日常 | ナノ
38日目(火曜日)

バルサンは偉大だ。両隣のお店が半壊している中、バイト先だけが無傷で君臨していた。今日はここくらいしか空いているお店がなかったからか大盛況だった。やたらバルサンを買っていくお客さんが多かったのは、昨日のことで防犯が大事だと痛感したのかもしれない。まさかバルサンが防犯グッズになる日が来るなんて。天人ってすごい。

…ゴキブリに対して防犯って言葉を使うのはおかしいのか?でもあそこまで事態が悪化すれば防犯でも良い気もする、まあいいか。

バイト帰りに差し入れを持って万事屋へ赴くと、ここが諸悪の根源なのではと疑うレベルの壊れっぷりだった。戸をノックすると、傷まみれの坂田さんが「ああ…無事だったのか」と死んだ目で迎えてくれた。神楽ちゃんは「ゴキブリ…ゴキブリ…」としか言えなくなっていた。よっぽど怖い目に遭ったんだろう、可哀想に…。新八くんの姿が見えなかったが彼は大丈夫だろうか…

ゴキブリ大量発生事件はかぶき町の住人たちの心に大きなトラウマを植え付けてしまったようだ。とりあえずバルサンはまだまだ売れそうだから店長に発注かけてもらおう。さ、明日も出勤だしもう寝るか。

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