番外編:女装の話(家)B


 化野が用意した布面積の少ない下着は、ほとんど紐みたいなもので、尻部分が丸見えだ。こんなのクラスの女子だって早々穿いていないと思う。化野は、こういう下着、自分で買ったのかな。どんな顔をして買ったんだろう。それともネット通販だろうか。
 割れ目部分に位置する中央の紐を引っ張ると、化野の指が穴に触れた。

「っひ……」
「ちょっと軟膏塗りますからね〜」
「………………」

 本当に軟膏なのかはわからないが、ぬめりを帯びた液体を纏った指が、ぬるぬると肛門の縁をなぞっていく。円を描くようにして縁に触れると、尻たぶを掴み広げ、塗り込むように擦られる。くるくると縁に馴染ませるよう触れていた指は、軟膏が継ぎ足されそのまま一本僕の中に入り込んできた。
 指にゴムでもつけてくれているのか、爪があたるような感覚はない。痛みもないし、圧迫感もない。ただ未だにむず痒いような、くすぐったい感覚が残る。
 腸壁を擦りながら、軟膏を塗り込めるように奥へねじ込まれる。

「っ……」
「ちゃんと自分で注射される準備してきて偉いですね〜、メイドさん」
「ち……」

 少しからかうような口調に、頬が紅潮する。まるで、僕がこうなると予見したことをからかっているようだ。
 でも、実際その通りになったし、化野の家に来る時なんて、こういうことしかしない。普通に遊ぶこともあるけど、そっちの方が稀だ。最初に準備しておいた方が、化野の家で準備をしなくていいし、人の家を汚さずに済む。だから、これはそういう訳じゃ……と、言い訳めいた言葉を内心つらつらと並べるが、化野に指摘されたことは事実なので、羞恥心が襲ってきた。
 だって、これじゃあまるで、こうされることを期待して準備しているみたいだ。

「……そんなんじゃない……」
「何が? 俺は偉いですね〜って言ったんだよ、はいご褒美」
「ンッ……!」
「気持ちいい? ここ、弱いもんね」
「ひっ、……っ……」

 中に入った指が陰茎側に曲げられ、こりこりと前立腺部分を押し潰してくる。含み笑いに、指が中を掻く。逃げようと腰を引くと、腰を掴まれて、化野の元へと戻された。

「小波さん、暴れたらダメですよ〜」
「や、やっ……っ……」

 執拗に同じ部分をぐりぐりと嬲られ、刺激される度に、僕は背中を仰け反らせ、声を抑える。だって、まだ指一本しか入っていない。これからもっと大きい物を受け入れないといけないのに、こんなところで体力を消耗したくない。だというのに、化野の指は、慣れた手つきで僕の中を弄ってくる。びく、と触れられる度反射のように身体が跳ねる。薄い膜を被った指は、抜き差しを繰り返し、ちゅこ、ちゅこ、と淫音を響かせながらノックしてくる。
 指が引き抜かれる度に、背中に鳥肌が立つような感覚。荒くなってくる呼吸を乱さぬよう口を抑えていると、化野の吐息と笑い声が上から振ってくる。

「どうですか? 痛くないですかぁ〜?」
「…………は、い……」
「血が出たら大変ですからねー、ゆっくりちゃんと広げましょうね。じゃあ指増やしますよ〜」
「…………っ」

 そのキャラ、いつまで続けるつもりなんだろう。化野って、こういう遊び好きだよなあ。変なキャラを演じるのが好きなのかもしれない。
 なんだか変な気分になってくる。こうしているのは、いつも通り化野なのに、服装がナース服なせいだろうか。なんだか倒錯的な絵面に、僕は奥歯を噛みしめた。
 うつ伏せになり、顎と胸の下に枕を敷いた状態でその上に身を預け、臀部を高く持ち上げる。中に入っていた指が二本に増やされ、押し広げるように中へと触れた。二本指がゆっくりと中に挿入され、指先を鉤状にして、そのままぐりぐりと前立腺を刺激する。当然のように僕の陰茎は反応するが、気付かないふりをした。
 
「ふっ……く……っ」
「あ、ここに触るとなんだかちょっと腰跳ねますね〜、お薬塗りましょうか」

 と言って、更に軟膏をつぎ足し、前立腺部分に塗り込むように擦りつける。無意識に引いてしまう腰をその都度化野によって戻された。そうしてしばらくの間、そのまま中を慣らすように広げられた。
 じっくりと見つめられる視線を感じながら、たまにかかる吐息に心音が脳へと響く。僕は、なんでこんな恥ずかしいこと……っ。この状況が異常だってことはわかるのに、二人しか居ない空間のせいだろうか、さっきよりも抵抗感は薄れている。化野が女装しているせいもあるかもしれない。
 僕も恥ずかしいけど、こんなことしている化野だって、十分恥ずかしい。

「もうちょっとお尻上げてくださーい、そうそう、いいですね〜」
「っん、っ……っ」
「指増やしますよ〜、ちょっとキツイですよ〜、どう? 痛いですか?」
「……い、たく、っない、です……」
「はは、優秀ですねぇ」

 からかいを含んだ笑いを聞かなかったことにして、意識を目の前の布団へと集中させた。
 今、目の前にあるのは、化野の部屋にあるベッドシーツだ。真っ白なシーツは、僕が掴み寄せたせいで波打っている。でも、仕方ない。だって、こんなことをしていれば、何だって汚れる。
 乱れた呼吸が吐息となって溢れる中、ちゅこっ、ちゅこっ、という水音が部屋に響き、顔がどんどん熱くなっていく。化野の指が、腸壁を擦りあげ、前立腺を押し潰し、軟膏で中を滑らせ気持ちいい所を刺激する度に、体がビクビクと跳ねる。足をぎゅっと握って、うつ伏せになったまま息を吐いた。熱い。顔だけじゃなく、体も全部。もじもじと動く腰が固定されて中を穿られる度に、あられもない声を上げそうになる。

「ふっ……〜〜〜〜……! あっ、あっ、や」
「あれ〜、小波さん、ここどうしました?」
「……っ……はっ……!」
「ここ、腫れてますよぉ」

 と、化野が勃起した僕の陰茎を、突然指先で突いて触れてきた。さっきからしていたけれど、今気付いたことのように、下着の中に手をくぐらせ、陰茎を指で挟んで扱いた。

「っ……あっ、あっ」

 紐のようなこの下着じゃ、当然隠せるはずもなく。与えられる刺激に、僕は大きく背中をビクつかせた。
 この体勢だと、どうなってるかは見えないけど、さっきから股間部分の風通りがいい。あの小さな布を押し上げていることなんて、見なくたってわかる。

「小波さん、どうしたんですか? これ」
「………………」

 僕は沈黙を貫いていたが、このまま黙っていることもできない。小さく拳を握って少しだけ振り返る。

「あ、化野……」
「ん?」
「っ、たっちゃった……」
「………………あはっ」

 小さな声で呟くと、嬉しそうな声が上から響き、再び後孔の中へと指が侵入してきた。さっきよりも早い速度でぐちゅぐちゅとピストンされる。前と後ろを両方刺激され、目の前で星がチカチカと揺れる。指で奥を突かれる度に、同時に声が漏れた。

「あ゛っ、あっ……!?」
「診察の最中に勃起するとか、とんでもねえドスケベメイドだな〜」
「な、違っ……!」
「エッチな気分になっちゃった?」
「…………っ」

 これはそもそも診察でもなんでもないし、僕の体を散々こうなるように躾けたのは他でもない化野だ。
 そりゃ、僕だって、こんな変態的シチュエーションで勃起するのはどうかと思うけど、でも、たっちゃったんだから、仕方ないじゃん……。
 喉の奥から出したい言葉を堪えていると、化野の指が僕の奥を穿りながら笑う。達しそうなところで手は止まり、中に入っていた指が、ぐぱ、と広げるように開かれると、空気が中に触れるようで、息を飲む。

「おー、イイ感じに解れた。丸見え」
「……っ……」
「正義ちゃん、自分の手で穴広げて」
「え…………?」
「そんで、ここに注射してくださいって自分から言ってよ。メイドさんらしく俺の事はご主人様とか旦那様とか、そういう風に呼んでさ。だってこれ、そういうプレイじゃん?」
「な……っ」

 そんな馬鹿みたいなこと、言えるはずがない。
 大体、僕はこのプレイに関して了承をした覚えはないし、服を着ればそれで終わりだと思っていた。これに付き合っているのは、あくまで化野があの写真を消すという条件つきだからだ。
 大体ナースなのかご主人様なのかどっちなんだ。設定もぐちゃぐちゃだし、するならせめて統一しろ。でも、化野にとってはそんなこと別にどうでもいいんだろう。
 ただ、僕を辱めたいだけで。達しそうで達せないこの状況は、正直辛い物はあるけれど、でも……。
 うつ伏せになったまま、僕は静かに首を横に振った。

「…………やだ……」
「なんで?」
「そりゃ…………言いたくないから…………」

 その時、背後でカシャ、というシャッター音が響いて、僕は慌てて振り返った。

「えっ……!」

 振り向くと、携帯のカメラを構えたままの化野が居て、僕は今の姿が撮られたのだと理解した。自分の顔から、血の気が引くのを感じた。だって、今のこの姿って……っ。

「な、なんっ」
「いいから、そのまま動くなって。な?」
「…………やっ……やめっ……!」

 混乱状況のまま再びベッドの上に押しつけられると、足で肩を押さえつけられ、すぐにポン、という撮影を開始するような音が聞こえた。えっ、いや、今の音、動画?

「いやだっ、やめっひ、っ!? あっ、やだっ、やだって……っ! やっ、あ、っう、っ……!」

 やめろ、と暴れようとしたが、すぐに化野の声が振ってきた。

「暴れんな」
「で、でも、動画……っあ、っやめっ」
「いいから、暴れんなって」

 さっきまでのチャラけた笑い声とも、ナースみたいな変なしゃべり方とも違う、少しだけ低い声。その声からは、僕の心臓をわし掴みにするような厳めしさを感じた。僕は足を動かさないように努めたけれど、再び中に入り込んできた指が、敏感になっていた中を弄ってくると、どうあっても身体は反応する。散々弄り倒されたせいか、あっけなく果てそうになるのを、必死で抑えた。

「んっ、ご、ごっめなさ、言うっ、言うから……っ!」

 いやだ、これでイきたくない! これも撮られてるのかと考えると、顔が再び熱くなって、目の前がじわりと涙で歪む。だめだ、これでイったら……っ!

「ふっ、はぁっ、あっ、あ゛っ、はぁっ、っ……!」

 ぐちゅ、ぐちゅ、ぐちゅ、とピストンと共に水音が響く。押し殺した声も、この音も、全部撮られてる……っ。イきたくないのに、我慢が出来ない。腰が揺れる、視界が滲んで、頭の奥が真っ白になる。気持ちいい、違う、いやだ、こんなの、こんな、こんなっ……!

「撮らなっ、撮るな……っ! ゃ、あ゛っ……〜〜〜〜〜っ!」
「おー、イッたイった」

 ぽん、と音がして、撮影停止の音が聞こえた。達したと同時に、体の力も抜ける。
 肩の押さえは外されたけど、そもそもこの押さえがなかったところで、碌な抵抗は出来なかったと思う。こんなの、ただの牽制で、本当に恐ろしいのは、化野が怒ってしまうことだ。
 呼吸を荒くして、ベッドの上に突っ伏すと、精液が下着の中に散ったのか、皮膚にはりつきぬるぬるする。多分、下着からも溢れて服についてるだろう。
 乱れた呼吸を整えようと息を吸うと、すぐに後ろから僕の声が聞こえてきた。

『ふっ、はぁっ、あっ、あ゛っ、はぁっ、っ……! 撮らなっ、撮るな……っ! ゃ、あ゛っ……〜〜〜〜〜っ!』
「…………っ!?」

 振り返ると、化野がさっき撮った映像を見せながら、にこにこと笑っていた。小さな液晶の中には、化野の指で無様に達する僕の痴態と、お尻が映っている。指が中を行き来する細部まで、ズームで撮られていた。青くなる僕を見て、黒い瞳をすっと細めて言う。

「大丈夫、あとでちゃーんと消すよ」
「…………」
「ね」

 ね、というその言葉に、色々な意味が込められている気がして、僕は息を飲んだ。逆らう、逆らわない。今僕の中には、二つの選択肢が用意されているけれど、そもそも、逆らえるなら最初からそうしている。
 選択肢なんて、一つしかない。これを選んだ瞬間から。
 僕のこの選択が、どんどん自分の首を絞めているような、逃げ道を封鎖しているような気はするけど、でも、じゃあどうしたらよかったんだ。
 映像を消したところで、似たような映像なんて、いくらでも撮られるし、化野に嫌われたら、あのクラスで僕は。

「…………化野」
「ん?」
「…………ちゃんと、消してね」
「勿論!」

 胡散臭い笑顔で笑うが、僕はそれに縋るしかできない。元々、一方的な取引だ。震える手を、先刻散々弄られた自分の尻穴へと持ってくる。再び、ポン、という動画撮影開始の音が聞こえて、僕は手を引っ込めた。

「化野!」
「後で消すって、いいから早く」
「…………っ〜〜、ぜ、絶対消してよ……」
「うんうん」

 徐々に荒くなる呼吸と、昂ぶる心臓の音に、爪先から顔まで真っ赤になりそうな程に熱い。どくんどくんという音が、耳の奥まで響いてくる。こんな、こんな変態みたいなこと、言うことがあるなんて思わなかった。

「ほら、早く」
「…………」

 震える手のひらで自らの尻たぶを掴むと、外側へと広げた。

「見えない。もうちょっと広げて」
「…………っ」
「うんそうそう、はは、すっげー丸見え」

 自分の穴が、ひくひくと震えているのがわかって、顔から火が出そうだった。最悪だ。泣きそうな程に小さな声で、言葉を紡ぐ。

「……ちゅ、注射……してください……」
「正義ちゃんは今なんだっけ?」
「…………っ〜〜〜!」

 半ばやけくそで、僕は声を上げた。

「ご主人様っ、僕のここに注射してください……っ!」
「う〜〜〜ん……」

 恥ずかしさで死にそうになりながら言ったのに、化野は何故か不満げだった。

「なんか違ぇな。やり直し」
「はぁっ……!?」
「メイドらしさがないよね。俺はちゃんとナースっぽく演じてたのにさー」
「なっ!? え、いや、ナースも違……っ」
「もっと甘えた感じでさあ、媚びてる風に言ってよ、ケツ振ってさ」

 お願い、と甘えた声を上げる化野の顔を、今すぐ殴ってやりたい衝動に駆られた。僕は、こんなに恥ずかしいことしてるのに……!
 怒りと羞恥心で震えていると、化野が僕の耳元で囁いてきた。

「もっとさあ、………………で、………………って」
「…………っ!? っそんなこ、とは」
「言えるよね? メイドさんは良い子だもんね」
「………………」

 化野に告げられた言葉は、さっきよりも頭がおかしい言葉の羅列だ。正直意味がわからない部分もある。どうしてこんなこと言わせるんだろう、と思ったけど、きっとこれも意味はなく、ただ僕を辱めたいだけなんだ。だったらもう、恥ずかしがった方が負けなのかもしれない。いや、恥ずかしいけど、ここでずっと照れていたら、化野の思うつぼだ。自分に言い聞かせる。そうとでも思わないとやってられない。
 頭を撫でられ、次は失敗しないでね、と言われて、僕は布団のシーツを強く握った。顔は熱いままだけど、少しだけ振り返って、無理矢理笑みを作る。
 尻たぶを掴み広げ、女性用の下着がついたままの穴を広げた。その状態で、上下に小刻みに腰を振る。
 ………………いや、考えるな! 考えたら終わりだ!

「ご、ごしゅじ、んさまっ……」
「なーに?」
「ぼ、ぼく、っ僕、の恥ずかしくてエッチなめっ、メスアナルに、ご主人様のちんぽを注射してお薬入れてください……っ」
「ぷっ……ははっ、あはははははっ! ほんとに言った! やべ〜!」
「…………っ……!」

 頭で考えてはみたものの、やっぱり、吹っ切ることはできなくて、言った直後に恥ずかしさに耐えきれず、布団の上へと突っ伏した。は、恥ずかしい。恥ずかしさで死ぬシステムがあるなら、多分今死んでる。
 大体メスアナルってなんだ。僕はオスだ! 羞恥心で涙目になる僕を見て、ゲラゲラと楽しそうに笑う化野の首を、今すぐ絞めたくなった。
 けれど化野は上機嫌で、カメラの停止ボタンを押してくれた。どうやら今のは化野の中で合格だったらしい。
 ほっと息を吐いたのもつかの間、ビリ、と音がしたと思ったら腰に手が添えられた瞬間、衝撃が襲ってきた。

「ん、お゛っ……!?」
「はい、ちゅ〜〜〜しゃ

 どちゅっ、と音がして、化野の陰茎が一気に僕を貫いた。その衝撃に前のめりになる僕の腰を掴み、化野がさらに腰を揺らした。パン、パン、と間髪入れずに激しく腰が打ち付けられ、僕は太ももがくっつくように足を閉じた。

「あ゛っ、ひっ、まっ、僕さっきっ、ひ、イ、イッたばっかで……っ! あっ……〜〜〜〜!」

 ゾクゾクゾク、という快感と衝撃が脳の奥へと走り、背筋に電撃が走ったような刺激が襲ってくる。散々ハメたことのある化野の陰茎は、僕の中にぴっちりと収まり、かと思えば勢いよく引き抜かれ、また深く穿ってくる。
 最初から激しく動かれ、ぱちゅぱちゅと肉のぶつかり合う音が室内で激しく響く。うつ伏せ状態で布団に突っ伏し、くぐもった声を上げていると、ぱちんとお尻を叩かれた。

「いっ」
「ほら、ちゃんと声あげろって。教えたでしょー、いい時は声に出して言えって」
「だっ……ん、ぃ……っ〜〜〜〜そこっ、あ゛っやっ、やぁっ、はひっ、ひっ、あ゛っ〜〜〜〜〜……そこっきもちっ、きもひっ」
「はいはい、ここがきもちーね〜、ぐりぐりー」
「うぁあ゛あ……っ! やっ……!」
「や、じゃねーっしょ」
「い、いいっ……!」
「そうそう」

 ぞりぞりと腸壁をえぐるように穿られ、亀頭で前立腺を強く押し潰される。一突きごとに頭の奥で、バチバチと細胞が死んでいく気分だった。引き抜かれる時にカリ首が前立腺を引っ掻いて抉り、押し進められると竿が中を滑っていく。密着した状態で腰を上下に揺さぶられたり、逃げようとすると平手でお尻を叩かれた。

「っから、逃げるなって」
「あ゛っ、やめっ、そこぐりぐりされるとっ、僕っ、ダメだって、変っ、変になるっから、はっ、あ――っあ〜〜〜〜……っ!」
「ここ?」
「っ――〜〜〜〜!? ひっ、っ……っ……!」

 ぐちゅ、ぐちゅ、と淫音と共に、中を刺激され、逃げようともがくと、学習能力がないとばかりに再び尻を叩かれた。その内、口の端から唾液が溢れ、僕の腰が気持ちいい方向に行こうと揺れる。

「あっ、はぁっ、きもちっ、きもちいっ、ンッ、ふ……っ」
「そうそう、素直になってきたね」

 ダメだ、ダメだダメだダメだっ!
 だってこんな、変態みたいな、こと、してるのに……っ! 化野のちんぽが僕の中を擦る度に、目の前がチカチカして、体の全部が沸騰するみたいに熱くなる。気持ちよくて、何も考えられなくなる。気持ちが否定したとしても、僕の体は浅ましく快楽を快楽のままに享受しようとする。
 変態だ、僕は……っ。

「あ゛っ、はあっ、ハッ、ふっ、う、あ、あ、あ、あっ」
「んっ、はぁっ……はっ……!」

 犬のような形で交尾して、犬みたいに舌を出して喘いでいると、化野の手が僕の肩を掴んだ。涙やら唾液やらで、顔がぐちゃぐちゃだ。前みたいにメイクしなかったのは、このせいなのかもしれない。

「ちょっと体勢変えよ、俺の上に座るみたいにそのまま股がって」
「ふ……っ、は、ひ……」

 身を起こされ、導かれるままに化野の上に腰掛けると、重力に従い、化野の陰茎が奥深くへと入ってくる。

「あっ、あ――……っ!」
「そのまま自分で腰振ってて」

 と言って、今度は化野の手が僕の胸へと伸びてくる。このメイド服の生地は、あまり丈夫な生地ではないらしく、結構薄くてペラペラしている。エプロンで多少膨らみは見えるけど、黒のワンピース部分は、特に上は下着も何もつけていないせいで、肌との距離は布一枚だ。化野はエプロンの下に手を入れて、隆起した乳首を摘まむ。

「……っ!」

 化野に弄られ続けたせいか、ここでも快感を得るようになってしまった乳首は、少しの刺激にも弱く、摘ままれた衝撃に喉元を晒し身体を仰け反らせた。

「あ゛っ……!」

 化野が囁くように耳元で言う。

「ほら、正義ちゃん、あそこの棚見て。おかめのお面が飾ってるでしょ」
「…………?」

 涙目ながら化野の言われた方向に目をやると、確かに普段は飾っていない場所に、ぽつりと一つだけお面が飾ってあった。化野の部屋にある、よくわからない物が沢山飾ってある棚だ。

「あれをさあ、ギャラリーだと思って」
「ギャラリーって……」
「意識して、見せつけるようにしてってこと」
「っ! ひっ、あ、化野っ乳首やめっ」
「メイドの言葉遣いじゃねえなそれ」
「……っ〜〜〜〜……!」

 黒い布の上からつんと尖った乳首を摘まむと、親指と人差し指で扱くようにごしごしと刺激される。布を一枚挟んでいるのに、その刺激は強く、抓り上げられると、無意識のうちに腰が浮かんだ。つんつん、と乳頭を突かれたかと思えば、指先で何度も弾いてくる。

「っ〜〜〜〜!」

 たまらない刺激に逃げようと腰を上げると、摘まんだまま体を沈められ、再び化野のが深く中に突き刺さった。

「あ゛っ――……〜〜っ!? ごめ、なさっ……あだし、っ、ごしゅじ、さまっ! ご主人様っ、ひっ、や、やめてくださ……っ」
「何を?」

 布越しに、膨らんだ乳首をぐりぐりと押し潰され、窪みを爪先でかりかりと引っかかれた。その度に、下半身に直結したように刺激が走る。知り尽くされた乳首は、化野の指に弱くやめて、と言ってもその願いが聞き届けられることはなかった。
 とんとん、と指先でノックするように触れる事もあれば、急に強く引っ張られることもあり、やがて触れても居ないのに少し布が擦れるだけで頭の奥が痺れた。無意識のうちに腰が揺れ、きゅう、と化野のちんぽを締め付ける。

「相変わらずここも好きだね〜、おっぱいメイドさん」
「っ……!」

 布越しでもわかるくらいぷっくりと勃起した乳首が、化野の手によって、胸全体を揉まれるよういに掴まれ、再びきゅっと摘まみ上げられた。

「あっ……!」
「で、何やめてほしいんだっけ?」

 乱れる息に化野が囁く。

「ち、乳首、触るのを……っ」
「え〜、でも好きじゃん。さっきからほら、こうされんの好き〜って感じで、俺のちんぽすげえ締め付けてくるよ。ほら、ほら」
「んあっ、やっ、あ゛っ」

 ぎゅーっと摘まみ上げられた状態で、先っぽをカリカリと引っかかれ、僕は内股を震わせた。ひくひくと収縮を繰り返す穴が、捲れたスカートの下で化野の物を締め付けている。羞恥心も徐々にぼやけてきた。早く解放されたい。
 もう、なんでもいいから、化野に達して欲しい。一回休みたい。気持ちいいっていっても、限度がある。はー、はー、と息を吐きながら、僕はとにかく言葉を吐いた。
 化野の望む言葉を、化野が言うとおりにしなきゃ、そうしないと、終わらない。

「ご主人様、お願いします……っ、そこ、触られると、変になるから……っ」
「変?」
「…………っ! むらむらする、から!」
「んじゃ、エロいキスしてよ、よかったらやめたげ……んっ」
「…………っ!」

 化野のその言葉に、すぐさま僕は体を捻って化野の唇に自らの口を重ねた。化野が少しだけ目を見開く。キスなら、何度もしてきた。上手いか下手かはわからないけど、やり方はわかる。唇を滑り込ませて、ちゅう、と化野の舌先を吸う。ぬるぬるする舌を絡めるようにして、僕は必死に化野の唇へ吸い付く。化野の手は僕の胸から動いていない。
 まだ、もっと。ちゅ、ちゅっ、ちゅぅ、と音をあげながら、角度を変えてキスをする。繋がったままキスをすると、頭の奥が痺れるような感覚が襲ってきた。一度離れた唇を再び重ね、唇を舌で舐め、もう一度キスをする。そうこうしているうちに、化野も興が乗ったのか、手が胸から離れ、僕の体を抱き寄せる。

「ん、は、ふぅっ、んっ……」
「はっ……正義……っ!」

 体を抱きしめられたまま、僕は化野とキスをする。吐息が漏れるのを気にも留めず、唾液を交わすような口づけを交わしていると、僕の中に入っていた化野の陰茎が大きく膨らんだ気がした。ようやく唇が剥がれると、化野は笑って、僕の顔を再びおかめのお面が飾ってある方へと向けた。

「……あっち見て、ちょっと腰上げて」
「…………?」

 言うとおりに腰を上げると、下から化野のが突き上げるように打ち付けられた。

「あ゛っ!? ……っ〜〜〜〜――!」

 両腕を掴んで引っ張られながら、化野のちんぽが中を穿ってくる。突然の刺激に、あっけなく僕のは達して、再び先っぽから精液が溢れ出た。もう、この下着は精液に塗れてぐちゃぐちゃだ。
 ピストンを繰り返している内に、下着が邪魔になったのか、化野は無言でショーツを下にズリ下げた。しかし、ガーターが引っかかって、留め具の外れたらしい。ばちっと音がして、太ももまで上がっていたソックスが少し下がる。けれど、それすらも構わず、化野が無言で腰を打ち付ける。熱い吐息に、僕は逃れるように飾ってあるお面を見つめた。じっと見つめるお面の笑顔が、僕を見て笑っているような気がする。
 けれど、もうそんなものどうでもよくて、今はただ、頭がおかしくなりそうなこの快楽に、身体を浸食していく感覚に、声を上げた。気持ちいい時は、ちゃんと口に出して、素直にそう言わないと、化野に、そう教えられた。
 言わないと、言わないと。

「あ、ぅあっ、ごしゅ、じっ、さまっ、あ゛っ、き、きもちぃ……っ」
「っ……あは、っ、どこがっ……?」
「中っ、ちんぽで、中、こすられっ、のっ、きもちっ……!」
「……っ〜〜〜〜……!」

 やがて、化野も達したのか、中で射精された感覚に、背筋が震える。中に入っていたちんぽがゆっくりと引き抜かれると、ぽっかりと穴が空いたような感覚に、僕は深い息を吐く。

「はーー………………っ」

 どく、どく、と体中を巡る血液の音が聞こえる気がした。僕は倒れたけど、化野は座ったまま、呆然としながら呟く。

「あーー、やべー、すげえもえた……」
「…………」
「すげーよかった!」

 力を無くして、ぐったりとベッドの上に身を投げていると、段々化野が嬉しそうに目を輝かせてきた。けど、僕はそれどころじゃない。
 ようやく終わった……、早くさっきの画像消させないと……、ぼんやり考えていると、次いで化野が口を開く。

「んじゃ、そろそろ衣装チェンジしよっか!」
「…………………………え?」


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