学校の怪談

 ※氷点下学パロ
 
 ハリポタ学園に通う私は夕方5時に校舎へ忘れ物を取りに友人のセドリックと一緒に戻ったところ学校の中に閉じ込められました。
 私たちが下駄箱で靴を履き替えていると自動ドアではない学校の入り口のドアが一斉に閉まったのです。
 必死に開けようと試みましたが扉はびくともしません。

 「だいじょうぶだよ。きっと風が吹いて扉が閉まって開かなくなっただけだから」

 そう励まして下さったらセドリックには悪いですが私だって物が分からない訳ではありませんので、風が吹いていなかったのは知っていますしその予想が違うだろうということは分かります。
 せめて同級生の悪戯仕掛人の双子が何かを仕掛けたという方が現実味はありますし、今回ばかりはそうであって欲しいです。

 「とりあえずどこか開いている場所はないか探しながら署員に行こうか。だいじょうぶ、何があっても僕がミリアを守るから」

 そう言ってセドリックは優しく微笑んでくださいました。


 何かなんてなければ良いと思いましたが、何かはありました。

 私たちが廊下を歩いている時に後ろから走ってくる足音が聞こえたので後ろを振り向くと、綺麗なフォームで理科室にあるはずの人体模型が独りでにこちらに走ってきていました。

 「!?」

 私はその光景に驚いて声も出せずに逃げることもできずにいました。

 すると横にいた影が前へと動きました。

 セドリックです。

 セドリックは人体模型を待ち構えると、いつの間にか持っていた野球のバットをフルスイングしました。
 それにより人体模型は大きな音を立ててバラバラに、まるで花火のように散りました。

 バラバラになってもまだ動こうとしている人体模型を見下ろしてから、セドリックは私へ振り返り微笑みました。

 「だいじょうぶだよ。誰だろうとミリアに危害なんて加えさせないから」

 正直、幽霊よりもセドリックの方が怖いのではないかと思わず思ってしまいました。



 その後も花子さんやら口裂けおんなやら音楽室の肖像画やらがありましたが。言葉の通りセドリックが助けて下さり、悪霊を封じた祠やらなにやらなんやかんやと怪奇現象も解決して私は何ともありませんでした。

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