ＫＫ×ＫＫ【T-４】
ぽたり、ぽたりと蜜が零れて、クッションに沁み込む言葉がきれぎれの単語になる頃には根元まで舌を押し込んでも支障が無いぐらい解れていた。ちろりと覗くその内のつやつやと潤んで蜜を垂らす紅色の肉に、理性が飛びそうになる。いや、ふっ飛ぶ。
「入れ、るねっ！」
許可を求める余裕も無く、掲げられた腰に覆いかぶさって自分を押し込んだ。ぬるりと自身が咥え込まれる感触に総身がそそけ立つ。思考が全部下半身に持っていかれそうな位、キモチ良い。
「あ、ああっや、何コレっっ」
それはケンジも同じ様で、腰を揺らせば熱く湿った吐息を漏らすが痛みの気配は無い。身の内の感覚に振り回されて、焦る様に悲鳴の様な声を上げる。
その甘さに煽られて項に舌を這わせ、ぎゅっと歯を立てた。
びくん、と震えたその頭が恐々と動いてこちらを見上げようとする。その見上げる視線にそっと笑いかけてから、強く、腰を打ちつけた。
「あー、やだ、止め、てっあう、あーっ！」
汁気のある湿った水音と甘い泣き声。
クッションに押し付けられたケンジの横顔からは、切れ切れの制止の言葉と言葉にならないあえぎ声が零れる。
だが言葉での制止と矛盾する様に身体はカズマ自身を迎え入れ、こんこんと零れる蜜は動きを助け、内の肉襞の蠢きは優しく甘く、ひたすらに煽られて貪る様に打ち付ける。
「も、やだカズマくん、っいから、あっ」
いっその事、どろどろに熱いカラダが触れ合った部分から一つになってしまえれば良いのになどと浮かされた頭で考えながら加速するリズムを刻む。
「あ、ああぁっ、っーーーっ！」
不意に切羽詰った悲鳴が上がり、押し込んだカズマ自身がぎゅっと食い締められる。ぶるぶると眼下の小さな身体に力が込められて、その脳味噌が焼き切れそうな位に気持ちが良いその状況に、たまらず吐精する。
「ーっ！」
はぁ、はぁ、と短な息を吐いて整えながら、そっとケンジの頭に唇を寄せる。ふわりと湿った熱の匂いに少しだけ熱の再燃を感じながら、それ以上に愛おしくてちゅっと口付けて、鼻を擦り付ける。
「…っ、ぼ、僕大丈夫、でした…？」
不意に眠っているかと思っていたケンジから質問が放たれた。内容を理解出来ずに、少しだけ呆気にとられる。
「んー、ケンジさん最高。大好き。」
何に対しての大丈夫、なのかが分からずに正直な感想を述べれば真っ赤になってあうあうと口ごもる。
その可愛らしさも、最中の泣き顔と気持ちよさも全部良い。ホントに最高。
そんな事を思いながらカズマはケンジをぎゅっと抱きしめて、またしようね、など冗談めかした本気を甘く囁きながらさて、と現実的な事を考える。
目線の先にある扉は多分、浴室なのだろう。
けれど、あそこで自分はちゃんと用が足せるんだろうか？そもそも入る事が出来るのだろうか？などと、扉の大きさそのものに不安を覚え、次の時は自分の部屋で、等と考えるのだった。
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