不意に。

2011/01/08 00:44

ナミ目線の戦争終了後ルフィ
――――


あいつは、よく泣く。
でも、その涙を、わたし達に向けた事は、一度も無かった。
あいつには、泣いて縋る相手はいないから。

船長というのは、辛い。
何が起ころうと、疑ってはいけない。
例えそれが間違いだとしても。
自分の行いを疑ったり、悔いてはいけない。
船長というのは、絶対であり、揺らいではいけないもの。
だからこそ、誰かに縋り付いて泣いたりしてはいけないんだ。

辛いだけだと思う。
自分を信じて、進む事しか出来ないのは、後戻りも出来ないのは。
悔いる事も何もかも、出来ないのは。

目の前にある物を全て掴んで、助けて、守って、戦って。

なら、その目の前の物を掴み損ねて、守り損ねた時、あいつはどうなるんだろう。


きっと、分からなくなるに決まってる。
今まで自分が信じて来た物が全て、ガラガラと音を立てて、崩れてしまうんだろう。

そんな時こそ、支えてあげなくちゃ、一体わたし達はいつまであいつに守られっぱなしなんだ。

辛い時に一緒に居てあげられるから船員なんだ。


早く、行って、支えてやらなきゃ。

それしか、わたし達に出来る術はないんだから。






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