ライフ・イズ・ビューティフォー



二週間の海外遠征だった。

「なまえちゃん〜!」

俺の日本帰国に合わせて空港まで迎えに来てくれたお姉ちゃんが笑顔で小さく手を振っている。
俺はたまらない気持ちになって、大荷物のキャリーを引きながらなまえちゃんの元へと走った。

「ほんまもんのなまえちゃんや〜!」
「わぷっ…!」
「むっっっっっちゃ会いたかった〜!」

人目も気にせずになまえちゃんをぎゅーっと抱き締めて、すぅーっと息を吸い込む。
なまえちゃんの匂い…んんっ゛なんか泣きそ…。

「ツムくん…チームの皆さん、見とるから…」
「そんなんええの!ほっときゃええねん」
「でも…チームで集合してお話とかあるんじゃ…」
「ないない!現地解散やからこっからは自由!」

後ろの方でぼっくんの「ツムツムまたな〜!」って大きな声が聞こえきた。
ブンブンと手を振ってるぼっくんの横で翔陽くんがペコッと頭を下げてて、それを見たなまえちゃんは安心したように微笑んで頭を下げていた。

「もう心配事はあらへん?」

俺が顔を覗き込むと、なまえちゃんはうんって頷いてにこりと笑った。
それから「ツムくん、おかえりなさい」って優しい顔で言ってくれて、俺もニカッと 笑って「ただいま!」とまたなまえちゃんを抱き締めた。

「すごい大荷物やね。行きよりも増えた?」
「せやねん。お土産買ったら増えてもうた」
「えっ、コレ全部?」
「そ!コレぜーんぶっ、なまえちゃんにやで」

キャリーの上に乗っている大荷物。
向こうでなまえちゃんにと思って買ったものがいっぱいに詰められている。
一個ぐらいはサムの分もあるかもやけど。

「今回の海外遠征、なまえちゃん行きたがってたとこやったやん?せやから、なまえちゃんにも向こうの空気味わって欲しくて色々買って来た」
「!それでこんなにいっぱい…嬉しい、ツムくんほんまにありがとう」
「いーえ!でもいつか一緒に海外旅行しよな」

絶対連れてったる!と胸をドンッと叩いてみせる。
なまえちゃんは嬉しそうにふわりと笑いながら、またありがとうってお礼を言った。

「どこか寄って何か食べて行く?」
「いや、今日は真っ直ぐ帰ろ。ほんでなまえちゃんのメシ食いたいねん。俺な、向こう行ってからずっと決めててん。日本帰ったらなまえちゃんの作ったメシを一番に食うって」
「ふふ。わかった、じゃあ一緒におうち帰ろっか」
「うん!」

なまえちゃんの手をしっかり離さないように握って、一番帰りたかった場所に大好きな人と帰った。



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