赤点をお姉ちゃんに知られたくない侑



古典の小テストで赤点をとってしまった。

「宮、お前期末でもこんな点数とったら補習やからな」
「補習!?部活あるから無理やって!」
「どあほ!部活よりも勉強やろ!お前このままやと進級できへんで!?」
「うぐっ…!」

古典の先生に痛いところを突かれて思わずたじろぐ。
この光景がクラスの連中は面白いらしく、めちゃくちゃ笑っているがこっちは笑いごとじゃない。

進級できへんのもやばいけど、何より補習で部活に出られへん方がやばい…!

インハイも控えてて大事な時期やのにバレーできんとかありえへんやろ…!?

あと理由が理由やから、絶対北さんにしばかれる…!!

「無理、死ぬ…」
「だ、大丈夫やって。期末で赤点回避すればええんやから、今から勉強頑張れば平気やろ」

ズーンと生気を失いながら自席に戻ると、隣の席の銀が俺の肩を叩いて励ましてきた。
頑張れば平気だとか、そういうことを簡単に言わないでほしい。
頑張ってもわからないからこの有り様なのだから。

そもそも古典って日本語のくせに意味わからすぎんねん…

教科書も解読不可能やし、先生も何言うてるか理解できへんし…

「もう俺にはどこをどう勉強すればええかわからん…」
「うーん…近くに勉強教えてくれる人とかおらんの?それこそ、侑の姉ちゃんとかどうなん?」
「なまえちゃんは優しく教えてくれる…」
「なんや、ほんなら安心やん」
「安心ちゃうわっ、なまえちゃんになんて恥ずかしくて頼めへん…!」
「…は?」
「古典で16点なんてとって、ツムくんほんまおバカさんやって思われたない…!」
「ええ…今さらそれ気にするんか…。侑がバカなことなんてもう知っとるやろ、姉ちゃんなんやし」
「銀、お前めっちゃひどいこと言うやん…」

とにもかくにも、俺はなまえちゃんにこのひどい点数を知られたくなかった。
だからなまえちゃんに見つからないように勉強は学校の図書室ですることにした。

俺だって一人でちゃんと勉強できんねん!

期末で華麗に挽回したるから覚悟せぇよ古典!




「#エロ」のBL小説を読む
BL小説 BLove
- ナノ -