キュウの日記?


五月二日 金曜日 (雨)

今日も机の中にゴミが入っていた。朝から机がゴミ臭い。
ケータがいなくなってから毎日だ。
こんなことならあいつなんて助けるんじゃなかったかな……。
話しかけても皆に無視される。透明人間な俺。
もうやだ。

五月六日 火曜日 (晴れ)

戸崎に殴られた。植村と八橋が先生に見つからないように扉の前にたってたけど、どうせ先生はきてもなにもしてくれない。
ケータの時もそうだった。
俺は戸崎のストレス解消の玩具かなんかなんだろう。こっちのがストレスたまりまくりだっつーの。

五月七日 水曜日 (くもり)

体育の時間、戸崎に体育準備室に閉じこめられた。
戸崎死ね。先生も気づけよあのピチピチジャージが。

ケータは今日も、学校に来ないままだ。

五月八日 木曜日 (晴れ)

教科書がないので授業を見ててもしょうがない。
ずっとノートに落書きしていた。
ノートもぼろぼろになるから、ノートとっても意味ない。勉強は家ですればいい。
外はいい天気だから、学校やめてどっかいきたい。

五月九日 金曜日 (晴れ)

婆ちゃんが病気になったので、お母さんとお父さんが一日だけ福岡の方にいくらしい。
一人で大丈夫かって心配されたけど、一人の方が気楽だ。
明日は休み!自由!
戸崎とか植村や八橋の顔を見なくてすごくうれしい。あいつら死ねばいいのに。

五月十日 土曜日 (くもり)

今日は天気は微妙だったけど、本屋に行った。
マシュマロサンデーの新しい巻が出ていたので買って帰った。この話の主人公は特殊能力があっていいなって思う。俺も特殊能力があればいいのに。

今日は久しぶりにのんびりした日だった。
晩ご飯は目玉焼きを作って食べた。俺料理の才能ない……。

五月十一日 日曜日 (晴れ)

お父さん達が帰ってきた。三日くらい泊まってきてもよかったのにって思ったけど、お腹すいたから別にいいか。
お土産のお菓子を食べた。中がカスタードクリームのパイ。美味かった。
明日からまた学校……ゆううつだ……。

五月十二日 月曜日 (晴れ)

朝っぱらから戸崎に絡まれた。最悪だ。
俺がいやがることを知ってて話しかけてくる。なんか服の中に手突っ込んで乳首抓られて、植村がニヤニヤしながら写真撮ってた。キモイ、死ね。
八橋だけが微妙な顔をしてたけど、助けてくれないならお前も同罪だ。
話しかけてくれないクラスの奴らも。見て見ぬふりする先生もだ。
ケータはまだ学校に来ない。

五月十三日 火曜日 (くもり)

日記書くのも飽きてきた。
ケータが来なくなってから、書き始めた日記、ケータがきたらやめようと思ってたけど、あいつずっとこねーでやんの。
明日家に行ってこようかな。

今日はお母さんがバーゲンセールに行ったらしい。紫のラメラメ着てて、大阪のおばちゃんかって突っ込んだ。

五月十四日 水曜日 (晴れ)

ケータの家にいってきた。
でも部屋から出てきてくれなかった。
扉越しにもうすぐテストがあるっていったら、聞いてるのか聞いてないのかわからない返事だけ返ってきた。
俺が早く学校来いよ、って行ったらなにも返事はなかった。

家に帰って一人で桃鉄やった。つまんねえ。


五月十五日 木曜日 (雨)

机がなくなってた。いつものことだけど、準備室から持ってきた。
机運ぶ途中、先生に会ったので「どうした?」って聞かれたから、「なくなりました」って言ったら「そうか……」だって。
そうかじゃねーだろ。ハゲ。

五月十六日 金曜日 (晴れ)

今日も戸崎に殴られた。
顔は目立つからって腹ばっかり殴る。すごく痛くて、「ぐえっ」て言ったら、蛙が鳴いたぞ!とかって笑ってた。その後一日中蛙って呼ばれた。
お前らのケツにストロー差し込んで爆破してやりたい。

今見たら殴られたとこが青くなってた。前に殴られたところが紫で、その前のが黄色くなってて、なんかキモイ。

五月十七日 土曜日 (雨)

せっかく日記をつけることにしたんだから、日記を書くことにしたきっかけでも書こうと思う。

昔から、俺はケータと一番仲がよかった。
家も近かったし、何か行事や体育とかで組む時はたいていケータが一緒だった。
でも、二年の四月に入ってから、なんでかケータが戸崎達にいじめられるようになった。
最初は靴を隠されたりするいたずら程度だったのに、それがだんだんエスカレートしていった。
ケータは毎日殴られてた、俺は何も出来なかった。

戸崎は地主の息子だから、親が権力持っててやばい。あいつ自身は大したことないのに、親が強いから自分が強いと勘違いしてるんだと思う。
腰巾着の植村と八橋も嫌い。

でも、ケータのジャージがぼろぼろにされて、ケータが女子の制服盗んだ濡れ衣着せられて、さらには靴舐めさせられそうになった時、俺はさすがに我慢できなくなって、やめろ!って言った。
一時、巻き込まれるのが嫌で無視しようかと悩んでた時もあったけど、やっぱりケータは友達だったから。

でも次の日からケータは学校に来なくなって、俺はケータの代わりにいじめられることになった。

俺のなにがいけなかったんだろう。
ケータと俺の時で違うのは、ケータがいじめられていた時には俺がやめろって言ったけど、俺がいじめられている時には俺にやめろって言ってくれる存在がいないってことだ。

もうすぐテスト。
学校で勉強できないから家で勉強する。寝る。

五月十九日 火曜日 (晴れ)

お腹が痛いと言って学校を休んだ。
学校が終わってから戸崎が来た。プリントを届けに来たらしい。
プリントはマジックで真っ赤に塗りつぶされてて読めなかった。
もう一枚は死ねって書いてあった。おまえが死ね。

帰り際「明日休んだら殺すから」って言われた。俺に逃げ道はないのか……

五月二十日 水曜日 (雨)

仕方なく学校に来た。でも机がなかったから準備室にとりに行ってたら遅刻した。
先生が三者面談するから、希望の日にち掲示板に貼ってあるプリントに書いとけって朝のSHRで言ってたけど、三者面談の前にやることがあるだろハゲって思った。

帰り際戸崎にまた絡まれた。今度は服の中にどっから取って来たのか蛙を入れられた。しかも潰された。
小学生の男子かよ……こいつ本当に死ねばいいのに。

五月二十四日 日曜日 (晴れ)

今日はいい天気だ!
でも明日からテストだから勉強しなくちゃいけない。
古典と現社は大丈夫だと思うけど、数学と英語はやばい。
シャープ折られても大丈夫なように、何本か持っていこう。
そういえば、ケータは相変わらず学校に来ない。
テスト休むのはさすがにやばいと思うんだけど。
お父さんが出張のお土産にさーたーあんだぎ?ってのを買ってきてくれた。
美味しかった。

五月二十五日 月曜日 (雨)

古典と化学と現社と政経のテストが終わった。
赤点でなければいいと思ってる。戸崎もテストだからか大人しかった。よかった。
ケータは来なかった。あいつ、大丈夫なのかな……。

お母さんに聞いてみたら、他所のご家庭に突っ込むんじゃありませんって言われた。

五月二十六日 火曜日 (晴れ)

テスト終わった。


別になんの感動もない。みんなはしゃいでてうぜえって思った。
帰り道にマックよってこーとか言ってる女子に階段で転べって念じる。俺は戸崎にマック代とられたよばーか。
ばーか。
ばーか。

五月三十日 土曜日 (雨)

結局五月は一度もケータ来なかったな……。
もうそろそろこの日記もめんどくなってきた。
新しく買ったノートのページが全部破られてなくなってた。
別に、何もとってないからいいんだけどさ、くそ、戸崎め……。

六月二日 月曜日 (晴れ)

そろそろ衣替えの季節だ。
半袖になると殴られた痕が少し見える。でも誰も助けてくれない。
お父さんとお母さんには言えない。言ったら多分先生に言うだろう、けどどうせあのハゲは助けてくれないし、ちくったってまたいじめられる。
早くクラス替えしたい。

六月四日 水曜日 (晴れ)

学校の帰りに、ケータの家に寄ってみた。
お母さんは出かけてるみたいだった。
久しぶりにケータの顔を見たけど、結構元気そうだった。なんかほっとした。

俺が学校来ないの?って聞いたら、ケータはう〜んって言ってた。やっぱりまた戸崎にいじめられるのが怖いのかもしれない。
俺が今いじめられてるってケータに言ったら、ケータはどう思うんだろ。

六月五日 木曜日 (くもり)

八橋がうまい棒一本くれた。
珍しいこともあるもんだって思った。戸崎には内緒にしとけって言われたけど、頼まれなくても話さない。

でも帰り道に絡まれた。
戸崎に無理やり飯付き合わされた。当然のように俺の奢りかと思ったけど、意外にも奢らされなかった。

うまい棒はとられたけど。


六月八日 日曜日 (晴れ)

もうすぐ体育祭がある。
どうせ当日休むだろうけど。
体育祭とかなにが楽しいんだよ。

お父さんが居間で野球を見ていた。
「俺が野球選手だったらな〜」とか言ってたけど、それはないって思った。

六月十二日 木曜日 (雨)

やっべぇ!
いつものように準備室に机とりにいったら、戸崎たちがいて、そこで服全部脱がされた。パンツも。いつものイジメの一つだけど、すごくキモかった。戸崎が特にハァハァ言ってて超キモかった。
これならまだ殴られた方がマシだと思う。痛いけど。
植村が俺のこと押さえながら笑ってて、八橋のことはよく覚えてないけど、止めようとはしてなかった。
戸崎が笑いながら写メとってた。死ね。もうみんな死ね。


六月十三日 金曜日 (晴れ)

体育祭。俺は事情によりお休みって思ったけど、戸崎から「休んだら昨日の画像チェンメにしてクラスに流す」ってメールが来てたから仕方なく行った。
ご丁寧に添付には全裸の俺が泣いてる写真があって、気分が悪くなって消した。

戸崎は運動ができるから女子にキャーキャー言われてて死ねって思った。どうでもよかったけど、結局応援させられた。
八橋が心配そうな顔してた。そんな顔するくらいなら最初からいじめなんてするな。


六月十四日 土曜日 (雨)

休み。
休みの日は本当にうれしい。戸崎たちの顔を見なくてすむから。
お母さんにバーゲンに付き合えとか言われたけど、母親と休日にデパートなんて勘弁。

とか思ってたら明日つきあえって戸崎からメール入ってた。
無視したら画像出されて泣いた。これならまだ母親とバーゲンいったほうがマシ。
いきたくねえ……。


六月十五日 日曜日 (雨)

有り得ない。

戸崎にやられた。
男同士なのに、狂ってるんじゃないのかアイツ。
なんなんだよ!
死ぬ。
本当痛い。
死んだ方がマシだ。
マジ痛い。
もうやだ。
もうやだ。
もうやだ。

六月十六日 月曜日 (晴れ)

昨日は動揺して字がぐちゃぐちゃだ。でも今も同様している。
男同士でもレイプって言うんだっけ……。これって犯罪だよな。

学校は休んだ。お母さんが心配そうにしてたけど、バレるのは絶対に嫌だった。男に強姦されたなんて言いたくない。
学校は本当に痛いから休んだのに、戸崎からメールが来てて「明日は学校来いよ」だって。
ふざけんなよ。

死ね!

六月十七日 火曜日 (くもり)

がんばって学校行ったら、戸崎がいつもみたいにいじめてこなかった。殴られたり、机ぐちゃぐちゃにされたりしなかった。
でもトイレでチンポとか舐めさせられて吐きそうになった。こいつホモなのかな。
俺にあんなことしたんだからホモだよな。
これならまだ物ボロボロにされたり、殴られたり無視された方がマシだと思った。

八橋に顔がやつれてるって言われたけど、お前らのボスがやったんだよって言いたかった。

だいたい、お前もいじめに加担してんじゃん。
なんでつらそうな顔してんだよ馬鹿。

六月二十一日 土曜日 (晴れ)

昨日戸崎に誘われて戸崎の家に行った。
てか、連れてかれた。でかい家だったけど、あんま人はいなかった。お手伝いさんが数人いたくらい。両親は忙しいんだって。お手伝いさんとかどこのマンガだよ。
部屋に入ったら、裸にされて犯された。写真も沢山撮られた。
嫌だって言ってもやめてくれなくて、結局その日は戸崎の家に泊まった。警察に言っても、無駄だって言われて、俺は泣いた。
犯罪者が権力持つとろくなことにならない。もうやだ……。

六月二十二日 日曜日 (雨)

久しぶりにケータの家に行くと、ケータはいなかった。
出かけてるみたいだった。
学校には来てないのに、外にはでるとかどんだけ。
戸崎からメールが来てまた呼び出し。
でも昨日のでケツが痛かったので、フェラだけで許してもらった。

六月二十三日 月曜日 (雨)

今日も戸崎に犯された。
最近体が慣れつつあるのが凄く嫌だ。たまに気持ちいいとか思っちゃう俺が気持ち悪い。
俺はホモじゃないのに。
戸崎がなるべく早めに死にますように。

六月二十四日 火曜日 (晴れ)  

もうすぐ学校祭だ。うちのクラスはクレープ屋をやるらしい。男子が女子の格好して、女子が男子の格好をするとかいう、別に斬新でもなんでもないのに、何故かみんな盛り上がってた。
休みたいけど、どうせ休ませてもらえないんだろうな……。
休み時間、戸崎に呼び出されてキスされた。口の中がぐちゅぐちゅいってた。出来るならファーストキスは女の子がよかったけど、今更だって思って耐えてたら
「気持ちいーかよ? 淫乱」だって。気持ち悪い。死ね。

植村が女の子としゃべってるの見て殺意がわいた。幸せそうにしてんじゃねえよ。八橋もだ。お前らのボスってホモなんだぜ。ホモの手下共が。
そうやって見下すと、ちょっと気分が楽になった。

六月二十五日 水曜日 (雨)

今日から学祭の準備に入るので、授業はなし。
俺は隅っこでダンボール切ってた。クレープ屋の看板とか面倒なことまかされた、戸崎に。
クに濁点つけてグレープ屋にでもしてやろうかと思ったら、クラスの女子(かわいい)が珍しく話しかけてくれたのでやめた。名前はあんまり覚えてないけど、黒髪の清楚な子だった。
でもそれ以降全く話しかけてこなかった。

放課後なんか気に障ったのか、戸崎に呼び出されて準備室で犯された。
もうやだ。俺は戸崎のおもちゃじゃない。

お母さんが苦手料理の南蛮漬け成功した!って喜んでたけど、なんか辛くていらねーとか言っちゃった。ごめんなさい。

六月二十六日 木曜日 (晴れ)

ケータに会いに行った。今日はちゃんと家にいた。
すごく久々だ。

ケータに会うと、俺はいろいろため込んでいたものが爆発して、その場で泣いてしまった。
ケータ以外に人がいなくてよかったと思う。
「キュウ、どうしたの?」って言われても、なんかうぇうぇ言いながら「俺、おれぇ……」とかばっかり言ってた。
自分でも何言ってんのかわかんなかったしキモかったけど、ケータは静かに聞いてくれた。

そんで、ついに今日全てを話した。
俺がケータがいなくなってからいじめられたことも、戸崎に強姦されたことも。親にも先生にも言えないことも。
最後まで聞き終えると、ケータは悲しそうに「ごめん」とだけ言ったけど、俺は鼻声で自分が何言ってんのかわかんなかった。

でも、ケータに話しおえると、ちょっとだけ心が軽くなった。

六月二十七日 金曜日 (晴れ)

ビッグニュース!
ビッグニューース!
ケータが学校にキタ―――――!
マジびっくりした。
もうクラスの奴らもケータのこと忘れてて「誰?」って雰囲気だったけど、俺が駆け寄るとおはようって言ってくれて、ぶっちゃけ泣きそうになった。

朝誰かに挨拶されたのなんて久々すぎ。いつも無視されるか、戸崎達に小突かれるかのどっちかだったから。
戸崎がずっと睨んでたのが気になったけど、その日は久々にケータと話し込んだ。八橋と植村がなんか言ってたけど無視した。
二年にあがってから、久々に楽しい学校だった。
今まで助けてやったのに逃げた裏切り者とか思っててごめん、ケータ。

でもその日の帰り、戸崎に呼び出されて犯された。
口から「あー」っていう声が出る俺に、ずっとなんか言ってたけどよく聞き取れなかった。

六月二十八日 土曜日 (くもり)

今日はケータと遊びに行く約束だったけど、また戸崎から呼び出しがあった。

ケータにそれを話したら、一緒に行くって言ってくれた。
でもケータを連れていくと、またケータがいじめられて、今度はもっとひどい目に合わされそうな気がしたので断った。

戸崎はいつもより不機嫌そうで、俺がケータと一緒にいたって知るともっと不機嫌になって殴られた。
戸崎とセックス(って言っていいのかどうかは不明)するようになってから、あんまり殴られなくなったと思ってたのに。

その日、俺はいつもより激しく戸崎に犯された。
さんざん泣かされて、変な玩具を尻に入れられて、エロマンガみたいなセリフも言わされたけど、今はケータが味方だって思うと、気持ち的にはまだ楽。

六月三十一日 月曜日 (晴れ)

八橋に呼び出された。
珍しいこともあるなって思った。八橋はなんかケータとあんまり付き合わない方がいいみたいなこと言ってて、正直はぁ?って思った。
なんでいじめてるお前らの意見聞かなきゃなんねーんだよ。大体、戸崎と付き合う方がよっぽど危ない。
みたいなニュアンスを込めて言ったら「それはそうなんだけどでもあいつはやばい」とか意味不明なこと言い出した。
わけわからん。

でも最後に八つ橋くれた。京都に旅行に行ってたらしい。八橋が八つ橋くれるとかダジャレかよ。

八橋から別れて教室に戻るとケータがいた。
俺と離れたことでいじめられてないかちょっと不安だったけど、そんなこともないみたいだった。
ケータがどこいってたのか聞いてきたので、八橋に貰った八つ橋を見せた。
微妙な顔してた。やっぱそうなるよな。

七月一日 火曜日 (晴れ)

奇跡!
なんと今日は一度も戸崎が絡んでこなかった。
植村がなんか嫌味言ってたけど、戸崎のあれに比べれば植村なんてミジンコだ。微生物。
八橋もなんか言ってたけど、あんまり何言ってんのか聞こえなかった。

その日はケータとマック寄って帰った。
こうやって、学校帰りに友達と寄り道するのは久しぶりだ。

七月四日 金曜日 (くもり)

ケータが家に遊びに来た。
久々でちょっと嬉しい。マリカやってたらいつの間にか外が真っ暗になって、明日も休みってことで泊まることになった。
お母さんが喜んでた。
なんとなく俺に友達がいないことを察していたのかもしれない。

夜、ちょっとはしゃぎながら喋る。修学旅行の夜みたいだ。
俺が今この日記書いてるのもニヤニヤ眺めてる。なんか恥ずかしい(笑)

  ケータでーす^^

これ書いたのケータ。お前やめろよー

七月五日 土曜日 (晴れ)

ケータと近くの河原に遊びに行った。
俺らめっちゃ小学生っぽい(笑)
ザリガニ釣りとかマジ田舎!

あとから来た近所の小学生と一緒に遊んだ。楽しかった!

七月六日 日曜日 (くもり)

戸崎に呼び出された。
久しぶりだ、と思ったら顔に大きな痣作っててびっくりした。
「どうしたの?」って聞いたら「別に……」だって。
お前は沢尻か。
そのまま、また犯されるかとビクビクしたけど、そんなことはなかった。戸崎が何か言う前に、ケータが助けに来てくれたから!おま、すげぇ、ヒーローか何かか(笑)
ありがとうケータ、俺の親友よ!
戸崎はなんか舌打ちしてたけど、警察が来たらすぐ逃げた。
ざまぁ。

七月十日 木曜日 (晴れ)

もうすぐ学祭だ。俺もなんかメイド服を着せられることになってた。我ながらきめぇと思う。男のメイド服なんて笑うしかない。
でもケータは厨房だからメイド服逃れてた。ずるい。
最近、戸崎は学校にきてない。

八橋が似合うじゃんって笑ってた。そういう八橋もメイド服だったけど、俺は笑わなかった。
植村が戸崎知らない?って聞いてきた。
お前らが知らないのに俺が知るわけ無いだろ。

七月十二日 土曜日 (晴れ)

学祭!
笑いをとるためメイド服を着て覚悟をきめたのに、別にみんな俺に特に注目してなかった。
ケータは笑ってた。うるさいよ。

結局ケータとその辺の店を回った。期待してなかったけど、結構楽しかった。もうすぐ夏休みだけど、その前にテストがある。やべぇ。

七月十七日 木曜日 (雨)

テスト終わったー!!
なんかすごい解放感!
ケータとマックに寄って、そのあとゲーセンに行った。
チョッパーのぬいぐるみゲットした。チョッパーの声真似をしたらケータに似てねえ(笑)って馬鹿にされたから、お前も真似してみろよ!って言ったらすげぇ似ててちょっと引いた。

七月十八日 金曜日 (晴れ)

久々に戸崎から呼び出しを受けた。
でも呼び出された場所に行ったら誰もいなかった。悪戯かよ。
その後ケータからメールがきて遊びにいくことになった。

明日からいよいよ夏休みだ。
ケータと一緒に海に行くことになってる、楽しみだ!
通知票は見ないで食べた。俺はヤギ。メェ〜。
今これ書いてる途中でケータが遊びに来た。
今日からケータの家に夏合宿することになってる。
夏合宿っていうか、ただのお泊り会だ。

お母さんには迷惑かけるなって言われた。大丈夫だって。日記帳は持っていく。


七月二十日 日曜日

感動!
やべぇ、ケータの家の飯、すごい。
何がすごいって、なんかすごい。
うちの飯とぜんぜん違う、豪華。


俺の家が貧相ってわけじゃないぞ。
ただケータの家がすごすぎる。おにぎりの上に金箔ってどんなセンスだよ。どこのおぼっちゃまくんだって突っ込みたかった。だって金だぜ、金

七月二十一日 月曜日 (晴れ)

今日は二人でマリカした。
外でろよって話だけど、外は暑いから……。
汗だくになったから、二人で風呂入った。
なんか恥ずかしい(笑)けどすぐ慣れて水鉄砲で遊んだ、楽しかった。

七月二十二日 火曜日 (くもり)

夏休みの宿題を二人で片づける。すぐ面倒くさくなってなげた。
こんなのやんなくていーじゃん。将来には関係しないって!
結局その後二人ですいかを食べた。美味しかった。
種飛ばしをして遊ぶと、スイカの種をひとつ飲み込んでしまった。腹から芽が出るかも!?

七月二十三日 水曜日

サクランボの茎(根っこ?)を舌で結べるとキスがうまいらしいからやってみた。
五分でギブ。無理無理!
結ぶとかどんだけテクニシャンだよ。
とか思ってたらケータがあっさりやってのけだ。どんだけテクニシャンだよ。怖いわ。
携帯に戸崎からメールが入ってた。「今何処?」だって。何の用だよ……。
送信。

「ケータの家で遊んでる、もうメールしないでくれ」

七月二十四日 木曜日 (くもり)

公園に遊びに行った。気分は夏休みの少年。ってまんまだけど。
天気が悪いせいか、蝉はいなかったけど、バッタがいたので捕まえた。
何匹か捕まえて帰宅。昆虫採集!

家に帰ったらコレクションに加えようと思う。

七月二十五日 金曜日 

たのしい時間はあっと言う間にすぎてしまう。
俺はケータと一緒に布団で寝るとき考える、こんな時間が訪れるなんて、二年の最初の時は思ってなかった。
戸崎もあれっきりメールを送ってこない。
だから、もう写真で脅されることもない。
何があったのかはしらないけど、今はすごく幸せだ

七月二十六日 土曜日 (晴れ)

今日は二人でゲーム。
夏休みだっていうのに、あまり外にでない俺ら(笑)
引きこもりの現代っ子かよ……

七月二十七日 日曜日

レズものAVをケータが持ってきたので鑑賞会。
お前どういう趣味してんだよ。
まぁちょっと興奮したけど、レズものなのに男優のチンコがもろに映って萎えた。
レズものなら男出すんじゃねーよ監督。
男の俺が言うのもなんだけど、男とかいらなくないか

七月二十八日 月曜日

助けて

七月二十九日 火曜日 (晴れ)

宿題が終わらないんだ……

七月三十日 水曜日 (雨)

うちの学校の夏休み短くね?

七月三十一日 木曜日 

たすけてください

八月一日 金曜日 (くもり)

世界の中心で宿題を叫ぶのももう飽きた。
がんばって宿題終わらせよう。俺はやるときはやる男なのだ。

八月四日 月曜日 (雨)

ようやく終わった……。
俺はやり遂げた。

八月五日 火曜日 (晴れ)

明日からとうとう学校だ。
戸崎に会ったら、俺は、この日記帳を戸崎に渡そうと思う。
どんな顔をするだろうか。
今から楽しみだ。



八月六日

お前狂ってるよ、キュウを何処へやったんだ。


終わり

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