火口の特訓

 いつまでも野ざらしの生活をしているわけにはいかない。けれどもリオ曰く、今の我々では足りないのらしい。よって火口の中に拠点を張り、バーニッシュとしての特訓を行うこととなった。なぜここで行うのかって? 答えは簡単だ。誰かが通りかかったとしても我々の炎はマグマの火で隠されるし、それにあそこまで高く炎が燃え上がることは、滅多にない。だからこそ思う存分に、出すことができるのだ。
(とはいえ)
 皆ヘバっているようだが。私は噴火の熱を体に受けながら、炎を燃やし続ける。
「ゲーラ、メイス。もう少し集中しろ!」
「っつ、いわれてもよ……」
「あぁ。これは、中々に……、堪える!」
「泣き言を漏らすな! 万が一、僕が不在のときはお前たちが要になるんだぞ。しっかりしろ!」
「へいっ!」
「はっ!!」
 まるで訓練された兵士のようだ。そういえば、百万人の暴徒より一万人の訓練された兵士の方が強いって、聞いたっけな。
「それにしてもななし。お前だけはよく続けられているな。他はヘバっているというのに」
「育ち方や鍛え方が違うので」
「ふぅん。一緒にいるから幼馴染かと思った」
「それは寧ろあの二人かと。私は途中から入ってきたので」
「そうなのか」
「うん」
 リオの質問に答える。それから私の上がる炎の高さを見て、一人頷いた。
「もう少し、燃えれるか?」
「え、いいの?」
「あぁ。バレないだろうしな」
「そうかなぁ」
 後ろを見る。まぁ、こんな高さなのだ。別に燃やしてもバレやしない。さらにもう一段階強めて、体内の衝動を燃やした。
 リオが手を叩く。
「ほら、ななしだってこんなに燃えてるぞ。お前たちも根性を見せろ!」
「コンチクショォッ!!」
「ウォオオオッ!!」
 どうやら発破をかけられたのらしい。ゲーラとメイスはもっと根性を見せて燃え上がった。


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