5.罰





自分から身を捧げたいと思った雪男と、身を繋げれたあの日。
知り合ってから6年間寝食を共にしてきた、支度部屋の相方が、俺も元から去った。

子猫丸の私物が全て消えた支度部屋はがらんとしていて、俺一人で使うには勿体無いと、俺は私物を全て持って物置部屋に移動させれた。
相方が身請けされていなくなったということは、喜ばしいことなのに、物で溢れ返った狭い部屋の中一人になると、急に孤独を感じた。

「雪男っ」

名前を呼んだってどうにもならないのに、孤独に押しつぶされそうで呼んでいた。
呼んでみたら、人の気配がないことに気が付いて、独りであることをより実感した。

先程まで、お互い温めながら眠っていたというのに、時間は残酷だ。
楽しい時間はあっという間に過ぎるというのに、辛い時間はいつだってゆっくり流れていく。
俺はあと何回ここで眠れば、またお前と一緒に眠れる夜が来るの?





俺はあと何年ここで過ごせば、君を探しに行けるの?




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