インスタントラーメン

 インスタントラーメンはなんでもできる。特に極東の島国で開発されたものが凄い。付録の加薬はスープにして、茹でた麺でカルボナーラを作る。これが中々に美味い。
「うおっ。変なの作ってんな……」
 突然の来客ゲーラの言うことは真に受けないが。
「そんなことないよ。一口食べたらわかるから」
「ならくれよ」
「やだ。自分で作れば」
「あ? 鍋焦がしちまうだろ」
「人に作らせる前提で話さないでもらいたい。ちょっとは作る努力をしてよ」
「してるってーの」
 その結果がアレだ、といって後ろのオーブントースターを指差す。つまり君はトーストかなにかを焼こうとした際に、とんでもないことをしでかしたのか。そうなのか。
「説明書は読んだ?」
「読んでねぇ」
「読んでよ」
「直感でやりゃ、なんとかなるだろ」
「ならないよ。生焼けになったり焦げたりするでしょ」
「もう一回焼きゃぁ大丈夫だ」
「生ならね」
 焦げた場合はどうしようもない。食べるか捨てるかだ。クルクルと麺をフォークで絡め、ゲーラに渡す。突き出したそれを、ゲーラは一口で食べた。
「ん、まぁまぁだな」
「素直に美味しいっていいなさいよ」
「普通にラーメンとして食った方が美味ぇだろ」
「それはそうだけど」
 でもアレンジみたいなのもしたいじゃないか。そう思いながら、ちょっとドロドロになった麺の太いパスタを、口に入れた。


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