01

※片思い男子シリーズ「ヘタレ侑」の初期案でした
※ヒロインは隣のクラスの憧れの女の子



俺が俺じゃなくなるような感覚。

いつもみたいに笑えへんし、心臓バクバク言うて緊張しとるし、思ってること全然言葉にできへん。
いつもの俺が今の俺を見たら、絶対に「このポンコツ」言うたと思う。

好きやって、なんでその一言が言えへんのやろ。

「宮くん?」

不思議そうな顔で俺を見上げるその女の子にハッとする。
あかん、見すぎた。

稲荷崎高校の制服を着た小柄な女子生徒。
隣のクラスのみょうじなまえちゃん。
俺が絶賛片思い中の相手。

「お、おはよう…ええ天気やね」

なんやねんそれって心の中で自分につっこむ。
軽く片手上げて「おはようさん」でよかったやんと思う。
いつもならそれで女子をきゃあきゃあ言わせとるのに、なんでかなまえちゃんの前やとそれができへん。

「そうだね、本当にいいお天気。秋晴れだね」

俺の下手くそな挨拶に丁寧に返してくれたなまえちゃんがふわって微笑んだ。
優しくて柔らかい感じがするその笑顔に胸がきゅんとする。
ちょっと話せただけで、笑いかけられただけで、それだけで嬉しい。
これが恋なんやってしみじみ思う。

「宮くん、半袖で寒くないの?」
「えっ、あ…いやこれは朝練やったから暑かっただけで…い、今だけやでっ、あとでちゃんと上に着るし…」

季節はもうすっかり秋で、肌寒くなってきたからみんなブレザーを着るようになっていた。
目の前にいるなまえちゃんだって着とるし、なんなら中にカーディガンまで着とる。
それなのに俺は半袖のワイシャツ1枚でいて、なんかこんなん暑がりで汗っかきの男みたいで急に恥ずかしくなった。
それをなまえちゃんに思われるのも嫌で、動いた後やからやで!と必死になっている俺ダサすぎやんけ。

「朝練があったんだね。バレー部すごく強いから、練習も大変そう…」
「まあ、大変やけど…でももっと上手くなって強くなりたいねん。そのための練習やし、バレーはやってて楽しいし…」
「宮くんはバレーボールが大好きなんだね、素敵だと思う」
「えっ…!す、すてき…?」
「あ…!担任の先生来たみたい」
「ほんまや、なまえちゃん怒られたら大変やで、はよ行きや…!」
「うん、ごめんね」



※このあとは今あるヘタレ侑とだいたい同じで、ライン聞くところから勇気出します。




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