火口付近での特訓その2

 バーニッシュは強くなればなるほど、光の反射が強くなるのらしい。だから微かな光でバレることもあったし、それを使わないよう強いられることもあった。
(今ではもう、それもないけれども)
 グツグツと煮え滾るマグマの音を聞きながら、ゲーラとメイスの雄叫びを聞く。ギリギリの限界を超えて炎を強めるのらしい。
(薪をくべるのと似たようなものかな)
 そう思いながらゲーラとメイスが死なないよう見守る。他の面子はもうへばって火山の涼しい場所で寝転がっている。汗だくのゲーラがこちらに気付くと、フッと不敵に笑った。
「どうだ! これで使えねぇとかいわせねぇぞ!?」
「俺たちも、まだまだやれるということだ!」
「そう」
 ゲーラに続いてメイスも気付いたものだから、適当に返す。とりあえずメイスも汗だくだくなので、タオルを渡そう。あったっけな、あった。噴火口の近くまで下りて、二人に渡す。
「はい。拭いたら?」
「おう。わりぃな、って。あ」
「燃えちまったな」
 残念。パラパラと灰になったタオルの残骸を見ながら、代わりのものを探す。残念ながらない。
「汗、拭いたら?」
「燃えたら自然と乾くでぇい」
「の割には全然止まらないけどな。俺もだが」
「暑いんじゃない? 他の人らは倒れたし」
「熱中症だろ? 鍛え方が足りねぇんだよ」
「お前も暑かったら涼しいところに行った方がいいぞ。最悪倒れる」
「つまりゲーラもメイスも倒れかかってると?」
「違う」
「まだまだいけるぜ!!」
「そう」
 つまり痩せ我慢ということか。そう思いながらふらついている二人を見る。
「水でも飲んだら?」
「あ、あったらな!」
「貴重な水だからな」
「目下それが目標になるよねぇ」
 はぁと溜息を吐く。ところでゲーラとメイスの目が据わってるんだけど、大丈夫なんだろうか?
(最早熱中症で倒れかかっているのは自分たちの方では?)
 そう思いながらリオが下りてくる音を聞いた。


<< top >>
人気急上昇中のBL小説
BL小説 BLove
- ナノ -