昼休みの屋上。
昼下がりの日差しが、寝転がっている青峰のカーディガンに反射してとてもまぶしい。
暖かい風が吹いて、青峰の顔に影を作ってやっている黒子の髪を揺らす。
「なぁ、テツ。」
今まで閉じていた目を薄く開いて、そこに黒子がいることを喜んでいるかのように、嬉しそうに名前を呼ぶ。
「はい、なんでしょう青峰くん。」
突然のことに少し驚きながらも、微笑みを浮かべて応える。
「キスして。」
揺れる前髪に手を伸ばしながら、甘えた声を出す。
あまりに素直な笑みをうかべて言うものだから、ここが学校で、まだ日が高いことだとか、曲がりなりにも屋外であるということを忘れそうになる。
だが、青峰の甘い言葉に黒子は応えない。
「ダメですよ。誰か来たらどうするんですか。」
青峰の短い前髪を撫で付ける。
「これで我慢してください。」
拗ねたように黒子から手を離す様子に苦笑する。
二人きりになると、途端に甘えてくる青峰が愛しくてたまらない。
わざとらしくそっぽを向く青峰の髪を撫で続ける。
ふてくされたままの青峰に一つため息をついて、黒子は手を離す。
「仕方ないですね。」
言葉の割に優しい口調でそう言うと、寝転んだままの青峰の頬に口づけを落とす。
触れるだけのような柔らかいキスに、青峰はたちまち笑顔になる。
「サンキュー、テツ。」
嬉しそうに体を起こしながら、少し顔を赤くしている黒子を抱き寄せる。
今日の蒼い空にも負けないくらいに綺麗で透き通るような水色の髪に、長い指を絡ませる。
くすぐったそうに笑う黒子の口に、青峰が唇を重ねる。
黒子は一瞬で離れた唇を名残惜しく思う暇もなく、心から嬉しそうな青峰の笑顔が見える。
「まったく…困った人ですね。」
甘酸っぱい気持ちで胸が壊れそうになる。
周りは雲一つない青空だというのに、互いに目の前の愛しい人から目が離せなくなる。
ただ抱擁を交わしているだけだというのに、心だけだけでなく体までもが熱くなる。
青峰の白い歯が、黒子の耳朶を甘く食む。
「んっ…」
身をよじる黒子の耳元で、甘く甘く青峰は囁く。
「好きだ。」
風が流れる。
「知ってます。」
微笑んでそう言った途端に、荒々しい青峰のキスに犯される。
日の当たる屋上で、一心に互いを求める。
「っ、ふぅっ…んっ」
甘く苦しい吐息が、青峰の鼓膜を揺らす。
青峰が黒子のブレザーに手をかけると、一瞬その手に抵抗を見せる。
「あお、みね…くんっ」
いけません、と弱々しく首を振る黒子を遮って、重いブレザーを地面に投げ捨てると、ズボンからシャツを引き抜き、隙間から黒子の肌に触れる。
地黒な青峰の手が、色白な黒子の腹を撫で上げる。
黒子の体を覆う控えめな筋肉が、青峰の与える刺激に反応する。
シャツで見えないままでも、青峰の指は確実に黒子の快感をあおる。
「んっ、ちょ…」
ついにベルトに手をかけた青峰を止めようとする。
「んだよ…俺とするのがそんな嫌か?」
学校なのに、屋上なのに、勝手に盛ってきたのは青峰の方なのに、切なそうな顔をして。
まるで黒子が青峰自身を拒んだかのように傷ついた素振りを見せる。
そんな顔をさせたくなくて。
「嫌…じゃ、ありませんけど…」
当然のことながら、ここが学校の屋上である以上、人の目や、屋外であるということを意識してしまう。
しかし、ここが不埒な行為をすべき場所ではないという背徳感が、黒子揺らがせているというのもまた事実だ。
大きな図体に似合わず、子犬のような目をしている青峰と目が合う。
先ほどまでの弱々しい抵抗に代わり、黒子の指は強く青峰のカーディガンを掴む。
すると、その表情とは真逆に男らしく張り詰めている部分が、黒子の太ももに押し当てられる。
「テツ…」
愛しい人に迫られて、断固として拒むことができるほど、黒子だって淡白ではないわけで。
「仕方ないですね…」
今日二度目となるこの言葉を口にして、カーディガンを握る手を緩める。
「好き。」
嬉しそうに、本当に嬉しそうに、青峰は顔を綻ばせる。
その様子にくすくすと笑っていると、もう一度耳元で好きと囁きながら、激しいキスを仕掛けてくる。
キスの合間にも青峰の手は黒子の前をくつろげ、すでに硬くなり始めているそこを握り込む。
びくりと波打つ黒子の腰を押さえつけ、逸る気持ちを抑えきれずに、荒々しく黒子自身への愛撫を続ける。
「あっ…んっ、っ」
ようやく青峰の唇が離れて行くと、思いの外大きな声が上がり、慌てて自らの手で口を封じる。
「外、なんだからな?」
意地悪く笑うと、黒子の中に差し込んだ指を曲げる。
「んっ----------」
感じる所を強く刺激され、甲高い声を上げそうになるのを必死で堪える。
二本に増えた指は、それぞれの指がバラバラに動いて、ぐちゅぐちゅと卑猥な音を響かせる。
「あ…」
快感と幸福感を与えてくれていた指が体から離れていき、ある種の寂しさを覚える。
そんなとき、カチャカチャとベルトを外し、前立てをくつろげる音がする。
家とは違い、衣服をまとったまま乱れている黒子も中々にイイと思いながら、自らの昂りを手に取る。
「テツ、行くぞ。」
熱くたぎる欲望を黒子の秘所に押し当てると、一息にその体を貫く。
「んっ、んー--------」
貫かれた衝撃と、与えられる快感で溢れ出る声を懸命に噛み殺す。
「ぅ、ぁっ…」
手の隙間から漏れる声が、広い空に呑み込まれていく。
ザラザラとしたコンクリートの質感が、ここが屋上であることを思い出させ、青峰に溺れていることへの背徳感を一層強める。
「っ、あっ…やっ…っ」
少し大きくなった声に、黒子の絶頂が近いことが見える。
「っ、キツっ」
きゅうきゅうと締め付ける黒子の粘膜が、青峰をも限界へと追い込む。
さらに激しくなった抽挿が二人の快感を煽る。
「ふく…汚れっ、ちゃいます…」
喘ぎ声に混ざって、制服が汚れることを心配する声が上がる。
「あっ、あっ…んっ」
「ちょっと、待って…ろ」
今にも欲望を吐き出しそうだった黒子自身を強く握り込み、なんとかその吐精を遮る。
「や…あっ、やぁ…」
突然快感を捩じ伏せられ、あまりの苦しさに涙が出る。
そんな黒子のナカに自らの欲望を叩きつけたくなるのを、青峰は必死で堪える。
絡み付く黒子の粘膜を振り切り、黒いコンクリートの上に真っ白な精液をぶちまける。
「あおみね…くんっ」
半泣きになってしまっている黒子の昂りをくわえ、思い切り吸い上げる。
すでに限界を迎えたはずだったそれは、その刺激によってあっけなく欲望を口腔に吐き出す。
「んっあっ…っ」
ビクビクと震えながら、ようやく与えられた解放感と快感の余韻に浸る。
ごくりと黒子の体液を飲み下す音にはっとするが、羞恥心よりも青峰と触れ合えたことに対する幸福感が上回り、青峰の体を抱きしめようと腕を伸ばす。
その思いは青峰にしっかりと伝わり、優しく抱きしめられる。
互いのぬくもりがあまりに幸せで、五時間目が始まってしまっていることだとか、コンクリート散った青峰の体液の後始末のことだとかは気にならなかった。
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中学青黒です。
お互いのことが好きで好きで仕方なくて、ピュアな心と素直な体な感じが好きです。
ピュア峰ごちそうさまでした\(^o^)/