We all make mistakes
※小6の双子と中1のお姉ちゃん
なまえちゃんが学校から帰ってきた。
ゲームをやっていた俺とサムはパッと視線をテレビの画面から外して「おかえり!」と声を掛ける。
そんな俺らになまえちゃんはにこりと笑って「ただいま」と言うと、部屋に行ってしまった。
俺とサムは互いに顔を見合わせて、静かに頷き合う。
ゲームを終わりにして、クッションの下に隠しておいた例の物を引っ張り出した。
「あの本に書いてあった催眠術、ほんまに効くん?」
「わからんけど、クラスの友達は上手くいったって言うてたで」
友達から借りてきた「初心者でもできる催眠術」って本に書いてある通りに、俺らは真っ黒な紙に白いペンで描いた絵を用意した。
中央に目玉が一個あって、その下に手のひらが二つあるちょっと不気味な絵。
でも本によると、これで簡単に催眠術をかけることができるらしい。
「この絵を姉ちゃんに見せて命令すれば、俺らのお願いをなんでもしてくれるようになるってことやな」
「なんでもか。ええなぁ、それ。なまえちゃんにあーんなことやこーんなことやってもらお」
「フッフ、行くでツム」
にやりと笑い合った俺らは一緒にリビングを出て、忍び足でなまえちゃんの部屋に向かった。
ほんで部屋の前まで来ると、ドアがちゃんと閉まってなかったみたいで少しだけ隙間ができていた。
そこから中をそうっと覗いてみると、
「「!!」」
思わず声が出そうだった。
だって、なまえちゃんが中学の制服を脱いで部屋着に着替えとる最中だったから。
俺とサムはごくりと唾を飲み込んで、その様子をガン見する。
膨らんできたおっぱいを包む水色のブラ。
小さいリボンがついとるブラとお揃いのパンツ。
ここからやと後ろ姿しか見えへんけど…
なまえちゃんのお尻、かわええなぁ…
とか思ってたら。
気づかない内に体が前のめりになってたみたいで、バランスを崩した俺はとっさにドアに手をついてしまった。
ガタッ!と音が立ち、それに驚いたなまえちゃんが振り返る。
「えっ、そこにいるのツムくんとサムくん?」
や、やば…!
着替え途中のなまえちゃんがこっちに来て、ドアを開けた。
そこに立っていた俺とサムは当然見つかったわけで、二人して冷や汗を流しながら上手い言い訳を探す。
でも下着姿のなまえちゃんが目の前におるから、そっちばっか気になってしもて、頭回らん…!!
「ね、姉ちゃん!これ見てや!」
「えっ?」
「ほんで、今のことは忘れるんや!」
とっさにサムが突きつけたのは催眠術のあの絵やった。
なまえちゃんは目を丸くして、ぽかんとしてる。
「えっと…これは?なんだか不思議な絵やね」
「!?ぜ、全然効いてへんやんけ…!?」
「サムの絵が下手くそやったんちゃうか!?」
「はあ!?お前の絵よりマシやったわ!」
「お姉ちゃんの部屋の前で何騒いどるの?」
げっ…!オカン…!!
騒ぎを聞きつけてやって来たオカン。
そして俺とサムと下着姿のなまえちゃんを見ると、その顔が鬼みたいになった。
「あんたらまさか、お姉ちゃんの部屋覗いてたん?」
「ちゃ、ちゃう…!俺らはその、最初はそんなつもりじゃっ…」
「最初は?」
「余計なこと言うな…!アホツム…!」
「はあ!?アホってなんやねん!」
「侑、治」
オカンに名前を呼ばれて、体がビクッ!となった。
これはやばい…
めちゃくちゃキレとる…
「このエロガキどもが!ちょっとこっち来なさい!」
「いだだだだッ!!」
「い゛っ!!み、耳ちぎれるッ!!」
オカンに片耳ずつ掴まれて、引きずられるように連行された俺とサム。
そんな俺らを苦笑いでなまえちゃんは見送っていた。
もう催眠術なんてやらんッ!!
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