あなたが不幸せでありますように

 ビュウビュウと風が吹き荒れる。目を放してしまうと、どこかへ行ってしまいそうだ。「公園から出ないでね」とバーニッシュだった子どもたちに伝える。孤児院以外で遊ぶことが久々なのか、とてもはしゃいでいる。
「これじゃ、大変だな。ガロのヤツも呼ぶか」
「協力の要請で?」
「確かに、四人よりも五人の方が楽ですが」
「休みなのに、いいのかなぁ」
「いいだろう。アイツのことだ。きっと喜んで二つ返事で頷いてくれるはずだ」
 どういう根拠だろう。ゲーラとメイスと見ていると、リオの電話からガロの元気な声が聞こえた。「わかった!」と溌剌である。それを聞くと「だとさ」とリオがとても良い顔で同意を求めてきた」
「はいはい」
「へいへい、わぁったよ」
「了解。とりあえず、俺たちは仕事を続けますからね」
「仕事じゃない。ボランティアだろう?」
「慈善活動ともいいますがね」
「そんなんじゃねぇだろ。俺たちは好きでやってるんだぜ?」
「その通りかも。久々に遊べて楽しいし」
「だが、目を放すとこれだ」
「あ、待って!」
 メイスの指摘に気付けば、いつの間にか離れたところに行っている。追いかけて、連れ戻す。「なんだよつまんねぇなぁ」「探検したいだけなのに!」と不平不満が強い。「はいはい、それじゃぁチームを作って行こうね」といったら「チェッ!」とブーイングが起きた。ひどい。
「ゲーラとメイスを隊長にするから」
「おっ、それだと面白そう!!」
「賛成!」
「おいおい。ゲストにお呼ばれしたぜ? メイス」
「ならガロが来てからお呼ばれに預かることにしようか、ゲーラ」
 二人のやり取りも相変わらずだ。とりあえずやんちゃな探検隊を任せても大丈夫そうである。二人に任せて、他の子の面倒も見た。


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