スパゲッティ

 スパゲッティを茹でる。一人分でしようと思ったら、ゲーラとメイスが帰ってきた。どうやら食べてこなかったのらしい。ちょうどパスタを茹でようとしたときに、帰ってきた。「おっ、今からか?」「お土産もあるぞ」差し出された野菜サラダで、頷いてしまう。野菜ジュースがあれば最高だったんだけど。果物も入って。(今度、買いに行こうかな)と思いつつ、スパゲッティを量り直す。三人分。お湯も沸かし直さないと。大きな鍋を取り出して、ヤカンで沸かした分を全部入れる。続けて水道水も追加して。すっかりぬるま湯になってしまった。お湯が沸き上がるまで待つ。ソースのストック、あったっけ?
「なにか飲みてぇモンは?」
「ウェルチのグレープジュース」
 あったら嬉しいんだけど。そう返したら、ゲーラが冷蔵庫から顔を上げる。
「ねぇよ」
「じゃぁ、買ってきて」
「おいおい。帰ってきたばっかだぜ? まぁた買いに行けってか?」
「人のランチに追加注文をしたのに?」
 そう返せば、ゲーラが黙った。冷蔵庫を見る。牛乳とミネラルウォーターだけだ。
「なんだ、なにかあったか?」
「おー、飯はまだだとよ」
「ウェルチのグレープジュース」
「喉が渇いたのか」
 メイスが冷蔵庫に近付く。スッとゲーラが退いた。距離が縮む。スッと後ろに下がった。
「おい」
「なに?」
「下がる必要はねぇだろ」
「でも、狭いし」
「ないぞ」
「ったりめぇだろ。買ってねぇんだぞ」
「ネイキッドジュースに、プロテインもあるって書いてあった」
「ほう、いいな。リオも最近飲むようだし」
「あー」
「ゲーラも飲むだろう? プロテイン入りの」
「るっせ!! 急に話を振るな!」
「あ、沸いた」
 鍋がグツグツいってる。すかさずスパゲッティを入れた。塩を入れたお湯の中で、スパゲッティが柔らかくなる。
「そういえばソースがないんだけど、一人だけスープでいい?」
「なんでだよ」
「ミートソースのスープで、なんか代用できないかなって」
「お前なぁ」
「スープスパゲッティか」
 呆れるゲーラの横で、メイスが深く頷く。(あれ、ドロドロになるから、スープになるのかなぁ)そう思いつつ、水切りを出した。


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