日常 | ナノ
19日目(木曜日)

今日はバイトが休みだったから久しぶりに家でのんびり過ごす事にした。今までの日記を読み返したり草花に水を遣ったりして、ふと時計を見ると時刻は12時ちょい過ぎ。特にやる事もなかったのでテレビをつけた。

「変であることを恐れるな!変とはつまりオリジナリティーだ!第一回宇宙で一匹変てこペットグランプリぃぃ」

その言葉のあとに画面いっぱいに映し出された顔を見て思わず飲んでいたお茶を盛大に噴き出してしまった。「うわ汚ね!ちゃんと拭けよ!」と兄にティッシュを手渡されたがその時の私はそんな事している場合じゃなかった。

テレビに映っていたのは坂田さん・チャイナちゃん・眼鏡君+異常にでかい犬。そして宇宙キャプテンカツーラと名乗る物凄く見覚えのあるイケメン+いつかのペンギンみたいな不思議な生物だったからだ。

「世の中には変な生き物がいっぱいいるんだなあ」なんて感心する兄の隣で私は何も言えずに目を見開いて画面を凝視していた。そんな私を怪訝に思ったのか兄が「え?目開いたまま寝てんのか?」と声を掛けて来た。そんなわけないので首を横に振ると「じゃなんでそんな茫然としてんだよ」と尋ねられる。「これ皆お客さん…」と返すと「…流石かぶき町」と感心してるんだか呆れてるんだかよくわからないコメントを頂いた。

それからもテレビを見続けていたのだが、なんというか…凄かった。ペット同士の競い合いであるはずなのにあれじゃあ飼い主同士の争いだと思う。坂田さんなんて巨犬のエサみたいな扱いされてたけど、あの人は毎日こんなデンジャラスな生活を送っているのだろうか。もしそうだとしたら心底同情する。頑張れ坂田さん。

そういえばあの終わり方は何だったんだろう。突然エリザベスというキャプテンカツーラさんのペットが喋り始めて口から手が出てきた時には心臓が止まるんじゃないかと思うくらい吃驚した。ハラハラしながら見守っていると画面はキャプテンカツーラさんのアップへと変わり、彼が「…ウソだろ。エリザベ…」と言うのと同時にブチっと放送中止になってしまった。「えええええ」と兄とハモったのは言うまでもない。

非常にモヤモヤするけど番組内でひとつ良かったことと言えばチャイナちゃんがガチガチすぎて突拍子もないことばかりしている姿が物凄く可愛かったことかな。今度会ったらあんまんでも奢ってあげようと思う。今日はこのくらいでいいか。おやすみなさい。




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