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『志熊くん、お願い、ごめんなさい、もうやだよ……』
『はぁ? いいから早く脱げよデブタ』
『うっ……う……』
『はははっ、女子より胸あんじゃね? ほら早くしろって』

 嫌な夢。
 これは多分、小学生の時の記憶。
 どうして忘れていたんだろう。
 きっと、嫌だから、思い出したくなかった。思い出したら、もっと嫌になるから、封印していた。閉じ込めていた。
 いじめられていたけれど、それは大したことないものだったと思い込もうとしていた。
 でも、思い出してしまえば、もう忘れることなんて……――

「……っ」

 目を開けると、妙に肌寒い。かと思えば、首筋に生暖かい吐息を感じた。

「はーー……はー……っ、あ〜〜〜、デブタぁ……」
「……っ!?」

 尻に、硬い物が当たっている。
 その吐息が俺を後ろから抱き込んでいる志熊の物だと気付いたことと、衣服が乱れていることに気がついたのは、ほぼ同時だった。

「!? うわぁああああああっっ!?」
「あ、おはよー」
「ひ、ひっ、なにっ、なっ、えっ!? なんで!?」

 起き上がろうとすると、後ろ手が縛られている事に気がついた。そしてその拘束具はベッドに固定されている。足もだ。俺の首裏を舐め回していた志熊が起き上がると、名残惜しそうに口元を拭った。手の上に涎が滲んでいる。

「思ったより起きんの早かったなー、量足りなかったか」
「な……な……」

 開いた口が塞がらないというのはこの事だ。
 首裏がなんかぬるついて気持ち悪いし、そもそもなんで舐め回してたのこいつ? 気持ち悪い、もう何もかもが気持ち悪い。やばい、吐きそう。こいつと会ってから吐きそうと言う感覚しか覚えてない。そろそろマジで吐く。
 かちかちと鳴りそうな歯を食いしばって、身を捩る。逃げなきゃ。こんな風に縛ってくる奴に碌な奴はいない。そもそもこいつは元から碌な奴じゃない。けれど、頑丈に固定されているのか、どんなに身を捩っても、ベッドが軋んだ音を立てるだけだった。

「…………っくそ……!」
「デブタ、筋肉つけちゃったからさあ、本当は俺もこんなことしたくないんだよ」

 気を失う寸前、こいつは俺をデブタと呼んでいたし、今もそうだ。
 もう、俺があのデブタだってことはバレているんだろう。なら、もうどう取り繕っても無駄だ。
 俺は勇気を振り絞り、悪魔を睨みつけた。
 俺はもう、あの頃のデブタとは違う。
 ただ、悪魔の言いなりになっていた惨めな俺じゃないんだ。毎日走って、脂肪を燃やした。欲という物を捨てて、ストイックに過ごしてきた。それもこれも、全部こいつが原因だ。

「これ、外せよ……!」
「んん?」
「っから、これ、は、外せって……っ」

 ぐるぐるに巻かれた腕の拘束を、腕を振って示すと、志熊は不思議そうに首を傾げた。

「なんで?」
「な、なんでって」
「だってお前、俺の玩具だろ。玩具が勝手に持ち主から離れたらだめじゃん。なぁデブタ? 会いたかったよぉ」
「………………」

 にぃ〜、と不気味な笑みを浮かべて、志熊が言う。
 無邪気な顔で、お前今日から俺の玩具決定な、と、勝手に決定された日のことを思い出した。
 あの日から、俺にとっては地獄のような日々だった。
 直接的な暴力はなかったものの、クラスメイトから無視はされるし、陰口は叩かれる、物は消えるし、ばい菌扱いだし。でもそれよりも恐ろしかったのは……。
 目の前で笑う志熊の顔は、昔からまるで変わっていない。染みついたトラウマに、体がごめんなさい、と謝ってしまいそうだった。
 でも、俺はデブタじゃない。ここで頷けばまた同じ事の繰り返しだ。

「デブタって呼ぶな……っ」
「ん?」
「お、俺はデブタじゃない!」
「はぁ? デブタだろ。山本三角。そんな名前の早々いねえし」
「もう、太ってないし……っ」
「ああそう、それな〜、デブタお前さあ、あんなに丸くてころころしててフワフワで可愛かったのに、なんでこんな筋肉つけちゃったかなー、抱き心地がいまいち」

 至極残念そうに、志熊は開いたシャツの合間から、俺の腹筋を撫でてくる。生暖かい体温に、ぞわり、と鳥肌が立った。やめろ、触るな。気持ち悪い。
 なんでこんな筋肉、とか二度と言うな。お前が言ったんだろうが! デブに人権はないって、だから俺は……っ。

「触んなっ、気持ち悪い! 俺はもうデブタじゃないし、お前の玩具じゃない!」
「はいはい、わかったよ。デブタじゃなくてデルタって呼ぶよ。んじゃ改めてデルタ。今日からお前は、俺の玩具決定ね」
「…………っ」

 子供の時とまるで変わらない顔で笑う志熊に俺は血の気が引いた。拘束された腕の中で、拳を握りしめる。ふざけんな、ふざけんなふざけんな! 体の奥から、沸々と怒りが湧いてくる。どうして俺は、こんな男に振り回されなければいけないんだ。こいつのせいで何もかもめちゃくちゃだ。
 俺はもう絶対にコイツの言いなりになんてならない!

「志熊! ふざけ……っ! ひっ!?」

 口を開いた瞬間、男としての中心部をぎゅっと握られた。強い力で、少し痛い。

「ん? 何? ふざけ、なに?」
「は、離せ……はなし、は、離して……っ」

 強い力で掴まれた陰茎が、そのまま握り潰されるんじゃないかと思うと怖かった。だって、こいつならやりかねない。ぶるぶると震え青ざめる俺を見て、何故か志熊は恍惚の表情で俺の上に跨がってきた。
 それから、掴んでいた手を離すと、俺の制服のベルトを外して、チャックを下げてくる。

「な、なに、やめろっいやだ! 誰か! 誰かいませんか! 誰か!」

 脱がされる、と感じた瞬間、俺は大きく叫び、力を振り絞って暴れようとしたが、やはり腕も足もがっちり拘束されている。
 しかし、暴れて声を上げれば、外に居る誰かが助けてくれるかもしれない。そう思って再び大きく口を開いた。

「デルタ、うっせーよ」
「んぐっ……!?」

 口が、志熊の手のひらで覆われる。もう片方の手で、器用に俺の服をずり下げながら、眼前まで志熊がやってくる。

「あのね、ここ、特待生の部屋だから防音システムしっかりしてまーす。さっき言ったでしょ? でも、あんま五月蠅いと俺の耳が痛いから。静かにしてろ。な?」
「んーーっ! んーーっ!」

 俺が首を横に振ると、苛ついたように志熊が睨んできた。その目線に、俺の身体は凍り付く。

「おい、デブタ。もう忘れたか? 昔俺が言ったこと、また一から教えねえといけない? なあ」
「…………っ」

 デブタ、お前今日から俺の玩具決定な、と言われたその日から、俺は志熊に逆らうことを許されなかった。
 逆らっていいことなんて、一つもなかった。逆らえば、逆らう前より酷いことをされた。
 今の俺は、もうデブタじゃないのに、体にその恐怖が刻み込まれている。震える俺を見て、志熊がにっこりと笑った。

「もううるさくすんなよ?」
「…………っう……」

 気がつけば、俺は頷いていた。頷きたくなんてなかったけれど、無意識のうちに首が動いていた。
 どんなに体を鍛えても、体重を落として痩せても、脂肪を燃焼させて、外見を取り繕っても、陽キャのフリして、明るく振る舞っても、俺はあの頃のデブタからなんの成長もしていない。現実を突きつけられた気分だった。口から志熊の手が外されると、空気を吸うと同時に、涙が溢れてきた。どうして俺は、ずっとこうなんだ。
 こんな風にならない為に努力してきた、なのに……っ!
 ぼろぼろと溢れてくる涙が志熊のベッドのシーツを濡らすと、興奮気味に、志熊が嬉しそうに口元を押さえた。

「えっ、デルタマジぃ!? 泣いてんの!?」
「う……っるせ……っ」

 見るな。
 お前に見られたくなんてない。顔を背けると、まるでぬいぐるみに抱きつくように、志熊の腕と足が俺の身体をホールドしてくる。

「あ〜〜〜〜そうそう、その顔、やっぱめっちゃそそる……っ!」

 呼吸を荒げて、抱きついてくる志熊は変態そのものだったが、思えば昔からこんな感じだった気もする。
 気持ち悪かったので、俺は皆と徒党を汲んでいる方の志熊を覚えていたけれど、俺と二人の時の志熊は、こうして異常な態度を見せていたんだ。
 気持ち悪いからなかったことにしていた。思い出さないように、封印していた。でも、もう封印しておくことなんてできない。
 首筋に、志熊の唇が吸い付いてくる。

「はぁ〜〜、好き 好きだよデルタぁ、お前の肉から骨の髄までだぁいすき 愛してる こんなクソみてえな学校入れられた時は殺してやろうかと思ったけど、予定より早くお前に会えてうれしいよぉ〜

 音を立てて首筋に唇をつけられ、はぁはぁしながら訳のわからないことをうっとりした顔で言う志熊が、心底気持ち悪かった。その甘い声も、興奮した面持ちも、全てが受け付けない。鳥肌が止まらない。
 ああもう、段々思い出してきた。一つ思い出すともうなし崩しだ。
 そうだよ! こいつは昔からこんな感じだった! 受け付けないから、記憶から消していたんだ。
 好きって言うならどうしていじめるのって言う俺を見て、なんていったっけ? その顔が見たいからとか言ったんだよ。
 好きならいじめるなって思うけれど、こいつの好きはそういうんじゃない。俺のいやがる顔が好きなんだ。
 志熊の手が、服を脱がされた俺の陰茎に伸びてきた。

「こっちもちょっとは成長したね。あ〜〜あ、この地球を占めるデルタの体積が減ったのは悲しいけど、また増やせばいっか」

 恐ろしいことを言うな。訳わかんねえこと言うな。
 怖いなんてもんじゃない。脳に刻まれた純粋な恐怖だ。震えながら泣いていると、俺の陰茎を握る志熊の手が、ゆるゆると扱きだす。けれど、震える俺の息子は、未だ萎んだままだ。

「あれ? 勃たねえな」
「…………っ」

 勃つわけねえだろこの状況で。トラウマの元凶が目の前にいるんだぞ。志熊の手がしつこく俺の陰茎を弄る。けれど、何度扱かれても、結局俺のちんこは反応を示さず、俺は震えながら声を上げた。

「し、志熊! …………くん」
「ん?」
「その、て、手を、はな、離せ……ください」
「なにその言葉遣い。敬語か強く出たいのかはっきりしろっつーの」
「ひっ」

 ぎゅう、とちょっとだけ力強く握られて、再び体を縮こませた。頭の奥で心臓の脈打つ音が響く。うるさい鼓動に再び涙を溢すと、志熊が幸せそうに笑った。こいつは頭がおかしい。

「はぁ〜〜〜〜〜、ほんっと可愛いなぁデブタ 好き ああ、デルタか。ごめんごめん、間違えちゃった」
「…………っ」

 なんでもいいから、手を離して欲しい。けれど、俺の意に反して、志熊の手は再び上下に動き出した。

「……っ……!」
「ほーら、勃起、勃起」
「しっ、しないっ! いいから離せって!」
「いやするよ。だって教えただろ? なあ、さっさと勃たせろよ。は・や・く」

 『デブタ、お前これ知ってる?』
 『いや、僕は……』
 『やってみようぜ、俺がやってやるから――』
 頭の中で、嫌な記憶が蘇る。いや、霞がかったようにぼやけている。まるで、体が思い出すことを拒否するみたいに。けれど、されたことは体が覚えている。萎えていたはずの陰茎が、少しだけ反応した。その反応に、自分自身目を見開いた。
 志熊の唇が嫌な形を象る。
 俺は、ダイエット中は禁欲をモットーにしていた。
 いや、睡眠はちゃんと取ったけれど、食欲と性欲に関しては、なるべく取り過ぎないようにしていた。自制して、禁欲に励んだ。
 この年になればそりゃ自慰もするけれど、きっと俺は同年代に比べればする数は少ないと思う。
 自慰をするとき、なんとなく嫌な気分になったので、昔から好きになれなかった。とはいえ、すれば気持ちいいし、すっきりするから、しないことはなかったけど。
 でもそのせいか、他人に触られるということに、敏感になっていたのかも知れない。例えそれが、あの悪魔相手でも。

「っ…………!」
「少し硬くなってきたね」
「は、離……っ」

 ちゅこちゅこと音を立てながら、ぬめり気を帯びてきた手のひらが、俺の肉を包んで上下に扱かれる。こんな奴を前にして勃起することなんて絶対にないと思っていたのに、志熊に勃たせろと命令された途端、それに従わなくてはいけないという本能じみたものが先に来てしまった。未だに死んでいないデブタが、その命令に従おうとしているみたいに。
 だって、俺の中にいるデブタは、正しく志熊の玩具で、絶対服従だったから。少しずつ硬度を増していく自分の陰茎に、俺は歯を食いしばって勃たないようにしようする。萎えろ、萎えろ……っ!
 そう思うのに、意思に反して、少しずつ膨らんでいく。

「や、やめっ、……っ、あ゛っ、ぁっ」
「…………」

 志熊が笑っている。
 笑いながら、俺のを扱いている。五指で包み、亀頭を親指で擦られると、背中が仰け反った。喉の奥から空気が漏れる。無意識のうちに揺れる腰を固定して、にちゅにちゅと粘着質な音を立てながら、扱き上げる。

「ふっ……は……っ」

 体が熱くなってくる。なんだこれ、何してんだろ、俺。俺がくぐもった声を漏らすと、あろうことか、志熊は俺の陰茎を口の中へと咥え込んできた。

「ひっ!? な、なに」

 嘘だろ!? 男のちんこだぞ!? やめろ、と声をあげようと思うのに、情けない声ばかりが喉奥から漏れる。こんな、こんな馬鹿なこと。拘束された腕の拳を握り、首を横に振るが、志熊は舐めるのをやめてくれない。にゅるりとした舌触りが、ダイレクトに伝わってくる。オナホとか、使ったことはないけど、こんな感じなのかな。
 志熊の舌が、竿にはりつき、何度も舐めてくる。

「あ、ぁ……っや」
「ふぇんよあういっやっえ〜」
「……っ……〜〜〜〜!」

 咥えられた状態で喋られると一層脳みそが沸騰しそうだ。
 俺は何してるんだ。けど、何も考えられない、頭が馬鹿になりそうだ。雁首を舌先で擽られ、同時に手のひらで扱かれると、普段こういったことをあまりしてこなかったせいか、刺激が強すぎる。我慢ができなくなる。
 だめだ、自制しろ。我慢しろ。ここでイったら終わりだ。そんな気がして、俺は顔に熱が昇るのを感じながら、首を横に振った。

「やだっ! いやだ、あっ、あ゛っ」

 ちゅる、と先端を吸われた瞬間、頭の奥が真っ白になる気がした。

「あー…………」

 腹の上に、生暖かい物がおちてくる。
 志熊の唾液と混ざり合った精液が、俺の腹の上にじわじわと広がっていく。

「なんか溜めてた? オナ禁でもしてんの? すげー濃い」
「……………………」
「あれ? おーい、デルタ?」

 頬を手のひらで軽く叩かれるが、反応する気力すらなかった。
 なんでこんなことになったんだろう。俺はただ、あの頃みたいにならなければ、それでよかったのに。もうダメだ。学校やめよう。こいつが居るなら、紛争地域だろうが、国外に逃亡した方がまだマシだ。今すぐ離れて、親に連絡を取って、そんで……。
 頭の中で、逃げる算段をとっていると、頭上でシャッター音が聞こえた。慌てて顔を上げると、スマホのカメラを構える志熊がいた。

「…………っ!?」
「いいの撮れたよ」
「な……っ」

 ほら、と見せられたカメラの中には、拘束されている腕や足部分は見えない物の、局部はばっちり映っている、射精直後の情けない自分の写真があった。

「この学校さあ、マジつまんねえところだけど、結構高いところじゃん? デルタのお父さんお母さん、結構頑張ったんだろうね〜」
「……なに、なんの、話」
「学校やめたら、その金も、両親の努力も無駄になっちゃうよ」

 まるで、学校をやめることを決意した俺の心を見透かしたかのように、志熊が笑う。

「転入初日にこんな写真バラまかれんのも嫌だろ?」
「………………」
「俺もさ、せっかくデルタがここに来てくれたのに、居なくなって欲しくないんだよ」
「………………」
「はい、ここで復唱で〜す。デルタ、お前は今日から?」
「…………お、俺は……っ!」

 俺は、志熊の玩具です。
 なんて、口が裂けても言いたくなかった。でも、志熊が求めている言葉は分かりきっている。
 それに、志熊の言葉にも一理あって、この学校は周りには何もないけど、設備は結構いいし、カリキュラムもしっかりしてる。
 実際、入学金も高額だったらしい。もし、転校するとなれば、また金はかかるし、あんな写真がバラまかれれば、俺が思い描いていた学校生活は終わる。
 でも、だからって……!
 何も言えずに押し黙ると、志熊はにぃっと不気味な笑みを浮かべた。その笑みを見る度に、心臓が凍るような気分になる。

「なぁんて、うそうっそ! 俺、デルタに会えたから嬉しくてはしゃいじゃってた!」
「……う、嘘……?」
「そうそう、俺もさ、もう小学生じゃないんだし、玩具を欲しがる年でもないっていうか? いじわる言っちゃってごめんなデルタ〜」
「………………」

 こいつ、何を考えてんだ? 真意が読めない。どこまでが嘘で、どこまでが本当? 仮に、本当に嘘で、これが冗談です、って言って、済まされると思ってんのか?
 いや、でも、言われたとしても、きっと俺はそれを信じて忘れようとするかもしれない。本当は、こんなことされて許せない、悔しいって気持ちは勿論あるけど、それよりも関わりたくない気持ちの方がでかい。
 頭のおかしい奴には、基本的に近づかない方がいい。
 からからに乾いた喉が張りつくのを感じながら、俺は口を開く。

「ほんとに、嘘?」
「そ。うっそ〜、玩具なんてすぐ壊れるもんいらねえし、デルタは今日から俺の彼女ね」
「……………………………………は?」
「あ、男だから彼氏? どっちでもいっか。恋人!」

 俺の耳、死んだか? 耳が聞くことを拒絶している。けど、そんな俺の事なんておかまいなしに、志熊は続けた。
 間抜けな格好で目を丸くする俺に、志熊が笑う。

「デルタは俺のお嫁さんになるって、昔から決まってんの。本当は高校卒業してから迎えに行く予定だったけど、まさか転入してくるなんてな〜、これってもう、ほんっと運命じゃん?」

 ちゅ、と唇をあわせられ、俺は吐いた。
 めっちゃ吐いた。
 それと同時に、目の前が再び暗くなっていく。

 神様、いくらなんでも、こんなのあんまりだ。


終わり

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