スチュワートと友人 前
(スチュワート視点)
※第二章 13 Ministry of Magicの話
魔法省の神秘部へ続く詳細な道筋を調べて欲しいとミリアに頼まれたとき、俺は何も尋ねずに頷くとともにミリアを怪しんだ。
それは別にミリアが悪いことをしようとしているかと疑ってのことではない。その逆だ。
何か、ミリアは否定するだろうが言うなれば優しさから彼女は危険なことをするのではないかと思った。
だから俺はミリアに情報を渡すときに初めは発破をかけるつもりで交換条件に神秘部へ忍び込むときは俺を同行させるように言った。
するとミリアはすごく嫌そうに顔をしかめたので、すぐに俺の予想は合っていたと悟った。
説得するのにだいぶ時間がかかったが、ミリアは最終的に首を縦に振った。
決行の日、ミリアはきちんと俺を誘ってくれた。
約束を違えることもできただろうが、そうしないところは律儀だ。
俺とミリアが逆の立場だったら俺は約束を破っていたかもしれない。これは性格の差というより性別の差だろう。
魔法省へ忍び込む前、彼女は神秘部にハリー・ポッターや死喰い人、闇祓いが現れると教えてくれた。
その中には現在は逃亡中の殺人犯シリウス・ブラックの名前もあった。彼は死喰い人の立場ではなく闇祓いと共に現れるらしい。
俺はそれに頭がだいぶ混乱したが、なるべく面に出さないようにした。
混乱で危険を回避できない状態であるとミリアに思われたら彼女は極端な性格でもあるからどんな阻止をしてくるかもわからない。
ミリアの計画はただ、成り行きを傍観するだけのものだった。
彼女に傷ついて欲しくはないと思うから俺はその点安心した。
だが、ポリジュースで顔を変え神秘部に続く廊下で二人で見張っているときにハリー・ポッターたちが俺たちの横を通り過ぎて状況が変わった。
ミリアは現れたセドリック・ディゴリーを見て明らかに動揺していた。
彼女の話の中にメンバーとして彼はいなかったから予想外の出来事なのだろう。
心配してミリアを見ると俺の視線に気が付いたミリアはすぐに表情を元に戻した。
その後闇祓いが現れて、続いてダンブルドアが現れた。
やはりというべきか、ダンブルドアに神秘部に行くかと誘われ、彼女は一緒に行くと頷いてしまった。
だから俺も行くと言えばミリアは驚いたように俺を見た。そんな彼女を見返す視線がきつくなってしまったのは仕方がないだろう。
俺はミリアとディゴリーが仲が良くなることを否定するつもりはなかったが。
安全な場所にいつもいたミリアが危険な行動をとるようになってしまったのは、快く思えない。
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