日常 | ナノ
22日目(日曜日)

祭りの感想はかぶき町半端ないの一言に尽きる。まさかからくりたちのクーデターがこの目で拝めるなんて!感激して逃げ遅れていたら真選組の人たちが誘導してくれた。全く妹が逃げ遅れてるっていうのに実兄は一体何をしているんだ。

よし、テンションが高い今の内に祭りのことを書きまくろう。祭りは総合的に言えば楽しかったんだけど序盤は微妙だった。祭りに来てすぐに一緒に来た兄が「やべー財布忘れた」とかふざけたことを言い始めたからだ。「一人で取って来て」と返すと「道がよくわからない」とのことだ。ふざけんな。腹は立ったけど仕方がないから一緒に取りに帰ることにした。

道中何もないのも寂しいのでわたあめを数個買ってそれをつまみながら歩いていたら偶然坂田さんとチャイナちゃんと眼鏡くんに会った。彼らは三人で万事屋というものをやっていて(そういえば前に坂田さんからそんなような名刺を貰ったような気がする)今日はからくりの整備的なことをしているらしい。

祭り付近で働いてるのに祭りに行けないなんて可哀想だなと思ってわたあめをあげたら三者三様の反応をみせてくれた。チャイナちゃんは目をキラキラ輝かせていて物凄く可愛かった。眼鏡くんは律儀にお金を支払おうとしていた。真面目か。坂田さんはチャイナちゃん以上に目を輝かせながら「やばい銀さん惚れそう」とかなんとか言っていた。わたあめぐらいで大袈裟な。

そんなやりとりをしていたら痺れを切らした兄が遠くから「那津ー!早く行くぞ!」と叫んできた。ほんとなんで私にはこんなに偉そうなんだろうかうちの兄は。おバカでヘタレのくせに。

祭りに戻ってからはそれはもう楽しかった。たこ焼きといか焼きとあんず飴とわたあめとフランクルトとかき氷を食べて、それからヨーヨー釣りと輪投げと金魚釣りをして祭りを十分に満喫した。

途中派手な着物を着て左目に眼帯をつけたなんだか色々な意味で印象的なお兄さんの前で躓いて思いきりお腹に頭突きをかますというハプニングも起きたけど、その時手に持っていたたこ焼きを彼に溢さなかったのが不幸中の幸いだったと思う。躓いたときにあげた奇声が可笑しかったのかお兄さんはくくっと喉を鳴らして笑っていた。そんなちょっと妖しいお兄さんにはお詫びの気持ちを込めて持っていたたこ焼きを献上しておいた。

そのあと射的をやろうと思って射的屋に行ったらチャイナちゃんと真選組の茶髪のイケメンさんが占拠していたから諦めた。長谷川さんのサングラスが無惨に割られていたけど流れ弾にでも当たったのだろうか。

大体今日はこんな感じだった。日記を書き始めてからようやくご褒美らしいご褒美を自分にあげられた気がする。明日はバイトだしもう寝るか。おやすみなさい。




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