は八歳なのでしょう。
そして八歳の時にノクターン横丁にいるということは。今日がセドリックとの初めての出会いの日です。
これが夢でなければ過去へと戻ったのでしょうか。
「でしたら漏れ鍋へと行きましょう。テール、案内をお願いできますか」
「はい!お嬢様」
気が急く私に不思議そうにしながらもテールはしっかりと返事を返してくれました。
セドリックはいるのでしょうか。
もし、願いが叶い過去へと戻ることができていたのなら。
「次は間違えません」
私はそう呟き、屋敷を後にしました。
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ミリアで「次は間違えない」とかどうでしょう。
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[mokuji]