SCREW DRIVER



・ウォッカ30ml
・オレンジジュース120ml

大型のタンブラーにウォッカを注ぎ、
氷を加えてオレンジジュースで満たします。
軽くステアして、オレンジ・スライスを飾って完成。
口当たりが良く、度数が高い割に飲みやすい。
別名「レディーキラー」



 酔った勢いとか、酔った過ちとか言う言葉がある。

 まさか自分がそんな状況に陥る事になるとは夢にも思っては居なかった彼は、目前に眠る相手を前にして今、果てしなく途方に暮れていた。
 目の前の見慣れた寝台、そこで毛布にくるまって眠る相手は友人の友人だ。
 滑らかなうなじが、短く整えられた黒髪に繋がるその少年…そう、少年なのだ。男なのだ。
 だが、確かに昨夜、自分はコイツを欲しいと思った。あどけなく笑って好きだと言うこの少年に欲情した。
 だがまず、考えなくてはいけない最大の問題は、この少年が、昨夜酔っていたと言う事だ。

 つまり正気ではなかった。酔っ払いだったのだ。
 そして自分も酔っていた。

 その重い事実にうな垂れて、青年…平和島静雄は頭を抱えていた。

 そもそも昨日、何があったのか。 
 そう、まずは首無しの友人がきっかけだった。
 人ではない彼女…セルティは、幼馴染(変人)の恋人で、尚且つ池袋を駆け巡る生きる都市伝説、自分がまともに話の出来る数少ない貴重な友人だ。
 その彼女から、昼間、いきなりメールで誘いがあった。
『友人を集めて鍋をする事になった。良ければぜひ、静雄も来てくれないか?』
 タイミング良く仕事も終わった所だったので、成り行きで何となく、上司であるトムさんも一緒に参加する事になった。
 何処かで見た顔や、昔からの知り合い、そして高校生らしい若者達と、性別年齢問わずバリエーションに富んだ参加者に、どういう知り合いなんだと首を捻った。
 が、それを言ったら自分もそうかと思考を打ち切る。
【池袋の自動喧嘩人形】
 ありがたくも好きでもない異名は、どれだけ自分が嫌がっても外れることは無かった。
 返って因縁や喧嘩を売ってくる人間が引き寄せられてくるだけで、まぁそういう人間はぶん殴っても問題は無いので別に良い。面倒ではあるが今更だ。
 ともあれそういう事情なので友人は少ない。
故にこういった形の大勢での食事と言うのはなかなか無く、面映い心地さえ感じながら鍋を突付いた。美味かった。
そして具材の皿も片付いて鍋も一段落し、床に敷いてある座布団に座り幼馴染の新羅と同級生だった門田とだらだらと酒を飲みながら話し込んでいたのだが、いきなり名前を呼ばれて、背中に誰かが飛びついてきた。
「しーずおさん!」
衝撃に驚いて振り向いたが、背後には誰も居ない。と言うか背中が重い。くすくすと笑う声と共に、だらりと誰かがぶら下がっている。重くは無い、むしろ軽い位だがさて如何したものかと言う感じだ。
まずは背中の相手を確かめようとする、その前に『駄目だよ帝人君、静雄さんに頭からばりばりっと食べられちゃいますよー。』とへらへらした声が掛けられた。言葉の内容に眉根が寄ったが、こう言う人を食ったかの様なふざけた言い回しをする男は知っているので、門田と一緒に声の方を向く。
「お前ら未青年に何飲ましてるんだ…。」
「仕方ないじゃないっすか、帝人君が狩沢さんのスクリュードライバーをジュースと思って飲んじゃったんっすよー云わば不可抗力!」
「ごめんなさい、私がこれカクテルだって言っておかなかったから悪いのは私!って事ですみません、帝人君あっち行くよー。」
「んーやだー。」
 子供の様な口様でぎゅっとしがみ付いてくる細い腕に、ざわりと何処かがざわめいた。不快な感じでは無いそれに、コレは何だと疑問が浮かぶが、ともあれ何時までも背負っている訳にも行かない。
 手を後ろへ回して首の後ろ辺りを掴み、持ち上げるとするりと腕が解かれて素直に持ち上げられた。
 猫の子の様にてれんと脱力して片手にぶら下げられたまま、少年…竜ヶ峰帝人がくすくすと笑っている。セルティの友人だと紹介された来良の学生。先の二人の言葉どおり酔っている。
アルコールで薄っすらと赤く染まった頬は誤魔化しようが無く、酔っ払い以外の何者でもない。
 静雄が座った状態で腕を伸ばして持ち上げているから、持ち上げた帝人の足は床に着いている。が、自力で立とうとする意思は見られず全体重が静雄の右手に掛かる。その重さは思っていたよりも軽く、静雄は内心痩せすぎじゃねぇかと考える。
 ともあれ投げる訳にもいかず、手を離せば、そのままくたくたとその身体は崩れる様に座った。適当に並べられた座布団の上に膝を崩し、そのまま猫の様にふにゃりと前のめりに身を寛げる。
 上半身の行き先は静雄の膝だった。
 驚きに固まる静雄と、混乱で固まる周り。その静寂を貫いて、『すかー、くー』と言う規則正しい寝息が響きだした。
「どーもー、皆楽しんでるー?…ってナニコレ。」
 へらりと笑いながら現れたこの部屋の主は、言葉と共に眼鏡の奥の目を瞬かせた。一瞬考え込んだ後、新羅が門田の方へと目を向けるのは、未だに静雄が硬直から抜け出せていない、いや当分はそのままだと考えたからだろう。
「いや、何だか竜ヶ峰がジュースと酒間違えて飲んじまったみたいでな…あれだよ。」
「あー若い頃はそう言う事もあるよねぇ。まぁ具合悪いみたいじゃないから良いけどさぁ。で、そろそろこんな時間なんで適当にお開きにしたいんだけど、良いかな?」
「うちらは大丈夫っすよー、どうせ運転手居るし!」
「…コレ見終わるまで動きそうにもねぇけどな。」
 門田がコレ、と指差した先にはヘッドフォンを頭に嵌めた渡草の姿があった。大きなTVの前に座りこみ、セルティと新羅が撮り貯めた聖辺ルリコレクションに真剣に見入っている。
「あはは、まぁもし何だったら幾つかDVDに焼いてあるのを貸してあげても良いしね。で、問題は帝人君かなぁ…。」
 ふむ、と顎に手をやって思案しながら、規則正しい吐息を繰り返す少年の前に屈みこみ手首を掴み、脈を診る。更に顔の前でひらひらと手を振り、更にもう一度ふむ、と唸る。そして固まったままだった幼馴染にねぇ、と口を開いた。
「ねぇ静雄、帝人君そんな状態だしさ、君に彼の事頼んでも良いかな?」
「…あぁ?」
「いやね、どうせ君だってお酒飲んでるしさ。それならタクシー呼んで二人で乗って帰ってもらおうかなって。」
 少しだけ上の位置にある幼馴染の顔を見上げ、一瞬考えこんだ後に静雄の口があんぐりと開く。
「よろしくねっ♪」
 否とも応とも反応する隙を与えずに言い切り『セルティ、静雄が帝人君送ってくれるって言うからタクシー呼ぶねー!』と話を持っていくところはさすが竹馬の友と言うべきか。
 ツッコミを入れようとした静雄の手は止まり、膝の上の重みに戸惑って動くことも出来ない。
 この時にきっぱりと断らなかった事を、静雄は後に後悔と共に思い出す事になる。

 タクシーでマンションを辞して二十分ほど後、静雄は自室へ戻りシャワーを浴びていた。降り注ぐ暖かな水滴で洗った髪の毛をすすぎ、深く溜息を吐く。
 新羅が呼んだタクシーで、先に少年のアパートへと向かった。暗く寝静まった住宅街を通り抜け、目の前に現れた建物は今時には珍しい位のボロアパートだった。今時こんな壊れそうな代物に済んでいる人間が居るのかと住人であるはずの帝人を見下ろせば、すやすやと深い寝息を立てて居る。
 未だにその顔に酒気が赤い色をのせていて、病人ではないにせよ翌朝の事を考えれば部屋に放り込んでおしまい、と言う気にはなれなかった。
 後部座席を伺う運転手に向かって、このまま次に指定してある住所へ向かってくれと声を掛ける。
 お人良しの自覚はあるが、仕方が無いのでうちへ連れて行こう。
 自分なりの責任感に従って、その時、静雄はそう考えたのだった。

 そして昼の日差しの中で今、改めて思う。

 どうしてこうなった。

 タクシーを止めて、眠っている人間を運ぶ。極たまに酔いつぶれた同僚にやっている様に、相手の片腕を取って自分の肩に回し、持ち上げる。
 と、思い切りぶら下がった相手に驚愕する。
 冷静に考えれば、体格差的に当たり前の結果なのだが、酔っ払いにその理屈は通らない。
『何だコイツ!』
 そのコイツ、と言う言葉の中には小さいとか軽いとか暖かいとか良い匂いとか色々な感想が混沌としていたのだが、ともあれ割愛。
 歩くとぶらんぶらんと揺れるその状態が、流石に相手にも良くないだろう、と判断して、両手で抱え上げる。下手をすると関節を捻って痛めそうだ。
 取りあえず膝裏と背中にそれぞれ手を回し持ち上げる。すんなりと納まった少年の様子を窺い、特に問題なく眠り続ける状態に満足して歩き出す。
 客観的に見た自分の姿など考えもしない静雄は、何処からどう見てもアヤシイ状況…未成年を姫抱っこしているバーテンダー、と言うシチュエーションを考えもせず堂々と自分の部屋のある建物に入っていった。
 マンション前に止まっていたワゴンと、背後で響いた小さな音にも気付かぬまま。

「…何だ、やっぱ起きねぇか…。」
 眠る相手をベットに転がし、酒気と汗を流してきた静雄は思わず出た言葉に、慌てて口を塞ぐ。
 そっと様子を窺っても、起きる気配も無い事に安心する。が、反面がっかりした気分もある。
 もしコイツが今起きたら、どんな反応をするだろうか?
 少年は珍しい、と言うか自分に対して物怖じしない、初めての相手だった。その目にあるのは好意と好奇心、そしてもしかしたら憧憬と言って良いだろう。
 静雄に取って、自分の異常までのな膂力を知って尚、そんな反応をする人間は初めてだった(幼馴染のヘンタイは除く)。
 興味を抱かない方がおかしい。
 …自分が彼に対して知っている情報は少ない。
 来良学園に通っている事。独り暮らしをしている事。物凄いオンボロアパートに住んでいる事。酒に弱い事。
セルティの友人であるという事。何だか良い匂いがすると言う事。
 そこまで考えて、ふと何の匂いなのだろうと言う疑問が浮かんだ。髪の毛は真っ黒で、染めも脱色もしていない。艶やかなその様に生真面目さを感じながら、はなたれる芳香に違和感を感じる。
 屈み込む様にして、顔を近づける。鼻を鳴らして匂っても、首筋や手首など、香水を擦り込む定番の場所からは先の香りはしなかった。では何処から、と首を捻る。捻りながら少年の顔の方へ向けば、唇から『それ』は放たれていた。
 柑橘系の匂い。果物の匂い。
 ああ、そう言えば飲まされたと言っていたカクテルもジュースを使った物だったなと合点がいく。
 仕方が無いから、このまま寝かせておくかと思いながらその首筋に手を伸ばす。
着替えさせるまではしないが、せめて襟元を緩めてベルトと靴下位は脱がせておいた方が良いだろう。締め付けておくと翌朝にはむくむ可能性がある。若いから関係ないかもしれないけれど、飲酒をしているのだから用心に越した事はない。
そう思っての行動だった、筈だ。
ぽつぽつと外したボタンと、自然に開かれた襟元の白さに、ごくりと息を飲む。何だか妙な気分になりながら、ついついもう一つ、と指が滑った。
三個目、四個目と、小さな円盤を外す度に何処か夢中になりながら、現れたその胸板に目が惹き付けられた。
未成熟な滑らかな肌。筋肉は薄く、アルコールで体温が上がった分、うっすらと汗の匂いがする。とは言えそれは同性の据えた匂いと違い、不快な感じはなかった。
ふんふんと鼻を鳴らして体臭を嗅ぎ続ける中、ふとその肌に舌を伸ばしてみた。ぺろり、と味蕾にのったその味はうっすらと塩味がしたがどこか甘さも感じて、それ以上にその肌の滑らかな感覚に驚く。
相手が眠っているのを良い事に、訳の分からない衝動を我慢せずに舐め上げる。べろりべろりとその動きは大胆になり、遠慮も無くなっていく。べろり、と大きく舐め上げた舌先に引っかかる物を感じて顔を離す。先刻までは淡い薄紅色で柔らかだった小さな胸の飾りが、ふっくりと立ち上がって血を孕み、固く自己主張していた。男でも刺激されるとこうなるのか、と初めて知った知識に驚きながら、そのままそこに吸い付いてみる。立ち上がっているとは言っても、やはりそれは男のモノなのでとても小さく、舌先で捕えようとしても滑ってしまう。仕方なく歯先で挟み込んで固定し、そのまま吸い上げてみる。ちゅうちゅうコリコリと夢中になる中、ふと感じた気配に顔を上げれば少年の目が開いていた。
どこか茫洋とした眼差しで胸に吸い付く静雄を眺め、その舌先が何を咥えていたのかを認識してぱちくりと瞬きする。
その動向に目を奪われたまま、焦りもせず相手の行動を静雄は待つ。
「…そんなトコ舐めても、オッパイなんか出ませんよ…?」
 ぼんやりとした帝人の声が、どこか当ての外れた嗜めを口にする。夢を見ているとでも思っているのだろうか、いや確かにそう考えないと辻褄が合わないのかもしれない。
「…出なくても美味いぞ?」
 正確には楽しい、と思いながら再び静雄は顔を伏せてまた相手を舐め味わう作業に戻った。酔っ払いと言うものは、自分に正直だ。理性も常識も働かず、衝動のままに静雄はまだ味わってない場所はどこかと考え、ベルトに手を掛ける。
 無心な行動でありながらその実身体はきっちり興奮していて、そのくせ自身は認識していない。パジャマの下半身を膨らませつつ、そんな気配を見せない無心な表情で今度はチャックを下ろしてみる。
 そんな相手に、どう反応するべきかと帝人の目に逡巡が浮かぶ。下着をずらしてみると流石に少しだけ恥じらいの色が見えて、静雄の背筋をぞくりと痺れが奔る。
痺れが走った後に、下半身にずしりと重い興奮を感じて、体の状態と下着のキツさを認識する。
 興奮している、起っている。
 ナニが起っているからには、出来れば本当は誰かの胎内に吐き出したいと思うのは、生き物としての本能だ。
 そこまで自分を興奮させて、尚且つここに居る他者は彼しか居ない。
 それを認識した後の静雄の行動は、動物的としか言い様の無いモノだった。
 何も言わずに、帝人の口に口付ける。舌を捻じ込んで呼吸を奪い、舌を絡めあう。反応の鈍い舌をぬるぬると弄り、自分の口内に吸い上げて、びくびくと痙攣する肉を感じながら、歯を立てる。
 濡れたままの小さな乳首は摘み上げる様に指先で挟み、捏ねて転がしてみる。段々と増す弾力に悪戯心を起こして、潰すように指の腹で挟み上げる。
 左右同時にそんな事をされて、思い切り舌を吸い上げられて流石にその身体が大きく跳ねた。流石にその動きは追いきれず、口も指も離れる。跳ね上がった身体は硬直の後の弛緩にぐったりとベットに倒れこむ。
 ぎしりと音を立てて、まだぼうっとした眼差しの少年の上に静雄は身体を寄せた。
「なぁ、良いか?」
 やりてぇんだけど、良いか?犯しても良いか?
 女であれば空気を読んだだろうが、相手は同性で、寝ぼけていた。それを薄っすら認識した上で、静雄は無意識にその言葉を選んだ。
何故なら、実の所、止める気は全くなかったので。
「…はぁ…?」
 返された疑問の声を無理矢理承諾と解して、下半身に顔を伏せる。ずらした下着の中からほんのりと芯をもちかけた幼い性器が覗いていて、迷い無くそれに吸い付く。唾液を絡ませて舐め上げれば直ぐにそれは張り詰めて、頭上では『っぁあ、あんっ』と悩ましい囀りが響き出していた。とめどないそれには抑制も恥じらいも無く、やはりまだ酔いが残っているのが知れる。
 邪魔なズボンを全部引き下ろし、床に放る。下着も同様だ。ちゅぽん、と育ち切った性器を吐き出して見れば、涙を湛えた眼差しが懊悩に揺れて自分を見上げている。
 その快楽を強請る視線にゾクゾクしながら、静雄は帝人の両足を掴んだ。抵抗無く開く膝を抱え上げて、ふと悪戯心で太股の内側に吸い付く。びくん、と震えた肌に舌を這わせながら唇を離せば、赤く鬱血した印が刻まれていて酷く満足した。
 先走りを垂らして震える男根と、柔らかな皮に包まれた陰嚢。ふるふると震えるその二つの下にある窄まりを露わにする為に、掴んだ膝を持ち上げて折り畳み、腰を上げさせる。丁度ベット近くに置いてあった救急箱を探り、傷用の軟膏を引っ張り出して、濡れない何処をほぐす為にゆるゆると表面に塗りたくった。他人にそんな場所を弄られるムズ痒さに耐えながら腰を捻る動きを手だけで押さえ込み、つぷつぷと指先を鎮める。
「っ、や…ナニ、してるんです、かぁっ…?」
 見えない所に何かされている事だけは分っても、理解出来ない故の疑問が切れ切れに放たれる。
 指先だった筈の弄りが指の全長を飲み込んで、そのまま新しい指を咥えて呑み込む頃には言葉は口に上がらなくなった。
 痛み無くゆるゆると施される指戯に帝人の後口は解れ、柔らかくその蹂躙を受け入れていた。幼い身体はアルコールの助けも受けて、夢現の忘我の淵で甘く喘いでいる。
 ずるりと指を抜き、静雄はその身体を引っくり返した。四つん這いにベットに這わせて、枕にしがみ付かせる。
 素直に従う身体に幸せそうに笑って、そしてぐいっと己の性器を引き摺りだした。寛げた寝巻きから覗くそれは赤黒く脈動して、限界が近かった。
 滑らかな背中に重なり合いながらその首筋に口付けを落とし、腰を右手で握って固定し、左手で砲身を解れた入口に擦り付ける。ぬちゅぬちゅと触れる熱に違和感を感じた帝人が身体を離す間もなく、静雄はぐいっと強く腰を突き出した。
 ずるり、と一気に粘膜に全てを打ち込んで、深く溜息を吐く。包み込み、迎え入れて、震える熱い粘膜が心地良い。腰骨に両手を当てて、衝動のままに腰を打ちつけ、性器の抜き差しを開始する。粘膜で己自身を扱いて、種付けする為の動き。動物的な衝動に突き動かされ、組み敷いた身体から零れる喘ぎに煽られて静雄は何度もそれを繰り返した。

 実の所、帝人も気持ちよかったのだ。後ろを抉られつつ、性器を嬲られて喘いで、夢だと思うから、素直にこんな異常な状況を受け入れた。静雄に触られる、全ての場所が気持ちよかった。

 目が覚めて、全てが夢でない事を身体に教えられた。腰が痛い、頭が痛い、そして考えもしなかった所が痛い。
 ぬるぬると湿り気のある尻の狭間に、眉間まで痛みを覚えながら思う。
 
 どうしてこうなった。

 奇しくも同じ事を相手が考えているなど知りもしないまま、少年と男は背中合わせにベットで頭を抱えていた。

 相手の事で頭が一杯になって思い悩む。
 それがある意味、答えなのであるとは知らないままに。


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