日常 | ナノ
58日目(月曜日)

今日は花ちゃんと一緒に遊園地に行った。平日だから空いているだろうと踏んでいたのだが実際はそんなこともなくまあまあ混んでいた。どう言うわけか真選組の方々も来ていてあの人たちは本当に仕事をしているのか心底疑問に思ったけど潜伏調査とか護衛とかそんな感じの仕事をしていたのだろう。そう信じたい。

「ねえあんた大丈夫?」と花ちゃんに聞かれ意味がわからず首をかしげると「最近あんたと出かけるといつも警察と出くわしてるような気がするんだけど。裏でなんかやってるの??やっぱり御用改めなの??」と返ってきて絶句する。確かにたまに会うけどかぶき町は狭いし単なる偶然だ。そう伝えると「でも名前覚えられてるのはやばいって」と眉根を寄せる花ちゃん。花ちゃんの中で真選組のイメージは大分よくないみたいだ。

私まで疑われ続けるのも嫌だし、何かイメージアップにつながることはないだろうか。深く考えずにメリーゴーランドに乗っている真選組の三人を指差して「大丈夫だよ。見てほら、楽しそうにメリーゴーランド乗ってるよ。あの人たちも人間なんだよ」と言ってみると花ちゃんから「銃構えてない?」と会心の一撃を食らって何の擁護もできなかった。「やっぱり真選組ってやばい」と花ちゃんの中の真選組のイメージがさらに悪くなってしまったようだ。私は何も知らないぞ。

そういえば、そろそろ帰ろうかというときに遊園地のベンチに座っている沖田を発見した。さっきまでメリーゴーランドで生き生きと銃を構えていたのに、そのときはめちゃくちゃ具合が悪そうな顔をしていた。絶叫で酔ったのか?いやいや…人をいびることを生きがいにしているような人が絶叫如きでダウンなんてそんな馬鹿な…と思ったが、尋常じゃないくらい真っ青な顔をしていて流石に心配になったので、自販機でスポーツドリンクを買って沖田の隣に置いておいた。気付かれたら面倒なので出来る限り足跡を消して、そそくさとその場を後にする。

リアクションがなかったから多分気が付かれていないと思う。歴戦の猛者が隣に飲み物置いても気が付かないなんて本当にダウンしてたんだなあ。絶叫も真顔で乗ってしまう私には怖さがよくわからないけど苦手な人って本当にいるのか。沖田も人間だったんだな。今日は程よく疲れたのでよく眠れそうだ。さ、寝よう。




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