生温い関係のるつぼ



※小6の双子と中1のお姉ちゃん



やばい。
夏休みの宿題が終わらへん。
明日から登校日やっちゅうのに、俺の算数ドリルはまだ終わりが見えへんし、ツムは2行しか書けてへん読書感想文に頭を抱えとる。

あー…もう宿題やりたない…

眠い…寝たい…

「サムくん、コーヒー牛乳飲む?」

姉ちゃんのその声に閉じかけた目がカッと開く。

「飲む!」
「なまえちゃん俺も!」
「うん、ツムくんの分も作って持ってくるね」
「牛乳いっぱい入れてや!」
「ツムのほぼ牛乳のやつやん、お子様は牛乳飲めや」
「はあ!?なんやと!?」
「こらこら、ケンカしないの」

それから姉ちゃんが部屋にコーヒー牛乳とクッキーを持って来てくれた。

「二人とも、あともう少しだから頑張ろうね」
「「はぁい」」

小休憩を挟んで、集中力を取り戻した俺はガリガリと鉛筆を走らせてドリルを進める。
そんな俺を見て姉ちゃんが「えらいえらい」って褒めてくれた。
対抗したツムも数行文字を埋めるたびに姉ちゃんの顔見て「俺も!」ってえらいえらいを要求してた。





「よっしゃ終わった!姉ちゃん、俺宿題ちゃんとやったで!」
「俺も終わった!なまえちゃん見て!こんないっぱい文字書いたで!」
「二人ともお疲れ様やね、よく頑張りました」

やり終えた宿題を手に姉ちゃんのところに駆け寄れば、優しい笑顔で俺とツムの頭を撫でてくれた。
もう6年生やけど、姉ちゃんになでなでされるのが今でも好きやねん。

「およ。姉ちゃんのそれ何?」
「うん?これはね、アルバムだよ」

俺らが宿題やっとる時、姉ちゃんが何かの整理をしとるのは気づいとった。
でもアルバムだとは思わなくて、ちゅうかそんなところにアルバムがあったことも知らんかった。
興味津々に俺とツムは姉ちゃんの隣に座って、その手にあるアルバムを覗き込む。

「うわ、俺らちっちゃ!」
「二人がピカピカの一年生の時の写真やからね」
「あ、これ覚えとる。運動会でやったパン食い競走。こんときのパンむっちゃうまかった」
「どんな記憶力やねん、味まで覚えてへんわ」
「ふふっ、懐かしいよね。ツムくんもサムくんもちっちゃくてこんなに可愛い」

アルバムのページをめくりながら、小さい俺とツムを見てにこにこしとる姉ちゃん。
俺らのことばっか可愛い言うとるけど、ここに写っとる昔の姉ちゃんだって小さくて可愛い。

写真と姉ちゃんを見比べながら、昔と比べて姉ちゃんは色々と成長したんやなと思わずにはいられない。
そりゃ俺とツムだって背も伸びたし、体つきなんて変わって当然なんやけど、それでもやっぱ姉ちゃんは女の子やから俺らとはちゃうねん。

おっぱいだって、昔はぺたんこやったのに…

「サムくん?どうしたの、…!?」

もにゅっ

「あ…」

自分でもびっくりした。
気づいたら姉ちゃんの胸に俺の手が触れてたから。

「は?……はあぁあ!?サム、おまっ、何してんねん!?」
「いや、俺にもわからん…無意識やった」
「アホか!無意識やったら何やってもええんとちゃうぞ!つか、いつまで触っとんねん!」

わかっとる、わかっとんねん。
早くこの手を退けて姉ちゃんに謝らなあかんって頭ではわかっとるんやけど、むにむにのこの感触。

姉ちゃんのおっぱいから離れたないって、俺の手が叫んでんねんッ!

「しょうがないよね、サムくんも男の子やもん」
「姉ちゃん…」
「おっ…俺やって、男の子やしッ!!」
「きゃっ、!?」

姉ちゃんの胸に顔面からダイブしてぎゅうっと抱きついたツム。
姉ちゃんは優しいから戸惑いつつもツムを抱き締め返して後頭部を撫でてやってた。
膨らみに顔を押し付けてその柔らかさに「ここが天国や…」とバカ丸出しなこと言うとるツムに呆れたけど、俺も人のこと言えんから黙っておいた。

「俺、このまま寝る」
「ふざけんな、独り占めは許さへんぞ」
「今日は暑いから離れて寝よう…?」
「「ヤダ」」



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