閑話:志熊視点






 こうしてるとさあデルタ、初めて会った時の事思い出すね。え、思い出さない? ああそう。
 俺はさー、一度見たモノって、絶対忘れないんだよ。忘れたくても忘れられねえの、そういう風に出来てんの。デルタには言ったことなかったっけ?
 そうそう、せっかく開発してんだからさ、思い出話の一つでもする? しない? あれ、あんま聞いてねえのな。ま、いーや。
 デルタのココがもっと解れるまで、ピュアな少年だった俺の、初恋の話でもしよっか。

 なあ? デールータ。

****

 俺んちって、結構転勤族だったの。デルタんちもそうだっけ?
 つっても、俺の場合は、俺が問題を起こして、引っ越さざるを得なかっただけなんだけど。でも、小学生の頃の俺は、そういうのよくわかってなかったし、問題起こす度に、親からめちゃくちゃ叱られてさ。俺のことを天才だって言ったり、そのくせ異常だって言ったり、情緒不安定なのかな俺のオヤ。
 あ、デルタ顔もっと見せて。ほーら、腕で隠すなって、縛んぞ。
 ……そーそー、そうやって、可愛い顔ずっと俺に見せててよ。そっちの方が楽しいからさ。俺の記憶は上書きできないけど、無限にデータは増やせるから、お前のそういう顔で埋め尽くさせてよ。

 さっきも言ったけど、俺、一度見たモノって忘れないんだよ。なんか、そういう風に出来てるみてえでさぁ、朝通りがかった名前も知らない奴のピアスの柄まで思い出せる。だから俺、デルタと初めて会った時のことも、昨日のことみたいに思い出せるよ。
 デルタはちゃんと覚えてる? 俺と出会った時のこと。小学生の時、俺が初めて転校してきた時のこと。

 デルタは知らないかもしれないけど、あの時俺さ、前の学校でちょっと問題起こしちゃって、それで転校することになったの。え? どんな問題かって? まあ、そんなのどうでもいいじゃない。
 前の学校ですげえむかつく奴が居てさ。それで、ちょっと人間不信になってたみたいなとこあって。今度の学校では、あんまり人と関わらないようにしよっかなって、俺なりに決意を持って転校してきたわけ。
 だから、転校してきたとき、すっげー機嫌が悪かったんだよ。気付いてた?
 新しい学校で、次は問題を起こすなって言われてたし、母親とか俺のこと気持ち悪いって言うんだよ。信じらんねえよな、お前が産んだんだろっつの。俺が何もかも覚えてるのが嫌なんだって。でも、本当は自分の不都合な発言とか顔とか行動を、覚えて居られるのが嫌なだけなんだよ。
 ああ、こんな話はどうでもいいか。

 もっと楽しい、明るい話しような〜、デルタ。
 ん? ここ気持ちいい? アハ、びくってなった。だぁから、顔隠すなって。おい、隠すな。話聞けよ。なあ? はーい、良い子っ。ほら、泣かないでぇ あ〜〜〜、可愛い。お前のその顔、俺ほんっと大好きだよ。

 そうそう、で、俺が転校してきたとき、デルタが隣の席だったじゃん? そんで、俺に仲良くしてねって言ってくれたでしょ。
 よろしくねって、にこにこ笑いながらさ。
 その時俺、キューピッドに心臓射抜かれたかと思っちゃった。
 どすって矢が刺さった。胸に。心臓ぶち抜いたよな。
 初めてだったんだよ、あんな感覚。もう、一瞬で恋に落ちちゃったね、一目惚れ。
 すっげー、すっげ−、可愛いんだもん。あの頃のデルタはぁ、ふくふくでころころで、色白でマシュマロみたいで、俺のこと見てニコニコしながら手ぇ差し出してくれて、あああ〜〜〜〜やっべ、思い出したら勃ってきた。未だに抜けんだよ。
 はぁ、はぁっ……デルタぁ……っ ちょっとだけ入れていい? 先っぽだけだから。お願い
 ――ああ、はいはい、まだ無理って? んじゃなんか可愛いこと言ってよ。俺が夢中になるよなさ。
 言わないなら無理矢理入れる。はい、さーん、にーい、いー……。

 ……ふふっ、あははははあっ デルタかぁわいい! そういう事言われると、俺も言うこと聞いてあげたくなっちゃうなぁ!
 んじゃ、気持ちいいとこ、もっと触ってあげるね。大分ここも慣れてきたでしょ、デルタ。あの日からちゃあんと毎日中弄ってるもんな? ほらほら、こっちも反応してる。
 あ〜〜〜〜、あの頃のデルタも可愛いけど、今のデルタもすっげぇ可愛いよ。キスしよ、キス。ほら、口開いて。いいから開けよ。

 んっ、ふ、ふは。舌、のばして、んひ、そぉ〜、あー、デルタのくちんなか、あっつくってきもちー、んっ。
 ……えーっと、なんの話してたっけ?
 そうそう、隣の席の奴が超可愛くて一目惚れしちゃったっていう、少年らしい可愛い初恋話ね。

 俺、あの時まで恋? てしたことなかったからさー、お前に好かれたくて必死だったんだよ。どうすれば好きになって貰えるかなとか、俺と一番仲良くして欲しいな、とか。いや、やっば、可愛くない? すげー健気じゃん! 俺だったら俺のこと好きになっちゃう!
 で、どうだった実際? あの日まで俺、お前に好かれるように頑張ってたんだけど、好感度的にはどんな感じだった? 最高レベル?
 え? 今? 別に今の話はしてねえじゃん。
 だって、デルタがどう思おうが、デルタは俺と一緒になるって決まってるんだから。は? なんでって? 俺がそう決めたから。お前のこと手に入れるためなら、なーんだってしてやるよ。嘘? 嘘じゃないよ。冗談? 冗談でもないよ。全部本気。ホントのホント。
 お前の髪の毛から指の先まで全部俺のもんにするまで一生逃がさねえよ。
 だーから、泣くなってデルタ。その顔ほんと好き

 ああ、そうそう、なんであの日お前のこと助けなかったかって話ね。 なんだ、覚えてんじゃん。
 そりゃそうだよな。だって俺、あの日までお前と結構仲良しだったし、お前も俺のこと大分信じてくれてたもんね。俺ら親友だったんじゃね?
 俺も、最初は助けようかなって思ったりしたんだよ。いやほんと五分五分。これはマジだから。
 あいつらからデルタを助けてぇ、もっともっと信頼されてぇ、デルタの心を独り占めするっていうのもいいなーって思ったんだよ。結構捨てがたいし?
 俺のこと信じてニコニコ笑ってるデルタは可愛かったし? その道もあり寄りのありだったよなぁ。
 けどさあ、俺、やっぱちょっとおかしいのかな?

 あの日、デルタがあいつらにいじめられて、泣かされて、一人で下駄箱に来た時ね……。

 ……っちょ〜〜〜〜〜〜っ!! あり得ねえ位興奮したの
 もう、信じられねえくらい!
 最っっっ高だったよあの時のお前!!

 だってさ、いつもにこにこして、美味しいモノ食べて美味しいって言って笑ってるデルタが、幸せそうなデルタの顔が!
 ちょーっとクソ生意気な同級生に小突かれたくらいで泣いちゃって! 鼻水垂らして、涙こぼして、べそべそ泣いてる顔が、もうすっげえ好きだったの 俺の中で何かが弾けた瞬間だったねアレは。あ〜〜今思い出してもすっげえクる……
 ははっ、そんな顔すんなよ、俺だって、ちょっと酷いかなとは思ったって。
 だから、助けようか、迷ったのー。
 ま、結局俺は助けなかったんだけどね!

 だってさあ、俺の好きなデルタの表情を俺じゃない他の奴がさせるなんて、我慢できなくねえ? だったら俺が一番にお前にその表情をさせてえよ。お前のどんな顔も、ぜーんぶ俺のがいいの!
 他の奴に泣かされるくらいなら俺が泣かす。
 あ、デルタの笑ってる顔は好きだよ? 可愛いし、今も笑顔見たいなーって思うもん。試しにちょっと笑ってみ? ほら、涙拭いて。
 はーい、にっこり〜。
 …………ははっ、その顔も好きぃ。涙堪えて笑う顔も可愛いね、デルタ。俺、お前の顔、ほーんと好きだわ。
 あ、顔だけじゃなくて全部好きだから安心しろよ。
 お前が整形してもお前のこと好きだからさ。
 
 ………………。
 なんだろうなぁ?
 デルタのこと、大事にしたいし、可愛がりたいし、喜ぶコトしてあげたいって思うんだけど、それよりもそういう泣いたり、困ったり、俺の事なんて大嫌いっていう顔が見たいって思うんだよ。変かな?
 いやでも、恋人の色んな表情が見たいって思うのは普通か。
 なーんだ、悩む必要ないな!
 デルタがあんまり怖がるから、ちょっと心配になっちゃったぁ。
 んじゃ、足もっと広げて、今日はもうちょっと太いのいってみよっか。……デールタァ、だから、逃げんなっつーの。……っぶね! お前さあ、たまに手出すのやめろって。反射なのか知らないけど、当たると結構痛ぇんだよ?
 デルタになら殴られてもいいけど、今は恋人同士の甘い時間だろぉ。
 はいはい、暴れんなって、…………ッ……めんどくせ……あー、やっぱ縛るか。
 ほら、そのままうつ伏せんなって、今日は後ろからな。あ、痛い? ごめんね、すぐ終わるから、デルタがあんまり暴れっからさ。
 大丈夫、ちょっと固定したらすぐ終わるから。
 ええ? いやいや、もう今更遅いって。ごめんって、別にデルタは謝ることなんもしてねーじゃん。ちょっと暴れたのは、怒ってねえよ。ただ、またなったら危ないから縛るだけ。デルタも痛い思いしたくないだろ? 俺もデルタのこと殴りたくねえもん。
 ははは、可愛いこと言ってもだーめー。
 おっけー出来た。
 コレならゆっくり出来るね。
 んじゃ再開するよー。

 デルタはこの辺弄られんの弱いよなあ。ほら、ここ。わかる? そう、ここ。指でこうやって、押すと、んっ、ふふっ、はははっ、ほらぁ〜〜! ちがう、って、首振ったって勃起してっし、弱いって丸わかりじゃん。お前のそういうとこ、本当にわかりやすくていいよなあ!
 ご褒美に今日はずーっとここ触ってやるよ。ほら、ほら、気持ちいいなぁデルタ? デルタの気持ちいいとこ、ずーっとこれでぐりぐりしてあげるよ。早く中でイケるようになるといいな。拡張と開発同時にしてっから、その内できると思うんだけど。どう思う? デルタ。
 あ〜〜〜、聞こえてねえか。
 汁飛ばしすぎ。腰引いてんじゃん、はい、逃げない逃げない〜。

 ……でさ、また話戻るんだけど、その後デルタが転校しちゃって、俺も結局色々あって転校しちゃったじゃん?
 俺、デルタが転校したときすっげえショックだったよ。一晩中泣いて、ずーっとデルタのこと考えてた。
 
 俺はさデルタ、あの日から今日に至るまで、お前のことばっか考えてたよ。よく言うじゃん、男は初恋を忘れられないって。
 俺の場合、本当に一生忘れられないから、あの日、初めて俺に笑いかけてくれたお前の顔が、網膜に焼き付いて一生離れないんだよ。
 だから、クソ親父にここに転校させられたときも、デルタが俺から離れたときも、俺はどうすればデルタがまた俺の手に戻ってくるか考えてたんだ。ずっと、ずっと、ずーっとお前のことだけ考えてんだよ。一途だろ? 健気だろ? ピュアで真面目で、可愛くて可愛くて惚れちゃうよな?
 だからさデルタ。
 責任とって
 俺、お前のこと好きになってから、もうお前以外のこと好きになれないんだよ。誰と話しても、誰を見ても、あの日以上の衝撃がないし、あの日のことは今後も忘れない。
 だから、お前は責任を取って俺と一緒にならなきゃいけないんだよ。
 デルタの好きとか嫌いとか、そういう話はしてねえの。

 あの日俺と約束しただろ?
 お前は俺の玩具だって。今は玩具じゃなくて恋人だけど。

 俺は一生、お前に骨抜きだよ。
 絶対に責任とれよ、デールタぁ
 
 

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