図書室2

 (夢主視点)

 私は図書室で1人授業のレポートを書いていました。

 しばらくしてから私は休憩の合間に本を読もうと魔法心理学という不人気書物の本棚へと行きますと、そこにはウィーズリーの双子のどちらか床に座っていました。

 私は誰もいないと思っていましたので彼がいて驚きました。


 どうしたものか迷いましたが、ここで去るのも気が引けたので目当ての本を取ろうと彼の近くの本棚へと行きました。

 彼は何か話しかけてくるのかと思いました。
 けれど、そんなことはなく視線を感じるだけで話しかけてきません。
 元気がないようです。おそらくはクィディッチのためでしょうが。
 彼らがクィディッチを禁止されたと知ってまだあまり経っていませんし。

 なんとなく彼はジョージだと思います。彼らはそっくりですが、少し性格が違います。
 双子に謝罪をされてからジョージはやたらと私に贈り物をしようとしてきたり(フラワードーム以外は頂いていません)、フレッドは笑顔で気安く声をかけてくるようになりましたので少しだけ分かるようになりました。
 もしフレッドならここで私に空元気でも声をかけてきたでしょうし。
 そもそもジョージの道連れであるフレッドは、ここまで落ち込んでいることをジョージのためにも悟らせない気がします。
 別にこの推測が違っていたとしても構いませんが。


 ジョージは最近ハリー・ポッターとフレッドとともにクィディッチを禁止されたと聞きました。
 私はクィディッチを観戦に行きませんでしたが、暴行されたのがスリザリン寮のドラコ・マルフォイでしたので談話室でも話題になっていました。
 ドラコは寮生たちの前ではグリフィンドールの主要メンバー三人を選手から降ろしたと得意気にしていましたが。
 スチュワートと二人きりの時に泣いているのを見かけました。

 言葉に暴力で返すのはどうかと思いますが。まあ、子供ですしドラコも気が立っていたとは言え暴行を受けてもおかしくない酷い言葉を言ったことは事実です。
 言葉だって十分悪いことだと思います。

 とはいえ私は別に“どちらの方”が悪いと言うつもりはありません。

 と言いますか正直どちらでも良いです。
 夫婦喧嘩は犬も喰わぬと言いますが、子供の喧嘩も一方的なものや命に関わるものでない限りどうでも良いですし。

 ですので、私はジョージが落ち込んでいようが無視をするつもりでした。


 「何を貴方はじめじめとなさっているのですか」


 それなのに、私は声をかけてしまいました。

 それはおそらく桜を思い出して思わずフラワードームを彼から頂いたという借りがあるからです。

 別に今後学校でクィディッチができなくなって落ち込んでいたから心配で、とかそのような理由ではありません。


 ですが、残念なことに。やってみてはみましたが私は人を慰めるようなことに慣れていませんでした。

 ジョージと会話はしましたが、何を言うべきか分からず最後にはジョージのことを「うじうじしてる」と言い、慰めるのと正反対の言葉を残して去りましたし。

 私が何か言わなくとも原作では様子は変わりないようでしたので大丈夫なのでしょうが。


 改めて人を元気づけることの難しさを知りました。

[ 137/179 ]

[*prev] [next#]
[mokuji]