硬直していた少女がたまらなくなり言葉を発した。
「何〜?」
"菊ちゃん"と呼ばれた少女はもう一人の少女の方を見た。
「それ、"禁句"だって!!!!」
「あっ」
しかし、菊が口を押さえた時にはすでに遅かった。
女が不敵な笑みを浮かべていた。
その不敵な笑みに恐怖を覚えた二人はその場から逃れようとした
「もう、遅いですよ」
ヒュー
風が二人の少女を取り巻いた。
そして、彼女たちを取り巻いていた風が無くなると
少女たちの様子がおかしかった
「あの、祠を開けて頂戴」
「「うん。」」
そして、祠が開いた
少女たちはその場に倒れこんでしまった。
「やったわ。ねぇ、"嵬"」
そう鴉に言った。
カラスはそれにうなずいたように女の頬を顔でなでるようなしぐさをした
「くすぐったいわ 嵬」
そして、空を見上げると闇のようだった。
二人の少女の母親が二人に近づいてきた。
「何やってるの!ここには近づいてはいけないって言ってたでしょ」
そして、その親子の前に漆黒の犬が祠の中から現れた。
「きゃぁぁぁぁぁぁぁぁ」
母親は叫んだが遅かった。
漆黒の犬がその親子を食べてしまったのだった。
「お久しぶりです。"魅零様"」
犬が人語を発した。しかも、女に向けての言葉だった。
そして、その女の前に鴉が飛んだ。
「姫に手を出すな。カザン」
"カザン"と呼ばれた犬は少し笑みを浮かべた。
「相変わらずだな、嵬」
カザンは鴉に向け言った。
その二人の目線の前には火花が飛び散っていた。
それをとめるように、"姫"と呼ばれた女が口を開いた
「早くここから離れるよ。
この親子の死体があるから奴良組が必ず来る。
そうするとやばいことになる」
それは親子の死体というより、親子の遺骨だった。
「申し訳ありません、魅零様
ささっ、カザンなどは放っておいて行きましょう」
そして、3つの影は漆黒の闇に消えたのだった。



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