1・2ワンツーチェック!



※小3の双子と小4のお姉ちゃん



「なまえちゃん!歯みがきチェックしてや!」
「姉ちゃん俺も!俺のもチェックして!」

洗面所で歯みがきしたら、真っ先に向かう場所がある。
それはお姉ちゃんのところ。
みがき残しがないか、なまえちゃんがチェックしてくれるのだ。

「俺が先や!」
「なんでやねん!俺や!」
「はい、順番ね。昨日は侑くんからやったから今日は治くんから」
「ええー!?」
「やった!」

ぶうっとふてくされる俺の頭をなまえちゃんが撫でながら「侑くんは良い子やから治くんに譲ってあげられるもんね」と優しく笑う。
だから俺は途端に良い気分になって得意気になった。

しゃあないな、俺ええ子やからな

「姉ちゃん、早く早く」
「はい、じゃあお口開けて?あーってしてね」
「あー」

治と目線を合わせたなまえちゃんが口の中を覗き込む。
両手を治のほっぺを添えて、たまに上を向かせたりしながら隅々までチェック。

「うん、大丈夫そうやね。次は、いーってして?」
「いー」

奥歯のチェックが終わったら今度は前歯だ。
治の後ろで順番を待ちながら、俺はまだかまだかとそわそわしてる。

「はい、チェック終わり。治くん、歯みがき上手になったね」
「!ほんまっ?」

なまえちゃんに褒められて、わっと喜んでいる治。
なまえちゃんもニコニコしながら治の頭を撫でていて、なんだか面白くない。

「なまえちゃん!次!俺!」
「うるさっ、声でか」
「治は終わりやろ!はよ変われや!」
「ごめんね、お待たせ。侑くんも歯みがきチェックしようね」
「うん!」

治と交代して、やっとなまえちゃんの前へ。
「あー」と口を開ければ、にこりと笑ったなまえちゃんが優しく俺のほっぺに両手を添えてくれた。
ちゅうができてしまいそうなぐらい近い距離でなまえちゃんに見られているこの時間はドキドキする。

「侑くんの歯、キレイやね」
「!き、きれいっ?」
「うん、白くてキレイ」

歯を褒められて、嬉しくて照れる。
「いー」と前歯を見せている時もなまえちゃんはやっぱりキレイだと褒めてくれて、明日もまた丁寧に歯みがきしようと思った。
そして自分の歯を大事にしようとも思った。

「はい、おしまい。お疲れさま」
「もうおしまい?俺のキレイな歯、なまえちゃんならもっと見てもええんやで?」
「ふふ、ありがとう。じゃあまた明日見せてね」
「なあなあ、姉ちゃんは歯みがきチェックせんでええの?」
「わたし?」
「せや!なまえちゃんもチェックせなあかんで!」
「じゃあ、二人がチェックしてくれる?」
「「する!」」

今までなまえちゃんにしてもらうばかりであったから、今日は俺と治でなまえちゃんの歯をチェックしてあげることにした。
俺らの前で「あ」と口を開けるなまえちゃん。
治と一緒になって覗き込むけど、なまえちゃんの歯はとてもキレイだった。
そもそも俺らに歯みがきのポイントを教えてくれたのなまえちゃんなのだから当たり前だ。

「次、いーってしてください」
「してください」
「はい、わかりました。いー」
「おーめっちゃキレイです、完璧です」
「なまえちゃんさん、歯みがき上手ですね」
「ふふっ、もうその敬語なぁに?」

なんでか敬語になっている俺と治、それをおかしそうに笑っているなまえちゃん。
つられて俺らも笑ってしまった。
笑顔の中でそれぞれの白い歯がキラリと光っていた。



1・2ワンツーチェック!




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