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なまえ姉は目立つタイプの女の子じゃないけど、実は密かにモテていることを俺は知っている。

「倫くん、入浴剤どれにする?」
「なまえ姉の好きなので良いよ」
「そう?じゃあ、今日はこれにしようかな」

選んだ入浴剤を手にしたなまえ姉と共に浴室へ。
高校生にもなって姉弟で一緒に風呂に入っているだなんて、世間一般では理解し難いことなのかもしれないが、俺となまえ姉にとってはこれが当たり前の日常だ。

「わあ、お湯が真っ白。それに良い匂い」
「ほんとだ、なまえ姉の体が全然見えない」

残念と肩をすくめてみせたら「倫くんのえっち」と少し怒られた。

乳白色の湯に隠されてしまったなまえ姉の素肌。
でも俺はもうなまえ姉の柔らかな胸の膨らみも、丸みを帯びたお尻の形も全て知っている。
日頃、一体どれだけの男がなまえ姉の制服の下を想像しているのかは知らないが、悪いけれどこの先もお前達がなまえ姉の体を見ることは絶対にない。
彼氏になったらワンチャンとか、そんな未来も一生無い。

だってそんなの俺が許さないから

「この入浴剤ね、肌が綺麗になるんだって」
「ふぅん、そうなんだ。なまえ姉もともと肌綺麗なのにこれ以上綺麗になってどうするの?」
「うん?どうもしないけど、でも綺麗になるのは嬉しいなって思って」
「俺は心配なんだけど」
「心配?どうして?」
「だってなまえ姉がまたモテる」
「またって…わたしモテたことなんてないよ?」
「そう思ってるのなまえ姉だけだよ」

不思議そうに首を傾げているなまえ姉の背後からお腹に腕をまわして抱き寄せる。
浴槽の中で動いた湯がちゃぷんと揺れた。

「色んなやつがなまえ姉のこと見てる」
「気のせいだよ」
「中にはやらしい目で見てるやつもいる」
「そんなこと…」

ないよ、と紡ごうとしたなまえ姉の白い肩にかぷりと歯を立てた。
もちろん傷なんてつかないように優しくだ。
でもなまえ姉は驚いたようで、びくっと肩を跳ねさせた。

「そんなことあるんだから、気をつけてね」
「う、うん」
「なまえ姉は綺麗だし可愛いんだから」

まるでお姫様に魔法の言葉を囁くように、しっとりと濡れたなまえ姉の髪を片手で一束すくい上げて軽くキスをする。
恥ずかしそうにうつむいたなまえ姉の耳は少しだけ赤く色づいていた。

可愛い可愛い、俺のなまえ姉

絶対に誰にも渡さない




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