カードキーを巡って

■DWAトニピタ( ^ω^ )
■アメコミやその関連の情報、鉄男や蜘蛛男の情報に関してもちゃんと調べないです
なのでキャラ設定違うとか、こんなキャラちゃうし! とか普通にあります。
そういうの大丈夫ー、って方だけ読めるかと思います……!
地雷でなければ↓へどうぞ
■試験の息抜き&文章リハビリのつもりで書いたので短め






時計の短い針は3を、長い方の針はもうすぐ頂点の12を指そうとしていた。
軽い昼食の後、すぐに作業を再開した天才科学者の二人のために、息抜きも兼ねてコーヒーと甘いお菓子を用意する。
頭を使う作業にはなにかと甘いものが欲しくなる。二人とも、特に甘いものが好き、というわけでは無いが、たまに出してみるといつも食べ切っているので、……まあやはりそういうことなんだろう。
「……うん、やっぱり。僕もコーヒー淹れるの、なかなか上手くなったんじゃないかな」
って言っても、僕も自分の仕事がある手前、インスタントのだけどね。
一人きりの給湯室での独り言、はいたく寂しくって、途中で言葉を切る。
それでも初めの頃に比べるとだいぶ二人好みの味になったと思うし、砂糖やミルクの分量も絶妙!
きっと今日の作品には花マルがもらえるんじゃないかな。
「さて、お疲れだろう科学者様のお二人に、美味しいコーヒーとお菓子を提供しに行こうかな」
二人分のコーヒー、そして女性スタッフ陣がオススメする有名店のお菓子をトレーの上に乗せて、二人のいるであろうデスクへ軽やかな足取りで向かう。
けれど、見覚えのある後頭部は二人分も見当たらなかった。
(んー、トイレかな?)
外出するなら声をかけてから出て行くと思うし、まずパソコンは点けっぱなしだ。そう長い間出て行く予定ではなさそう。恐らくトイレか、……それか息抜きに風に当たりに行ってるんだろう。
どっちにしろ、どちらか一人だけでもはやく戻ってきてくれないと、美味しいコーヒーとお菓子が台無しだよ。
(あれ、トニーの机の下になんか落ちてる……、カードキー?)
トレーをアカツキ博士の方の机に置く途中で、光が反射し、一瞬輝いた『モノ』を視認する。薄暗いのでよくわからないけれど、あれはどう見ても、この施設関連のカードキーである。僕も研究室のカードキーと、宿泊させてもらってる部屋のカードキーとか何枚か持っているのでわかる。
それが施設の持ち主であるトニーの机の下にあるということは、恐らくトニーのもので間違いないはずだ。
しかもそれがマスターキーなどの重要なモノであったらどうしよう。ここの研究スタッフの皆の中に、盗む、なんて人はいないだろうが、本人が気づいてないとしたらどっちにしたって大変だ。もしかしたら今、あれやこれやと探しているのかも。
(これ探しに外出てたら大変だな。一応、僕が預かってもいいのかな?)
とりあえず拾っておこう、と腰だけを曲げて手を伸ばす。所謂前屈の姿勢になりながらカードキーに触れた瞬間、強烈な違和感が(主に下半身)!
「……! ちょっ!」
「やあピーター。どうしたんだ? 私のデスクの下になにかあったか?」
「……っと! どこ触ってんの! 本当! いい加減! セクハラで訴えるよ!?」
自分の腰に回された腕、太腿を不自然に探る手。後ろを振り向かなくても誰だかわかる。少なくともこの研究室内ではね!
「トニー!」
「ハハ、悪い。だがそこに抱きつきやすい身体があったら、触れてしまいたくなるだろ?」
「ならないよ!」
まったくもう! 背後から抱きついたままのトニーを無理やり引き剥がす。『生身の』トニーだったら力負けはしない。
それにしたって、こういうセクハラ関連のことに、僕の立派な第六感(スパイダー・センス)は働いてくれないものだから困る。
「で、本当にどうした? コーヒーを届けに来ただけなら、そんな姿勢にはならなかったろう」
「……あぁ、うん。貴方の机の下にカードキー落ちてたから拾っておこうかなって思って……」
気を取り直して、セクハラの際 咄嗟に握り込んだカードキーを見せる。僕の持ってるものは全部シルバーカラーなんだけど、これは見たこともないゴールドカラーだ。多分やっぱり、トニー専用の特別製なんだろう。
「お、そんなとこにあったのか。無くしたと思っていたが、作り直さずに済んだな!」
「いや、笑い事じゃないでしょ……」
とりあえず返すよ、とカードキーを差し出す。するとトニーは受け取るどころか、いつの間にかお菓子片手にコーヒーを飲み始めている。
「ち、ちょっと。返すってば」
「あー、俺は要らない」
「要らないって! なんのキーかは知らないけど、貴方のでしょ? 大事な部屋とかのキーじゃないの?」
例えばそう、自室のとか。
そう呟くとトニーはご名答! と言って僕を指差した。
人を指で指しちゃダメ、ってキャップに習わなかったの?
「それはお前のだ、ピーター」
「え? 意味わからないよ。僕もう借りてる部屋あるもの」
「それは俺の自室のキー。お前の部屋のとは別物だ」
「……うん?」
よくわからない。天才はいつも勝手に話を進めるんだ、凡人たち皆が理解しきっていると思って!
今だってトニーは僕の「?」マークを無視して話を進めている。
「それはお前にやろうと思って作った。……まあ合鍵という奴だな。俺の部屋はマスターキーでさえ開かないからな。超レアだぞ超レア。……いや、激レアか?」
「……ええーっと……。言いたいことは色々あるんだけどさ。なんで僕にくれるの? そんな大事な合鍵を」
「理由が必要か? なら提示してやる。『私が仕事や業務以外で君と関わりたかった』からだ。それ以上に理由なんてない」
やっぱり……凡人(ぼく)の理解の範疇を超えている。呆然とする僕の前の男はなんて言ったのかな? 普通にコーヒー飲んでるし。もしかしてこの人、トニー・スタークその人ではないんじゃないの。ヴィラン?
「うん。なかなか淹れるの上手くなったんじゃないか、ピート?」
「……とりあえず……」
「ん?」
「僕は、その理由をどう受け止めればいいの?」
「それはお前次第だな? ピーター・パーカー助手」
「Oh……」
なんだか悪戯が成功した子供みたいな顔で、トニーはにやりと笑った。いつもの余裕綽々な態度が、上司なのに今は腹立つ。
とりあえず己の顔がとてつもなく熱く感じたので、ゴールドカラーのキーごと、顔を手で覆う。平たくてツヤツヤしたカードの表面はほんの少し冷たい。でもすぐに温くなってしまったので、なんだ、やっぱり特別製だろうが超レアだか激レアだろうが、普通のカードキーと質自体は一緒じゃない。

アカツキ博士が戻ってくるまで、僕は彼の分のコーヒーも温くなってしまっていることに気づかなかった。

*・*・*

おまけ(トニーさんとアカツキさん)

「あんまり彼をからかうものではないだろう、トニー」
「俺はいつでも本気だが?」
「……はあ、まあいい。彼はこっちで出来た三人目の我が子みたいな感じなんだ。あんまり好き勝手やってくれるなよ」
「はいはい、お義父さん」
「やめろ」



■これトニーさんこれやばいじゃないスかただのセクハラ親父ですよやべえ。これ本当にトニピタ???
■神よ私にタイトルセンスを与え給え
■全然アメコミわかりません\(^o^)/お目汚し失礼しましたああああああああああ
え? ピーターに(半強制的に)渡された鍵? 彼が持ってますけど使うか否かは知りませんていうか誰か考えてくださいお願いします
とりあえず
_人人 人人人人人人人人人_
> DWAピーター可愛すぎ<
 ̄Y^Y^Y^Y^Y^Y^Y^Y^Y^ ̄
■あ、でもDWAさえちゃんと見てないです……(震え) とあるお方のDWAイラストからハマったので……
(2014.11.23)(2014.11.24 加筆修正)
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