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数が居れば良い、という問題ではないが、
こりゃあ多過ぎだ。
斬っても斬っても湧いて出て来る様に現れる。
全く、本当に嫌になる。
「覚悟、ロロノア!!!」
「っあ゙―――うざってェ!!!!」
大鎌を振り下ろして来た大男を蹴散らし、出口の見えない人の波を斬り伏せながらかきわける。
ルフィも、サナも、コックでさえもそろそろ面倒になって来たみたいだ。
ここで、打開策を見付けなければ、全て終わりだ。
まだ海軍はごまんと居る。
「ゾロ!そっち危ないわよ!」
「っと、危ねェ、」
どっかから飛んで来た大砲をすんでの所で避ければ、目の前の敵が吹っ飛んだ。
どうやらナミも戦っている様だ。
だが、これじゃァ埒があかねェ。
「おいルフィ!!!キリがねェぞ!!!」
「でもよ、木がすんげー遠くだから、おれもあそこまで腕伸びねェよ!」
「体力尽きるまでなんて相手にしてらんねェぞ!!!
船に居るロビンちゃん達も心配だ・・・!!」
ルフィとコックが声を張り上げるが、どうにも打開策が浮かばない。
「・・・とにかく、突っ走るしかないわ。」
『一カ所に集まって、か?』
珍しくサナが息を弾ませてやって来た。
ナミも表情を険しくしている。
『奴らも集まったら、こっちに勝ち目はない。』
「だが、まあ・・・、
・・・それしかねェな。」
サナは、仕方がないという様に肩の力を抜いた。
パァンという破裂音の数が多くなる。
このままここに居たら、確実に蜂の巣になる。
そう感じて弾ける様に、駆け出した。
「ルフィ、後ろは良いからお前が先を走れ!!」
「分かった!!」
やはり、読んだ通りに目の前に異常に敵が集まり、挟み込むように後ろから弾が背中目掛けて来る為に、油断も出来ない。
ルフィが突っ走る中、ナミが間に挟まれて走り、コックとサナとおれで後ろを固める。
『・・・ゾロ、後ろは私とサンジで大丈夫だから前へ行ってくれ!
あの数はいくらルフィでも無理だ!!』
「分かった、」
頷いて、直ぐに前に向かう。
クソコックの舌打ちが聞こえた気がしたが、構ってられるか。
ルフィに並び、とにかく敵を斬って斬って突き進んだ。