おっぱいの日

※時系列的にはきみとおちるから君と堕ちるの間くらいのお話です。ひたすら壊していく。







 薄暗い部屋の中で、淫猥な水音と吐息が響いている。うめきにも似た喘ぎ混じりの声は、助けを求める様に次第に大きくなっていった。部屋の中心に座らされているのは、笠原という青年だ。黒い髪は汗で肌に張り付き、だらしなく開かれた口からは、酸素を求めるように、赤い舌が覗いている。虚ろな目には、涙が浮かんでおり、身体が震える度に頬を伝った。
 両腕は椅子の上にがっちりと固定されていて、膝から下の足はない。丁寧に巻かれた包帯が、足をバタつかせる度に解けていくが、彼の拘束が解かれることはなかった。全裸に剥かれた身体には、粘ついた液体が付着しており、汗と一緒に、身体の上を伝っていく。

「たす……て……」

 嗚咽混じりに、笠原は呟いた。助けて。吐かれた言葉は、救済を求めるものだったが、そんなものが来ないことくらい、笠原自身わかっていた。それでも、言わずにはいられない。願わずには居られなかった。はぁはぁと荒げた呼吸の中、その言葉を聞いた、眼前の男がくつくつと喉を鳴らす。

「助けて? おもろいこと言うなあ、良介くん」
「あっ、あ!」

 男、――灯は、拘束された笠原の肢体い手を伸ばすと、乳首を摘み、強く引っ張った。ぷっくりといやらしく膨らんだ胸の突起は赤く充血しており、もう片方の突起も、その存在を主張するようにピンと尖っている。触れられる度に笠原の口からは熱い息が漏れた。

「こんなにおっきくさせとんのに、よう言うわ」
「ふ、う、うぁッ」
「……最初の頃より、結構大きなったんやない? 前も小さくて可愛かったけど、今のもやらしくて嫌いやないよ」
「や、やめ、さわっな、痛っ」

 ぎゅ、と強く引っ張られて、耐えきれず笠原の体がびくびくと震えた。そそり立ったペニスからは透明の液体が我慢できずに溢れている。その光景を見て、灯はもう片方の乳首を摘む。

「今日はコレだけでイってみようなあ。良介くん、淫乱やから出来るやろ。もうトコロテンやって出来るんやから。ほんまはしたない子やわ〜」
「あっ、ああ、ひ、ひっぱ、ひぃっ、痛い、やめてくれ!」
「痛い? んー……薬、切れてきたかなあ」
「っ! や、いやだ、それは……!」

 近くに置いてあった小瓶と筆に手を伸ばした灯を見て、笠原の顔が恐怖に歪んだ。しかし、それに構う事なく、灯は小瓶の中の液体に、朱色の筆を浸す。半透明の液体を、たっぷりと筆先に含ませると、笠原の胸へと近づけた。笠原は怯えたように首を横に振った。

「良介くんが気持ちよーくなれるように、もう一回塗っとこか」
「い、いやだ! やめ、それ……は、離せっ、離してくれぇ! 離せぇえ!」
「あかんて。それに暴れた所で逃げられへんのやから。大人しくしてくれはる?」
「ひっ……!」

 じたばたと暴れる笠原を無視して、灯は筆を尖った乳首へと滑らせる。ぴちゃりという音を響かせながら、筆が笠原の胸の突起の上で踊った。筆に含まれた半透明の液体をたっぷりと塗りたくられ、怪しく光っている。

「ひ、ひ、ぁ……」
「気持ちええ? おちんちん、ビクビクしとるもんなあ。涎垂らして悦んで。良介くん、やっぱり才能あるんとちゃう?」
「あ、ああ、あ」
「ジンジンしてくる? ほんまは、下の方にも塗ってあげたいんやけど、今日はおっぱいだけで頑張ろか」

 笑いながら、筆先で擽る様に乳首を弄ると、呼応するように笠原の体が震えた。涙で濡れた目で灯を見ると、灯は興奮したような、恍惚とした表情で笠原を見つめる。
 口元には絶え間ない笑みを浮かべながら、悶える笠原の頭を撫でた。

「と、ともす……」
「ん〜?」
「さ、触って」
「どこを?」
「前っ……ひっ」

 答えた笠原の胸に、灯がふぅと息を吹きかけた。それから、薬を塗られ、敏感になっている乳首を摘みあげると、こりこりと抓る。

「あーっ、ああっ! あッ」
「前やなくて、おちんちんやろ? あは、ちゃーんと言わな。まだ照れてはるん?」
「ううう〜っ、うう、あっ」
「でもあかんよぉ、何回も言うとるやん? 今日は、ここだけで」
「ひぃっ、いっ、ぅあ」
「イってみよって?」
「ああああ!」

 ぎゅう、と両乳首を引っ張られて、仰け反る笠原を面白そうに見つめると、手を離した。泣き喘いでいる笠原の顎を掴むと、舌なめずりしながら、問いかけた。

「イキたい? 良介くん」
「い、いきたい……」
「ほな、お願いしたらええやん。僕が乳首以外も触りたくなるように君がお願いしたら、僕の気も変わるかもしれへんよ?」
「…………っつ、う……」

 羞恥に染まる笠原の顔を見て意地悪そうに笑うと、灯は傍らにあったハンディカムに手を伸ばした。機械的な機動音がして、レンズが前へと伸びてくる。画面を開くと、その中には卑猥な体制で固定された笠原が写った。RECモードになり、笠原はレンズの中に写る自分を見て、目を背けた。しかし、灯はそれを許さない。ぎゅ、と乳首を抓り、無理矢理カメラの方へと顔を向けさせる。

「いっ、あアっ」
「僕、最近カメラにハマってもうたんよ。ちなみに良介君が処女喪失した時のもちゃあんとあるで」
「ううっア、あああっ」
「ほな、どうぞ」
「……っつ、あ、ど、うぞって」
「触ってほしいんやろ? イケないから」
「…………お、俺の、ちんぽをさ、あっ、触ってください」
「はー、5点」

 何点満点中かは言わないものの、低い事だけは明白だった。ハンディカムを構えたまま、ぴんと人差し指で乳首を弾くと、笠原の体がびくりと震える。

「ひっ、う」
「ほらあ、早くせんとー。乳首もちんぽも硬なっとんで」
「〜〜〜っ……お、俺の淫乱ちんぽを触ってしごいてください! お願いします! あっ、ぅ」
「んーー」
「う、ぁあッ、んっ、ひ……灯ぅ……! おねが……だか……!」
「んーー」
「………っ…お、俺は、あ、灯にっ、お尻の穴やちんぽをいじられて、か、感じる変態です! アッ、アアッ、乳首だけじゃなくて、俺の尻穴に灯の、っお、ちんちん、挿れてくだい! 中にっ、は、ザーメン沢山注いで、種付けしてほしい、れす!」
「んー……?」
「っ! なあっ、も、いいだろ!? たの、……あっ、ぅあ、おねがいします! 頭がへ、変になるっ、ヒィッあ、ああ! 乳首やだ、やめっ、あああっ、嘘です! 気持ちいいれす! あっ、うぁあっ、ち、ちんぽ中に挿れられてごりごりされるのも、好きだからっ、あっああアああっ」
「ふふふ、最近は自分からえっちな事ばっか言うようになってきたなあ」
「ふ、うぁああ……あ〜ッ」
「まあでも、駄ー目。今日はイクまでここしか弄ったらへん」

 筆先で乳首を擽りながら、灯は笑った。こそばゆい様な、むずむずする感覚に笠原は身を捩らせるが、相変わらず体はがっちりと固定されており、自分で慰めることすら叶わない。筆先が、先っぽをつつき、乳輪をなぞると、先走りが笠原のペニスから迸る。上気した頬の上を、涙がこぼれ落ちる。熱気に包まれた部屋の中で、荒い息の音が響いていた。

「もーちょっとやと思うんやけどなあ……」
「ううっ、うーっ……ア……」
「じゃあ、今度はこっちにしよか」
「……っ!」
「良介くん、玩具好きやろ? せやからこれあげる」

 ぶんぶんと首を横に振る笠原を無視して、灯は小振りのピンクローターを笠原の両乳首にくっつけた。そのままテープで固定すると、手元のリモコンの電源をONする。ヴヴヴという振動音と共に、取り付けられたローターが動き始めた。体に電流が走ったかのような感覚に、笠原は大きく仰け反ったが、外れることはなかった。

「あっ、アアアッ、や、取って……く、あっ、おかしくなる、からっ……やだいやだいやだ、ち、乳首でなんていきたくな、い! あっ、ぅあ!」

 ガクガクと震える体を暴れさせながら、笠原が絶叫する。懸命に首を振って訴えるが、灯がそれを取る気配はなく、滑らかな肌の上をなぞるように汗が流れていく。その様子をムービーに収めて、灯は、振動しているローターを上から押しつぶした。

「ひィッ!」
「まだイケへん? この次は、針でも刺してみよか。ピアスは僕の趣味やないからなあ」
「あ、あっあっあ、や……」
「嫌なら、イクしかないで。そんで、認めてまえばええ。女の子みたいに、おっぱい弄られて感じはるエロ乳首やって」
「や、ああ、いや、だ……あっああ、っあ」
「強情やねえ、ほれほれ」
「ひぐっ」

 ローターの振動を強くすると、息を呑んだ様な声が挙がった。上擦った、矯声じみた声。痙攣する体を見て、灯が息を漏らす。

「ふふ、ああもうー、下、こんなに垂らしてはるやん。お尻の穴ひくつかせて、ほんま、はしたない子やわ〜」
「ひっ……うっ……ううっ……」
「さっきから、なに泣いてはるん? まあええわ、次は針やね。ほい」
「ぅあっ―――――!」
「あ」

 べり、とローターを固定していたテープを剥がした瞬間、笠原の体が震え、射精した。勢い良く飛び散った精液が灯の顔にかかる。灯は無表情のまま顔についた精液を掬うと、呆然とした表情で放心している笠原の口に突っ込んだ。

「うぇあっ」
「あーあ、イッてもうたなあ、良介くん」
「……うっ……あ……」
「イクならイクって言ってほしいわ、いい絵撮られへんかったやーん」
「……っ……お、俺……」
「ん? なに? ちなみに、乳首だけでイクとか、女の子でもなかなか居てへんよ。良介くんは女の子より淫乱なんやね」
「…………っう、ううう」

 瞳から大粒の涙をこぼすと、灯は、置いてあった小瓶を再び持ち出した。たっぷりと筆に液体を浸すと、今度は下の方へと筆先を持ってくる。

「まあ、ええわ。約束通り胸だけでイッたし、ご褒美あげなあかんね」
「っ! や、もう、それ、いやだ! 灯、それっ……」
「さっき下も弄ってほしい言うとったやん? たっぷり塗ったるから、存分に狂ってええよ。良介くんのお望み通り沢山種付けしたる」

 筆でペニスや尻穴に薬を塗りたくると、再び笠原のペニスが勃起してくる。鈴口を筆先で弄り、竿を上から下へ大きくなぞる、達したばかりで敏感になっているペニスは筆の刺激を受ける度に物欲しそうに震えた。こちょこちょと、雁の部分を擽る度に、はしたない声が漏れる。

「ふあぁ、あ……!」

 とろけそうな顔をしている笠原に向かって、満足そうに笑むと、灯は再びカメラを向けた。

「ほな、乳首だけでイってもうた感想は? せやなあ、お父さんにでも言うつもりで、カメラに向けてどーぞ」
「……お、おやじ……」
「あれ、言わへんの? いけない子やねえ」
「ひっ」

 ぎゅうっと、根本を強く握られて、笠原は体をびくつかせた。涙を浮かべながら、ひきつった笑みを浮かべ、カメラに向かって答える。

「い、言う、い、いますっ」
「はは、ほな、どうぞ。お父さんがどん引きする感じのエグイやつ頼むでー」
「……はひ、……親父ぃ……俺、男なのに乳首イジられて、感じてイッちゃって、ご、ごめんなさい……、親父はっ、あ、お、俺のこと忘れてしっ、ふぁっ、幸せにく、らしてくれよっ……。こっ、これからご褒美に、あっ、灯に種付けセックスしてもらうんだ。んあ、ッな、中にっ、いっぱいザーメン注いでもらうからっせ、せっかく息子として、ヒ、そ、育ててもらったのにごめんなさいい、俺っ、と、灯の女になっちゃいましたぁっ……!」
「お父さんも可哀想になあ。はーい、ほな、僕へのおねだりは?」
「……あ、りょ、お、おれのっ、淫乱ケツまんこに、と、灯のちんぽぶち込んでくださいっ……! ザーメンいっぱいください……っ」
「ふふふ、良介くんはほしがりやなあ。良介くんのお父さーん、息子さんこないちんぽ狂いにしてかんにんなあ。でも、元から素質あったと思うで? ほな良介くん、大好きなちんぽ、ぶち込んだるわ」

 カメラのモードを切り替えると、近くの棚に置き、灯は自らのペニスを笠原の後孔に当て交った。ぐぷりと、濡れた音を響かせながら、肉棒を中へと押し進めていく。狭い肉壁押し開く様にして、ゆっくりと中へ挿入していく。何かが壊れたかの様に、笠原は笑った。

「あっ、ああ! 入ってくるぅ! 灯のが、おっ、俺の中にっ、あはっ、あははっ、ともすぅ!」
「はは、カメラに向かって実況してや。せやないと抜いてまうで」
「あ、ああっ、うぁっ、はぁっ、お、親父、俺いまっ、犯されてるっ……! か、監禁されて、足っ、きぃ、切られて、動けないまま、ははっ、あは、尻の中にちんぽが、ぬちゅって、は、入ってきてる……! あはははっど、どうしよっ、なあっ」

 狂ったように笑いながら、笠原がカメラに向かって実況する。無機質なカメラは、何も言わず、ただその場の無残な淫行をメモリーに記録していく。時たま書き込むような機械音が鳴るが、全て他の音に打ち消された。灯が腰を動かす度に、肉のぶつかりあう音と、ぐちゅぐちゅという卑猥な水音が室内に響く。自然と動く腰に、既に違和感を感じていないようだった。口の中に指を突っ込まれて、嬉しそうに笠原は笑った。

「ふうっ、は、良介、くんはっ、ここがええんよね?」
「ひっ!? あッア――ッ! き、気持ちいいれすっ、親父、ご、ごめんなさいっ、こんなあ、あっ変態息子でっ、俺、ち、ちんぽ挿れられて突かれるの、き、気持ちいいっ!」

 前立腺を刺激され、仰け反りながら笠原が叫ぶ。灯は、笠原を拘束していた紐を解くと、その体を抱えて、カメラの方へと向けた。無機質なレンズには、狂ったような笠原と、陰湿に笑む灯の姿が歪んで映っていた。涎や涙を垂らしながら喘いでいる笠原の耳を舐めると、その耳元で囁くように話しかける。

「ほらっ、良介くん、自己紹介、っ……教えたったやろ?」
「あっ、うあ、あっあ、あっ、か、笠原りょ、良介れす……! だ、大学生だったけど、い、あっ今は、も、行ってませんっ」

 ぎゅ、と乳首を摘むと、笠原の体が跳ねる。だらだらと溢れ出すカウパーを掬うようにして尿道口を弄ると、笠原の声が一層上擦ったものに変わった。

「ひっ、しょ、アアッ将来、はっ、と、灯の、お、お嫁さんにな、なりますっ。に、二度とここから、ふぁっ、あっ、に、逃げようとし、しません! お、俺の尻穴は灯専用の、あ、アッ、あ、そこ駄目だっ、むり、うあ、ご、ごめんなさ、いいますッ、あははっ、と、灯専用れすっ、沢山中出しして孕ませてくらさいっ、んァッ、ち、ちんぽが無いと駄目なんれす、あ! はっはあは、んあ、ひぃ、俺っ、ずっと灯の傍にいなきゃ死んじゃ……ああっ! うぁあ、あ! も、無理……! ともす、灯!」

 熱に浮かされたように叫ぶ笠原を抱きしめて、灯が腰を揺らした。

「……あはっ! あはは! ええよ、も、イッても! 僕も良介くんの中に出すで!」
「ふ、うああっ、あ、ありがと、ございます! うあぁっあーーー!」

 笠原のペニスから、びゅるびゅると白い精子が弾け、画面に写る。それは偶然にもレンズにかかり、それ以降、カメラの画面は真っ白になってしまった。










「気持ちよかった?」

 カメラの映像を確認しながら、灯が笠原に問いかける。精液でべたべたに汚れた体を拭きながら、虚ろな目で微笑んだ。

「はい……」
「それはよかった。僕も良介くんが気持ちよーくなってくれはるなら、とっても嬉しいんやで」
「ありがとう、ございます」
「うんうん、ほな、最後にお父さんに向かって、一言」

 精液を拭い、綺麗になったレンズが、再び笠原に向かった。笠原は虚ろな目で笑いながら手を振り、言った。ぽたりと、目から一筋の涙が零れ落ちたが、それが父親に届くことはない。

「親父、ばいばい」



終わり


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