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※北信介のいとこで年は1個下、だから同学年にあたる双子達とも絡めるし、元宮城住みだから烏野・青城・白鳥沢とも交流できる、ある意味スペックもりもりのヒロインでした。ちなみに白鳥沢の天童くんと同小で仲良しって言う設定もつけてました。
※北くんはいとこのことをだいぶ可愛がっていて過保護です。



真新しい制服に身を包んだいとこの姿を見て、俺は思わず目を細めた。
キラキラしていて眩しい。
去年の今頃の自分はこうも輝いてはいなかったと思う。

「ど、どうかな…?変じゃない…?」
「心配せんでもよう似合っとるよ」

稲荷崎高校の入学式を明日に控えているなまえは俺の一個下のいとこだ。
もとは宮城に住んでいたいとこなのだが、父親の長期海外出張が決まったことにより中学の途中から兵庫にあるこの家に預けられることになって、今は俺となまえとばあちゃんの3人で暮らしている。

「あらまあ、素敵やないの。やっぱりなまえちゃんは日本一のべっぴんさんやねぇ」
「うん、俺もそう思う。なまえは日本一や」
「お、おばあちゃんも信介くんも大げさだよ…」

頬を赤く染めて盛大に照れているなまえの可愛いらしい反応に俺もばあちゃんもほっこりする。
身内の贔屓目もあってなまえのことは昔から特別可愛いく見えて仕方がないのだ。
明日からはじまるなまえの高校生活を俺も楽しみにしている反面、悪い虫が寄りつかないかという心配もしている。

「せや、記念に一枚写真撮ろか」
「それええねぇ。お庭の桜の下で、なんてどうやろ?」
「うん、ええと思う。スマホ持って来るから、ばあちゃんとなまえは先に庭に出とって」
「あ、待って信介くんっ…」

スマホを取りに一度自分の部屋に戻ろうとしたら、くいっと服の袖を引かれて思わず立ち止まった。

「なまえ?どないしたん」
「えっと…信介くんは、制服着ないの…?」
「俺の制服姿なんてなんべんも見とるやろ」
「そ、そうだけど…せっかく写真撮るなら、一緒に制服で撮れたら嬉しいなって思って…」

足もとに視線を落としながらもじもじしているなまえを見つめて俺は目を瞬かせる。
そして次の瞬間には、ふっと笑みがこぼれた。

「ほんなら、着替えてくるからちょっと待っとき」

ぱっと顔を上げたなまえが嬉し恥ずかしそうにはにかんでこくんと頷いた。
素直でほんまに可愛い。
やっぱりなまえは日本一や。

その後、俺も制服に着替えて庭に出るとばあちゃんになまえの隣に立ってほしいと言われた。
どうやらばあちゃんが俺らを撮る気満々でいるようなので、スマホのカメラを起動させてここを指で押せば撮れるからと説明をした。

「信ちゃんもなまえちゃんもほんまに美男美女やねぇ。ほな、もう一枚。次こっちの縁側に座ってるところも撮ろう思て」

そんなに撮らんでええで、とは言えないまま楽しそうに写真を撮りまくるばあちゃんにしばらく付き合うことになった。
結果、俺のスマホのカメラロールがなまえとのツーショット写真で埋めつくされることとなり、これはこれでええなと思って一番気に入った写真を待ち受けに設定しておいた。




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