So you're into sister



それは角名が家に遊びに来た時のことやった。
俺とツムがコントローラーを手にウイイレをプレイしとる後ろで、パーティー開けしたポテチを摘んで食っとる角名。
ゲーム画面を見ながらツムが「角名、姉ちゃんに彼氏はできたん?」ってからかいを含んだ声で聞いたら、

「できてねぇよ。つか、なまえ姉の彼氏は俺だし、結婚するのも俺だから」
「…お前、それマジで言うてるん?」
「姉弟じゃ結婚できへんの知らんの…?」

弟が彼氏面しとるのもヤバイと思っとるけど、それよりも姉ちゃんと結婚するとか言うてるのが激ヤバすぎて思わずツムと一緒に角名の顔を見てしまった。

「知ってるよ。でもなまえ姉を他の男にとられるとか死んでも無理」
「お前がシスコンなのは知っとったけど、いよいよ重症やな…」
「角名がそんなやから姉ちゃん彼氏できへのやで?可哀想やと思わんの?」
「は?俺以外の男と一緒になる方が可哀想だから」
「マジかお前…ここまでくると逆に尊敬するわ」
「俺は角名が怖いわ」

なんちゅうか、こんなシスコンモンスターと暮らしてる角名の姉ちゃん大丈夫なん…?

角名のとこって確かこっちでは姉ちゃんと二人暮しやろ…?

二人っきりってなんか、色々ヤバそうなんやけど…

「なあ…まさかとは思うけど、お前姉ちゃんに手ぇ出したりしてへんやろな…?」
「出したら問題でもあんの?」
「はあ!?大アリやろ!?ちょ、正直に言うてみ…!?どこまでやったん…!?」
「待て待て待て、俺は聞くのが怖い…!怖すぎる…!」

ガシッと角名の肩を掴む俺と、怖い怖いと自らの耳を塞ぐツム。

「なんでお前らにそんなこと話さなきゃいけないんだよ。どうだっていいじゃん」
「どうでもいいわけあるか、このシスコンモンスターが」
「ま、まあ、ちゅーまでならまだセーフやろ…いや、ほんまはあかんけど…」
「一緒に風呂も入る仲なんだから、ちゅーなんて毎日してるよ」

俺とツムは絶句した。
一緒に風呂、毎日ちゅー、そこからさらに深い行為が俺らの頭の中をよぎって頭が痛くなった。

「ずっと考えてるんだけどさ、既成事実でも作ったら結婚できそうな気がしない?」

は…?

こいつ、今…なんて言うた?

「聞き間違いかもしれへんから確認なんやけど、既成事実言うた…?」
「うん、言った」
「ハイッ!アウトーーーッ!」

ツムがどこからか取り出したレッドカードを角名に突きつける。
俺もホイッスルを吹き鳴らしてやりたいところやった。
既成事実作ったらとか、とんでもない発言かましたこの角名倫太郎とか言う男、ほんまにヤバイ。
角名の姉ちゃんの身が心配すぎる。
マジで食われかねない。

「ツム…角名の姉ちゃんは守らなあかんわ…」
「おん…俺らで守るしかないな…」
「は?何からだよ」
「「お前に決まっとるやろ!!」」
「うわ、さすが双子。息ぴったり」
「うっさいわ!この悪魔が!」
「お前こそほんまの人でなしや!」

俺とツムはたった今、角名姉擁護同盟を結んだ。
拳を握って燃えとる俺らの前で悪魔の男が「すげぇ言われようなんだけど」と笑っとる。

「笑ってられるのも今のうちやで」
「いざとなったら北さんに言いつけたるからな」
「それはマジでやめろ」

北さんの名前を出した途端に顔色を変えた角名。
さすが北さん、この男を止められるのはあなただけです。

翌日、角名が俺らに姉ちゃんのことを何も北さんに言ってないかめちゃくちゃ確認してきてちょっとおもろかった。



So you're into sister




「#エロ」のBL小説を読む
BL小説 BLove
- ナノ -