宮家のお姉ちゃんは天使さま

※小2の双子と小3のお姉ちゃん



がっこうが休みのにちようびのあさ。
いっしょにねてたなまえちゃんがおらんくて目がさめた。
よるにおやすみ言うたときは、おれとおさむのあいだにおったはずなんやけどなぁ…。
おさむもおきたみたいで「あれ、ねえちゃんは…?」って、あんましあいてへん目でなまえちゃんをさがしとる。
おれもまだねむたかったけどなまえちゃんがおらんことの方が気になってしもて、おれとおさむはいっしょにへやを出て、オカンのところに行ったんや。
なまえちゃんどこおるん?ってオカンにきこうとおもったんやけど、きくまえになまえちゃんを見つけた。
なんや、オカンのところにおったんやな。

「雨ふっとるから気をつけて行くんよ?」
「うん、行ってきます」

げんかんでオカンに「行ってらっしゃい」言われとるなまえちゃん見て、ぱちっと目がさめた。
えっ、なまえちゃんどこ行くん?
いそいでおさむと走って、いえから出て行こうとするなまえちゃんをよび止めた。

「なまえちゃんお出かけするん!?」
「ねえちゃん!おれもいきたい!」
「おれも!おれもいく!」
「こら、侑も治も待ちなさい。お姉ちゃんはお母さんの代わりにおつかいに行くだけなんやから、あんた達は家で待っとればええの」
「いやや!なまえちゃんと行く!」
「行ってどないするの。遊びに行くんじゃないんよ?」
「おれ、ねえちゃんのおてつだいする!おもいやつもつ!」
「おれも!おれもおてつだいする!」

はい!って手ぇあげて、おてつだいできますアピールをしたら、オカンがでっかいためいきついて「なまえごめんね、侑と治も連れて行ってあげられる?」ってきいてくれた。
もちろんなまえちゃんはやさしいから、にこってわらって「いっしょに行こうね」っておれとおさむの手をぎゅってしてくれた。
うれしくなって、おれらもにこにこになる。

オカンにパジャマの上からカッパきせてもろて、ながぐつもはいたらじゅんびオッケーや。
カッパのフードをちゃんとあたまにかぶって、なまえちゃんと手ぇつなごおもったら、おれよりも先におさむがつないどった。
いつもはふたつあるなまえちゃんの手やけど、今日はあめふっとるからかたっぽはカサもってしもてるし、これじゃおれだけ手ぇつなげへんやん…!

「おさむ!そこおれのとこやで!」
「早いもんがちやし」
「うぐぬっ…!」
「ふふっ、じゅんばんこね。あつむくん、帰りはおねえちゃんとおててつなごう?」
「うんっ!つなぐ!」

おれはええこやから、ちゃんとかえるときまでガマンできるんやで。
せやから今はなまえちゃんの白いようふくをぎゅっとつかんどくことにした。
3人でオカンに行ってきます言うて、いえを出たらちかくのスーパーまであるく。
みずたまりを見つけたら「なまえちゃんこっちやで!」って、なまえちゃんがみずたまりをふんでぬれへんようにひっぱった。
おれはおとこやからなまえちゃんのこと守ってあげなあかんねん。

それからスーパーでオカンのかいたメモ見ながらやさいとかさがして、カゴはおれとおさむで代わりばんこにもってはこんだ。
レジのおばちゃんになまえちゃんがお金はらっとるあいだに、おさむといっしょにかったもんをふくろに入れる。
「2人とも大丈夫?おねえちゃんもいっこもつよ?」ってなまえちゃんが言うてくれたけど、おれらは声をそろえて「へいき!」とへんじした。

「あれ、雨やんだみたいやね」

スーパーを出たら、外はさっきよりあかるくなっとって、くものすきまからそらが見えとった。
あめがふったあとってなんか好きや。
だってキラキラしとるもん。

「あつむくんとおさむくんがいい子やから、神さまがお天気にしてくれたのかもしれへんね」

ふわっとわらっておれとおさむのあたまをなでてくれたなまえちゃんもキラキラして見えた。
白いようふくきとるから、天使みたいや。
「おうちに帰ろっか」って、やくそくどおりにこんどはおれの手をつないでくれたなまえちゃんのあったかい手をぎゅうってにぎりかえす。

「なまえちゃんって、いつかそらとべそうやな」
「鳥みたいに?」
「とりやなくて天使!なまえちゃんは天使やもん。なあ!おさむもそうおもうやろ?」
「わかる。おれ、ねえちゃんはせなかに白い羽かくしてるとおもってんねん」
「えっ、なまえちゃん羽あるん!?」
「さすがにおねえちゃんでも羽は持ってへんよ」
「えー!ほんまかどうかあとで見せてや!カクニンせな!」

このあといえにかえって、おれとおさむでなまえちゃんのようふくの中に手ぇつっこんでせなかのとこさわってたらオカンに怒られた。




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