「いろはにほへとちりぬるを…何だっけ?」
「わかよたれそつねならむ…でしょ?」
「続きはぁ?」
「忘れたよ」
「嘘ぉ」
「と言うかいきなりどうしたの」
「お母様に聞いたからちょっとくらい覚えたかなって」
「また唐突だね」
「まあね」
「また聞けば?めんどい」
「じゃあ知ってる言葉でも喋ろうか」
「はいはーい!それなら得意!もぉぉぉ得意過ぎてヤバイネ!」
「はい、じゃあ君からどうぞ」
「あれぐろ…って何?」
「質問タイムじゃないんだけど」
「いいじゃん、教えてよ」
「音楽でぇ、使うヤツだってさ」
「何に使うの?」
「音楽だから速度とかそう言うのじゃない?」
「いい加減だなぁ」
「ちゃんと答えられるわけないでしょ」
「あははっそっかぁ」
「そうそう」
カツカツ…
足音が二人の子供の方へ近づいてきた。
その音に気づいたらしく、その方向を見てみると一人の女がいた。
「お嬢さん達、あそこの小さい祠を開けてくれないかしら?」
女は笑顔で子供たちに話しかけた。
「ダメだよ」
すると、女が少し困ったような表情を見せたもののすぐに笑顔を見せた
「なぜ、"ダメ"なのかな?」
「だって、お母様があそこの祠には近づいたらいけないって言ってたもん!」
ふくれっつらにした顔で少女が答えた。
一方、もう一人の少女は女を見たまま硬直していた。
なぜなら、女の姿に驚いたのだった。
その女の姿は、長い黒髪を後ろで一つに結っているが、腰ぐらいまでの長さ
着物のような服装は、両肩が剥きだしたままで、片方の肩には漆黒の鴉が止まっていた。
しかし、女の笑顔は崩れてはおらず、質問攻めをしてきた。
「なぜ、近づいてはいけないの?」
「あそこにはねぇ〜
たくさんの妖怪の力が封じ込まれていて、妖怪もいるからダメだって〜」
「菊ちゃん!!!!」



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