キス以上のことをしたいD





 その後、一人でゲームする気にもなれず、結局脳内でシミュレーションを繰り替えす。
 大志と比べられんのが癪っつーのもあるけど、俺は男相手初めてだし、正義のこと怖がらせたくねえし、なるべく気持ちよくしてやりたい。正義は初めてじゃねえのかもしれないけど、俺は初めてだし。
 こんなんで大丈夫か? と不安になることはあるが、一応動画とか見て学んだことを思い返す。平常心平常心、焦ると碌なことねーからな。一通りの準備を終えて、よし、と気合いを入れると同時に、部屋のドアが開いた。

「あ、お風呂ありがとう……」

 かちゃりと開いたドアから覗く正義を見た瞬間、さっきまで保っていたつもりの平常心が一瞬で崩れ落ちた。
 ふわり、と香る匂いが、俺と同じ石けんとシャンプーの匂いで、理性がぐらつく。えっ、俺と同じ匂いなんだけど……。俺んちの風呂に入って、同じの使ったんだから当たり前のことなのに、ぎゅん、と心のメーターが振り切れそうになる。
 いやいや、こんなん想定内だろ? でもなんつーか、これからするのかって思うと……。
 部屋に入ってきた正義が、無言で俺の隣に腰掛けた。無言のまま、少しだけ肘がふれあう。

「…………っ!」

 とりあえず笑顔を向けると、正義もへらりと笑顔を返した。
 あ゛っ! 駄目だこれ、やっぱ俺こいつのことすげえ好き!
 行き場のない手を肩にかけようとすると、正義が再びゲームに触れた。

「なんかゲームしてた?」
「えっ!? ……あー、いや、まあ、さっきの格ゲーとか……」
「そっか、一緒に対戦する?」
「ん、あ……? あー……」

 自然な流れで、正義がコントローラーを掴む。
 なに、もしかして、さっきの無かったことになってる? やっぱりなんかの間違いでしたって? 風呂に入ってる間に気が変わったのか。じゃあやっぱりさっき続けるべきだったのか? いやでも無理矢理なんて出来ねえし、……正義が嫌なら……。

「誠?」
「…………っ」

 いやいや、待て待て、ここで流されてどうする!
 俺は正義が掴んだコントローラーを掴み元の位置に戻すと、ずっと負け画面だったテレビ画面をリモコンで消した。

「……ゲームはもういい。キスしたい。俺……正義に触りたい」
「………………」

 真剣な顔で迫ると、正義は泳がせていた瞳をぱちぱちと瞬かせ、顔を赤くしながら、俺の手を握った。
 
「うん、わかった。…………誠の、好きに触っていい、から……」
「…………」

 その言葉に、俺はごくりと生唾を飲み込みながら、正義の頬へと手を添える。唇を合わせて、再び舌を潜り込ませると、温い体温が伝わってきた。心臓の音が、さっきからうるさい。
 この音、正義にも聞こえてんのかな。逆に、正義もこのくらい、緊張してくれたり、すんのかな。
 ぷちゅ、と音を立てながらキスをして、ベッドへと体を押し倒す。特に何の抵抗もなく倒れる体に、覆い被さるようにして、深く口づける。するりと部屋着代わりのティーシャツの下に手を滑り込ませると、風呂上がりで少し湿った肌が手に吸い付く。女相手だったら、胸とか触ったりもするけど、男でも触るんだっけ。いや、男でも乳首感じたりすんだっけ? やべ、土壇場でなんかわかんなくなってきた……!
 混乱しながらも、そのまま胸に触れると、ビクン、と正義の体が揺れた。

「…………っ」

 確か、男でも、開発すれば乳首とか感じるって聞いたけど。人差し指の腹で、乳首に触れると、少しずつ芯を持っていく。そのままぐりぐりと押しつぶすと、どんどん硬くなっていった。……マジか。トントン、と指でノックするように乳首に触れると、少し息が漏れた。
 これも、あいつに仕込まれたんだろうか。
 でも、誰に開発されたかとかは、今はどうでもいい。きゅ、と親指と人差し指で乳頭を摘まみ、服の下でしこしこと扱く。どんどん硬くなっていく乳首に、正義は顔を赤くしながら、俺の枕に自分の顔を押し当てた。顔だけじゃなく、首から下まで赤くなっている。にわかに震える体が、欲情を煽った。
 気持ちいい、のか? 無言のまま、正義に覆い被さり片手でぐりぐりと乳首を弄っていると、小さな声が下から響く。

「ま、誠……っ」
「な、何」
「そこ、は、恥ずかしい、から、あんま触んないで……」
「………………」

 本当に、恥ずかしそうに、小声で呟く正義に対し、俺の体は一気に熱が中心に集まった気がする。
 いや無理だろ。やべ、ちんこ痛ぇ。
 がば、とシャツを捲って、むき出しになった乳首を見る。部屋の照明に照らされて、よく見える。

「…………っ〜〜〜〜!」
「舐めていい?」
「いっ!?」
「舐めてえんだけど……」
「………………」

 正義は俺の言葉に、顔を赤くしながら、視線を違う方向へと向けていたけれど、俺がじっと見つめていると、観念したように、小さく頷く。

「……な、舐めても、何も出ないけど……」
「いや、わかってるって」

 逆になんか出たらこえーよ。
 お許しを得たので、俺は乳首を口に含み、舌で舐めた。味も何もないはずなのに美味く思える。柔らかな弾力が、舌の上で弾けた。
 正義が、声を抑えるようにして、鼻から息を漏らす。舌先で、乳頭の窪みをぐりぐりとほじると、正義の手が俺の顔を押さえ、離れさせようとした。

「あっ……っ、く……っ」

 けど、俺は離れなかった。硬く尖った乳首を唇で挟み、コリコリと舌の上で転がすと、どんどん硬くなってくる。密着している体が熱い。やべえ、もうちんこ弾けそう。
 べろ、と乳輪から乳頭まで舐めあげて、舌腹でぐりぐりと押しつぶすと、芯を持った乳首は潰れず、抵抗してくる。歯で挟み、ちゅう、と吸い付くと、正義の体が呼応するように痙攣する。

「……っ……ふっ、あ……!」

 なんか楽しくなってきた。もう片方の乳首を指で弄っていると、正義が耐えかねたように、口を開いた。

「ま、誠、一回ストップ!」
「……ん?」
「…………その、やっぱり、舐めるのは、ナシで……」

 真っ赤になりながら、再びTシャツの位置を元に戻す正義を見て、不満がないと言えば嘘になる。いや、このまま舐めさせてくれ、と言いたくなる。けど、あんまり無理強いも出来ねえし。

「…………駄目?」
「…………恥ずかしいから、ここはもう、だ、だめ……」

 俺はぼふん、とベッドの上に倒れ込むと、後から正義の体を抱いた。ここはもうだめって、これからもっと、恥ずかしいことすんのに。
 つーか、無理だろ、こんなん。ずぼ! とTシャツの中に手を入れて、再び乳首を摘まんだ。

「……無理」
「あ、っ……っ〜〜〜〜〜……っ」
「なあ、気持ちいい?」
「………………あ、あっ、っ、う」

 後ろから服に手を突っ込んだまま、乳首を人差し指でカリカリと引っ掻く。摘まみ、引っ張り、押しつぶして、思う存分捏ねくり回していると、正義の体がびくびくと震えた。押しつけたちんこが、ぎんぎんに勃起している。薄い布を何枚か隔てて、俺のちんこは、正義の中に入ろうとしていた。布越しにぐりぐりと押しつける。
 ああくそ、挿れたい、ここに……! 奥まで挿れて、思いっきり出してやりたい。
 ぎゅう、と押しつけ、項にキスをしながら乳首を扱いていると、正義が観念したように頷いた。

「き、気持ちいい、です……っ」
「…………っ!」
「誠に、乳首触られんの、気持ちいい……っ」

 振り絞るような声に、俺の指が止まらなくなる。小さな乳首を指できゅっと、摘まむと、甘い声が漏れた。
 けれど、すぐに口を抑えながら、正義が呟く。

「へ、変態みたいでごめん……」

 いや、変態みたいって言うなら、今の俺の方がそれっぽいけど。完全に勃起したちんこを正義の尻に当てながら、正義の乳首弄ってんだもん。俺の方がやばいって。でも、やめらんねえんだよ。
 はぁ、と興奮した息づかいで、するりとさっき下げられたティーシャツを捲った。
 上から覗き込めば、赤く熟した乳首が見えた。完全に勃起した乳首はピンと尖っていて、先端に触れるだけで正義の体が跳ねる。
 ……さっきも見たけど、なんつーか……エッロ……。あ〜〜〜〜、マジでちんこ痛え、めっちゃ挿れたい……。ごく、と喉を鳴らし、乳首を弄っていた手の片方を下へと下げていく。

「…………っ」
「触っていい?」
「…………う、うん……」

 正義のは、俺よりちょっと小さいサイズだけど、多分標準くらいのサイズ。男のちんこなんて、触りたいと思ったこと、一回もねえけど、正義のなら、触れる。自分が今まで男が好きだって思ったことだって、一回も無かったはずなのに。
 正義のちんこに触れると、完勃起とまではいかないけど、反応して硬くなっている。ゆるゆると手で扱くと、痙攣するように体が震え反応する。竿を手で握り込み、そのまま上下へと扱く。くちゅ、くちゅ、と音を鳴らしながら亀頭を親指でぐりぐりと擦った。裏筋からカリまで満遍なく手で弄ると、どんどん硬度を帯びてくる。腰を引いて、逃げようとする正義の下半身を固定してちんこを弄っていると、正義が言った。

「ま、待って、誠」
「なんで」
「このまま出したら、……ふ、布団汚れちゃうから、ゴムつけないと……」

 俺の腕の中から離れて、正義は近くに置いてあった自分の鞄を漁る。……別に、シーツなんて後でまとめて洗うし、気にしなくていいのに。どうせ明日の夜まで誰も帰ってこねえし。
 ゴムだってこっちで用意してるんだから……、と思うと同時に、なんで正義がゴムを持ってんだ? と気になった。正義は取り出したゴムを持って言う。

「僕、自分のは自分でつけるから……」
「お前、自分でゴム持ってきたの?」
「え? うん、だって僕と誠のじゃサイズ違うし……誠のじゃ僕にはちょっとでかい……」
「へー……、てことは、お前も頭ん中で俺とこういうことするかもって考えてたんだ」
「……………………」

 にやけが隠せなくて笑うと、きょとんとした面の正義の顔が、一拍間を置いて、次の瞬間真っ赤になった。

「………………っ!!」
「ゴム用意してたっつーことは、お前も、俺とセックスすること考えてたってことだよな」
「あ、いや! あの! 念の為っていうか……! もしかしたら僕が挿れるかもしれなかったし!? エチケットとして必要だなって!」
「はいはい、でも俺とこういうことするって考えてたんだー、へー。今までチューしかしたことなかったのに、今日するかもって思ってたんだな」

 にやにやと笑いながら言うと、正義が焦ったように手を振った。

「そっ……! いや、か、考えてたっていうか、万が一をねっ、想定して……、ま、誠はこういうこと、僕としないだろうなーって思ってはいたよ! けど……っ! もしすることになったら、色々準備とか、あるし、だってその、僕達一応…………つ、付き合ってる、から……する、かな……って……」

 なんかがちゃがちゃ言おうとしてたみたいだけど、最終的に小さくなっていった声は消えるように窄まり、真っ赤になった顔からは、湯気でも出そうだった。
 正直な話、俺は俺だけがしたいのかと思ってたし、正義はしたくないのかもしれないと考えていた。俺ばっかり好きなのかなって。
 大志とのこともあるけど、こういうことが苦手かもしれないって可能性もある。
 だけど、ゴム用意してたってことは、正義だってそれなりに、こういうことちゃんと考えたりするんだなって思うと、すっげークるし、同時に嬉しくて仕方なかった。
 さっきからすでに完勃ちしていたちんこが、もう限界に近い。なんでこいつ、こういうこと素ですんの? ふざけんなよ、いっそキレそうになる。
 そうやって煽られっと、マジで我慢きかなくなりそう。
 すでに脱げかけたハーフパンツを下着ごと下げると、勃起した正義のちんこが目に入る。毛ぇ薄いなー。俺は正義の持っていたゴムを掴み、封を切った。

「あっ」
「んじゃ、俺がつけてやるよ」
「い、いやいいよ、自分でつけられるし」
「他人のってつけたことねーから、つけてみたいんだって、足開け」

 ジェルで濡れる手を気にもせずに、正義の足を開いて入り、ちんこを掴んで、くるくるとゴムを装着する。正義は恥ずかしそうに口を噤んだまま、目を瞑っていた。

「コレ自分で買ったの?」
「…………」

 小さく頷く。

「…………へー……」

 ……どんな顔して買ったんだろ。
 どこで買ってきたんだろ。コンビニとか、薬局か? どんな格好して買ったんだ? つか、どんな気持ちで買ったんだよ、俺とセックスすること考えながら買ったってこと?
 あ〜〜〜、すっげえその場に居たかった……いや、マジで変態くさいな、俺。
 嬉しさに緩む口元を抑えると、正義が俺の股間を膝でぐり、と押してきた。限界を迎えていた俺の息子は、一瞬暴発しそうになった。

「ちょ、おまっ」
「……僕もつける」
「あ?」
「僕のを誠が付けたなら、誠のは僕がつける……」
「なんでちょっと怒ってんだよ」
「……やられっぱなしは、情けないし……もうちょっと、僕がリードする予定だったんだ」

 俺が用意して置いたゴムを掴んで、正義が封を切る。少し下がったハーフパンツに、正義が手をかける。
 ……まさか、口でズボン下げたりとか……と思ったけど、そんなことはなく、普通に手で下げられた。いい加減、あの時の妄想は捨てろ俺。あの時の正義は確かにくっそエロかった。それはもう認めるけど、あれに引っ張られてたら前に進めねえ。
 パンツを下げれば、ばるん、と弾けんばかりに顔を出した俺の息子に、正義は少しだけ息を飲んだ。悪かったな、やる気満々で。もう限界なんだよ。
 さっきからガチガチで、血管が浮いて見えるマックスちんこに、正義はごくりと唾を飲んだ。
 封を切ったゴムを俺のちんこに付けながら、不安げに目を伏せる正義の仕草に、ドキドキと心音が響く。正義の手が触れ、握り込む仕草に、暴発しそうになった。

「……っ、は、早くつけろって」
「うん、ちょ、っと待って……」

 ぺたぺたと無防備に触れてくる手。
 正直、正義の手が俺のちんこに触れてゴム付けるのも相当やばかった、けど! ここでイッたら早漏なんてもんじゃねえだろ。めちゃくちゃ我慢しつつも、無事付け終えると、近くにあったローションを手に取り、俺は正義の体を再び押し倒した。

「わっ……!」
「……ぶっちゃけ、俺、男相手とか初めてだから、痛かったりしたら、言えよ」
「…………う、うん……」

 手の平にぶちまけたローションを温め、正義の足を掴む。正義は、自分の体を支えながら、俺の前で足を開いた。
 男相手に、初っぱなから突っ込んだら駄目だってことも、最初に慣らさなきゃいけないってことも、知識としては知ってる。ただ、指だって、他人のココに、突っ込むのは初めてだっつの……!
 息を飲んで、ゴムを被せた指を一本潜り込ませると、思っていたよりも難なく奥へと入っていく。
 ぬぷ、と入った指先が、どんどん奥へと入っていくことに、俺はある種感動を覚えた。なんとなく、入らないかもと思っていた不安が、どんどん消えていく。

「……っ……」

 うわ、うわ、中熱……っ、つーかやわらけ……! ゴム越しとはいえ、正義の中に指で触れた。その事実に体が熱くなる。
 血液が体中を巡り、どくどくと音を立てている。正義は、弄られている自分の尻穴を見ないように、少し目を伏せて口を結んでいた。
 俺は、余裕も無く、中に突っ込んだ指を動かす。正義のココは思ったよりも柔らかく、もう一本指を増やしても大丈夫そうだったので、更に指を追加する。そのままぐりゅぐりゅと中を掻いた。最初はちょっとキツかったけど、中は柔らかくて、すげえ広がる。
 えっと、確か前立腺? とかいう、男が気持ちよくなるところがあるんだっけ。
 ちんこの裏辺りって聞いてたけど、この辺か? ってか、どこかなんてわかんねえよ。ぐりぐりと探るように中を擦っていくと、正義は息を殺すようにして、声を堪えていた。

「……正義」
「ん、な、なに……っ?」
「今日、誰もいねえし、声あげても大丈夫だけど」
「…………いや、その……」

 俺の言葉に、正義はもごもごと言いにくそうに言葉を漏らす。

「…………僕、変な声でるし、は、恥ずかしいから……」
「…………」

 決めた。
 抑える余裕なくなるまで、気持ちいいって思わせる。
 俺は中に埋め込んだ指をぐるりと回し、ローションを擦りつけて、内壁を探る。じゅぷじゅぷと濡れた音が漏れ、部屋には俺たちの吐息の他に、正義の性感帯を探る音が響く。
 ぬるついたローションの力か、特に抵抗はない。とはいえ、指とちんこだったら大違いだと思うけど。
 ふぅふぅと息を堪えながら、正義が俺の枕を抱いていた。声が出ないように、顔を押しつけている。どうせだったら顔見たいけど……、まあ、あとでいっか。俺は未だ見つからない前立腺とやらを探す。
 ここ? いやこの辺か?

「痛くねえ?」
「…………、へ、平気……ひっ」
「あ、痛い?」
「…………い、痛くない……」

 いや、でも今ビクってしたし。ふるふると首を振る正義の顔は、もうずっと赤いままだ。俺はもう一度、さっきの所を指の腹でぐりぐりと押しつぶした。

「あっ、……っ〜〜〜〜…………!」
「…………なあ、もしかしてココ、気持ちいい?」
「………………」

 正義は何も言わない。けど、言わないのが、逆にわかりやすかった。俺は何も言わず、ソコを何度も刺激する。指を鉤状にして、手を持ち上げるようにぐりぐりと擦り、捏ね、擦り潰す。すると、正義の体はわかりやすくピクピクと痙攣して、さっきまで抑えられていた呼吸音も段々と激しくなってくるのがわかった。

「…………っ……ふ……っぅ……っ! んあっ、うっ、……っ――――!」
「…………」

 男の尻に、指突っ込むとか、信じらんねえと思ってたけど、ぱっくりと開いた穴が指を飲み込む図はなんつうか、こう、クるもんがあるな……。ごくりと喉を鳴らして、ぷちゅぷちゅと音を立てながら、何度も同じ場所を刺激していると、正義の体が痙攣するように反応する。

「……ま、誠、そこ、弱いから……っ!」
「イきそう?」
「…………っ……」

 こいつ、めちゃくちゃ感度いいんじゃねえかな。指を止めずに動かし続けると、ビクッ、と体が揺れた。足を閉じようとしたらしいけど、間に俺の体があるからソレも叶わず、足の爪先がきゅうと丸くなり、正義が首を横に振る。

「ま、まこっ、と……っ、い、一回手、止めて……っ! そこ、無理、っ、き、気持ちいいからっ……!」
「こっちだけでイケんの?」
「…………っ〜〜〜〜! ご、ごめ……っ」

 ぐり、とナカを強く押した瞬間、装着した正義のゴムの中に白い精液が吐き出された。とろとろと吐き出される精は、ゴムの中に少しずつ溜まっていく。真っ赤になって汗だくになり、くたりと体の力が抜けたように、ベッドに転がる正義に、むらっとした欲望が湧いてくる。
 中だけでイくんだ……。
 腕で顔を隠しながらも届く荒い呼吸音が、たまらなく股間を刺激した。イッちまった所悪いけど、俺はまだ挿入してもいない。つか、入んのか? 中の指を三本に増やし、さらに奥へと進める。少しずつ広がってきた穴を更に広げるようにぐちゅぐちゅと音を立てて慣らしていると、再び指が正義の前立腺を掠める。
 正義の体は再度ぴくりと反応し、顔を隠していた腕が避けられ、涙で滲んだ赤い瞳が俺を見た。

「……っ――! あっ、あっ、っ、ま、待って……っちょ、やすませて……」
「…………いや?」
「………………」

 俺が聞くと、正義は息を詰まらせたように口を噤み、それから小さく首を横に振った。

「…………い、やじゃない、……誠に、触られるのは、いやじゃない……」

 その仕草に、きゅん、と胸がときめいた。
 …………なんでこいつ、こうちょくちょくこっちを煽ってくるかな。逆効果なんだよ、さっきから。俺は思わず身を屈めて、正義の唇を食らうように舐めた。

「んんっ」
「……スキ」
「………………僕も、すき」

 顔を赤くしながら、眉を下げて笑う正義の顔に、俺はもう我慢の限界だった。むしろ、ここまでよく持った方だと思う。
 ばっと、身を起こして、正義の両足を掴み、広げた。そろそろ、大丈夫か? いやもっと慣らした方がいいのか? わかんねえ! わかんねえけど、俺のが限界なことだけはわかる!

「……もうちょっと、慣らした方がいいのか?」
「………………大丈夫、だと思う」
「…………い、痛かったら言えよ?」
「ん…………」

 ドキドキドキドキドキ、と心音がさっきからめちゃくちゃうるせえ。人生でこんなに緊張したのは、初めてかもしれない。童貞を捨てたときですら、ここまで緊張はしなかった気がする。
 どんくらい解せばいいのかわかんねえけど、正義の中は思ったよりも柔らかいし、風呂の時間も長かったから、ひょっとすると、自分である程度慣らしてくれていたのかも知れない。
 亀頭を蕩けた穴にぴとりと当たると、正義の体がにわかにびくついた。収縮を繰り返す小さな穴が、早く、といっているような気がした。
 入るんのか? こんな小さい穴に。
 そう思ったけど、今更ここで「やっぱやめるわ」なんて選択肢はない。何より、もう俺のが持たない。入れた瞬間射精したりしないように、気合いを入れ、腰を押し進め、ぬぷりと先っぽを中に埋める。

「……っ…………っ! ぅ、あ、っ……っ〜〜〜〜……!」

 ぐっと押しつけ、カリ首まで一気に埋める。小さかった穴が、俺ので広がっていく様を、目の前でまざまざと見せつけられる。うわ、うわやべっ……! は、入った……!
 ローションでぬるつき、とろけた穴は、滑りも良く、思ったよりも簡単に俺のものを受け入れてくれた。でも、まだ先っぽだけだ。正義は、自分の口元を抑えている。だから、声、抑えなくてもいいって……っ!

「……っ、中、あっつ……っ」

 俺も熱いはずなのに、正義の中もすげえ熱く感じる。亀頭だけ含んだ穴をじっと見つめる。男の性器も、穴も、こんな間近で見たことなんてないかもしれない。自分にも同じもんがついてるはずなのに、なんだってこんな興奮するんだ……っ?
 ぐぐぐ、と腰を押し進めると、残っていたちんこの竿部分が、にゅるにゅると正義の中に飲み込まれていく。あーーーーっ……、は、入ってく……っ! 俺のが、正義の中に挿入ってく……っ!

「はぁっ、はっ、あっ、ぅ、……っく、……っ――――!」
「っ、は、……わり、……っきつい?」
「ん……っ、だ、大丈夫……っ」

 俺の問いかけに、正義は首を横に振った。こいつ、大丈夫じゃなくても大丈夫って言うからな。でも、今は俺も大丈夫じゃねえんだ。
 正義の穴はぎちぎちに広がり、俺のを咥え込んでいる。さっきまでぴっちりと閉じていた穴が、俺のちんこで広げられている光景が目の前にある。
 めちゃくちゃ興奮した。だって、あの正義が、俺の下で、こんな……っ!
 ゆっくりと、中を押し広げるようにして、なんとか奥まで挿入すると、俺の体と正義の体がぴったりとくっついた。
 ……全部、入った……っ。柔らかくてふわふわな中に、自身が包み込まれる感覚に、ゾクゾクと背筋が粟立つ。直腸がぎゅうと俺のを締め付けてくる。

「……っ……はぁっ……! はぁっ……!」

 薄く上下する正義の胸は、汗に濡れて真っ赤になっている。額に張り付いた髪の毛を払うと、正義と目が合った。
 すると、正義は困ったように眉を下げて、少しだけ笑った。

「…………あ、はは、…………っ、誠の、全部僕の中、はいっちゃった……」
「……っ〜〜〜〜〜……!」
  
 やっべえ! 今イくとこだった!
 ぎゅん、と心のメーターが上昇し、射精しそうになるのを危うく堪える。だって、まだ動いてもいねえのに!
 どっどっど、と逸る心臓に、俺は正義に尋ねた。

「…………う、動いてもいいか?」
「うん。……あのさ誠、僕は女の子じゃないし、……その、初めてでもないから、そんなに気を遣わなくても大丈夫だよ」

 そういうことじゃなくて、俺が大事にしてえんだっての。
 けど、もしかしたら、気づかないうちに乱暴になっていることがあるかもしれないから、情けないけど俺は何も言えないまま、ゆっくりと腰を引いた。
 やっべ、中、吸い付いてくるみてぇ……っ!
 ゆっくりと正義の中から出てくる俺のちんこが、ローションに濡れて上からの照明で光っている。なんか、すっげえエロ……っ。
 息を整えながら、引いた腰を再び奥へとゆっくり押し進めた。それから引き抜き、さっきよりも少しだけ早く中へと入れる。ぱちゅ、と音がして肉がぶつかる。

「ッ……!」

 吸い付いてきた中が、ちんこをいれると、包み込むように絡みついてくる……、う、わ、すげ、き、気持ちいい……っ!
 気を抜くとすぐ達しそうになるのを堪えて、俺はさっき正義がヨガっていたポイントをちんこでぐりぐりと押した。

「っ、あ」

 正義はベッドに体を預けたまま、腰を浮かせて唇を震わせる。眉間を寄せて、声を抑えるようにしていたけど、俺は、お前の声が聞きてえんだって……っ!
 初めてだし、さっきまでゆっくりやっていこうと思っていたのに、いつの間にか腰を振る速度が速くなっていく。音がどんどん大きくなっていく。
 ぱちゅ、ぱちゅ、という音が激しくなっていくに連れて、かくかくと腰を揺らしながら、正義の中を貪る。動かす度に俺のちんこが正義の気持ちいいところを掠めるらしく、ぴく、ぴくと小刻みな挙動を繰り返す。

「はっ、はぁっ、あっ、はっ……! あ〜〜〜〜……っ」

 荒い呼吸音と心音が響く中、もう秋だというのに、部屋の中が酷く蒸しているように思えた。ぱちゅ、ぱちゅ! と動く度に、肉がぶつかる音がする。足を抱えたまま腰を揺らすと、元々限界気味だった俺のちんこは、玉の奥から精子がせり上がってくる気配がした。
 やべ、もう出そ……っ!

「正義、っ……! 俺、やべっ……!」

 ぎゅ、と抱きつくと、正義も俺の体に手を回してくれた。恋人みたいに、いや、みたいにじゃない。だって、俺たちは恋人なんだ、正真正銘の。

「あ゛っ……!」

 どちゅ、とちんこを一番奥まで押し込めて動きを止める。奥からせり上がってきた精液のせいで、一瞬ちんこが膨らんだ気がした。正義が息を飲んだ瞬間、俺の息子が暴発する。

「…………っ……〜〜〜〜〜〜!」
「あっ……く……っ!」

 びゅうーーーーー、と俺の中に溜まっていた精液が、一気に解き放たれる。ゴム越しといえど、全てが正義の奥へと注ぎ込まれていくことに、妙な感覚を覚えた。支配欲? 征服欲? いや、そういうんじゃなくて、もっとこう、幸せっていうか……。やっと繋がれたっつーか……。
 がっちりと繋がったまま全て中に出し切ると、ようやく俺は我に返り、挿れていたちんこを引き抜いた。ゴムの先には、精液がたぷたぷと溜まっていて、こんなに溜め込んでたか? と疑問に思うほどだった。
 それと同時に、青ざめる。……なんか、気持ちよすぎて、途中、すげえがっついて腰ふっちまった気がする。
 だ、大丈夫か? と正義に視線を落とすと、汗だくになってぐったりして、さっきよりもつけたゴムの中に精液が溜まっていた。……こいつもイってたんだ。
 そのことが妙に嬉しくて、俺は正義の頬に手を伸ばした。柔らかく、真っ赤になった頬を撫でると、正義はどこかぼんやりとした様子で、俺の手に頬をすり寄せてきた。それから、ちゅう、と俺の手のひらに唇を寄せる。
 ……は?

「…………っ」

 しかしすぐにはっとした様子で、俺の手から顔を離した。そのことに、少しだけ焦る。…………それ、誰に習った? 誰に教え込まれた?
 一瞬、胸の奥に黒いモノが湧きそうになったけれど、今ここに居るのは俺で、こいつと付き合っているのも俺だ。別に、正義は悪くない。
 けど、今ので出したばっかなのに、またちんこが硬くなってきた。その責任は、取ってくれるよな。
 俺は顔を近づけ、正義の口に唇を重ねた。付き合ってる間、今までしてきたキスが全部遊びだったと思えるようなキス。控えめに絡めてきた舌に舌を絡めて、ぐちゅぐちゅと腔内を貪り尽くす。

「……んっ、うっ、んっ」
「……正義……」
「…………」

 ぎゅう、と手のひらを指を絡めて繋ぎ、目を見つめて再びキスをした。ああ、やべえ、好きだ。ずっとこうしてたい、めちゃくちゃ好き。
 伝わる体温と、心音に、体中が溶けていくみたいだった。汗ばんでいて、ベタベタするはずなのに、くっついていたい。

「なあ…………もっかいしていい?」
「………………うん、いいよ」

 甘えるように問いかけると、正義は少し笑って、俺の髪を撫でてきた。手ぐしで髪の毛を解すように、頭を撫でるように、柔らかな笑みを浮かべて、慈愛の視線を送ってくる。これ、俺の妄想じゃないんだよな?
 その顔に、再び胸がきゅうーー、と締め付けられる。コイツと居ると、毎回こういう気持ちにさせられる。
 きっとときめくって、こういう時に使う言葉なんだろうな。
 俺は正義を抱きしめてから、再びゴムに手を伸ばす。ぐつぐつと煮えた頭が、興奮で爆発しそうだった。やべえ、俺、大丈夫か? 
 でも、あんまりやり過ぎるのも駄目だろうし、次で最後にしねえと……と思っていると正義が言った。

「僕さ、誠が好きだよ」
「おう……だから、俺も好きだって……」
「誠だから、いいって思ったんだ」

 少し照れくさそうに、だけど、嬉しそうに言う正義に、俺は首を傾げた。急になんだ? と思った瞬間、正義がとんでもないことを言う。

「だから、誠の好きなようにしていいよ」
「……………………は?」
「えっと、だから、僕は男だし、女の子よりも体力はあるから、えー……、あんまり、遠慮しなくていいって、いうか、………………誠がしたいだけ、していいよ、誠の、好きにしてほしい」
「………………」

 その言葉に、ブツンと、理性の糸が切れる音がした。


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