KK×KK【T-3】





 小さなその鼻に、自分の鼻をくりくりと擦り付ける。体温が上がった両方の身体からは体臭が少しだけ強くなっていて、煽られてくらりと眩暈がする。。
「ねぇ、ケンジさん…駄目?」
 ぎゅっと強く抱きしめて、尻尾の方まで自分の身体に押し付ける。ふっくらと膨らんだ尻尾に熱を持ち始めた下半身を押し付けて問いかける。 
「っ!」
 告白した後の先まで考えていなかったんだろう相手が身体中カチンコチンに硬くなるのを予想通りだなぁなんて胸の中で笑う。勢いのままに行動する割には相手の心や性的衝動なんてものには疎くて、本当に可愛い。
「…あ、あ…コレ、って、」
 ぎゅっと胸に手を置いて背中を反らし、下の方をケンジが見ている。尻尾は動いていないから彼の位置からは結局何も見えない筈なのだろうけど、押し付けられているそこが一体何処なのかを理解するには十分だ。
 普段からTシャツ一枚のケンジの下半身に何もないのは知っている。夏のあの大騒ぎの中で急造されたゲストアバターなのだから仕方ないが、デフォルト(無性)の状態でこの小さな身体だと、なんだか酷く背徳感があって、小さな子供に悪い悪戯を仕掛けている気分になる。しかも自覚してしまった分、歯止めが効かなくてどうもいけない。
 布越しとは言え柔らかくて気持ちいい感触に煽られて、熱を持っていた自身がぎゅっと固く張り詰めるのが分かる。熱を押し付けられて逃場の無いケンジはと言えば、ひっと息を詰めて怯えて、言葉も無い。
 見開いたままの目を見つめながらその顎に指を添えて口付ける。舌で唇をなぞれば、数回の繰り返しで分かったのかふわりと緩んで中に迎え入れられたので、お礼に小さな舌をざらりと舐めあげて絡める。びくびくと身体が震えるが、素直に応じてくれて逃げの様子も無い所を見ると少しは気持ち良いと思ってくれているのだろうか。
 身体を支える手をそっと下の方へ滑らせて、尻尾の付け根、臀部を下から支える様に持ち上げる。無性であってもある程度までは生物を模している筈とそっと掌で探れば、小さな肉の窄まりが毛並みにひそりと隠れていた。
 すり、と人差し指の表面で擦れば周りより一段と柔らかな感触が感じられる。ぷにぷにと弄べば心地よく、ゆるゆると円を描くように擽れば、むずかる様な応えはあったが拒否はなく、むしろ強請る様にしゅるりと尻尾が腕に絡み付いてくる。
「もしかして、キモチ良い?」
口付けから開放して、ふぅ、はっと短い息を吐き出す頬にすりすりと頬擦りをすると、真っ赤になったケンジが言葉に詰まり、暫くしてこくんと頷く。
 ゆるゆると回す指の腹の動きに同調する吐息とまさかの肯定に、ちょっとさすがに驚いて、次の瞬間にはかーっと胸が熱くなる。
 ああ、本当にもう、可愛い。
 そっと指を立てる様にして、今度はきゅっと中心を押してみようとすると「ぴっ!」と声にならない音が咽喉から漏れる。
「何、痛い?」
 様子を伺いながら問えば、
「痛くは無いんですけど、爪、が、」
ちょっと恐い、と返事が返る。少し考えて、そのまま爪先をめり込む様に押し付けたままくりくりと小さく動かす。痛くは無いのだろう、今度はきゅ、とか小さく声を上げて胸元にしがみ付いて来る。不意につるりと指先が滑る。何かぬるりと液体が指先に絡んで、動きを助けて来る。
「ケンジさん、ちょっとこっちに来てね。」
 傍らにあったクッションを引き寄せて、ぽすんとうつぶせにケンジをのせる。尻尾を持ち上げる様に付け根を覗き込めば、ふっくらと柔らかく充血した蕾の中からとろりと蜜が零れていた。
「…っ。」
 無性でも濡れるんだとか、感じてくれたのかとか思考はぐるぐると駆け巡ったがもう言葉にならない。圧倒的な歓喜が脳裏を埋め尽くす。
 衝動のままに口付ければ、上の方で「い、ぁ、やだぁぁぁ!」と泣き声交じりの悲鳴が上がったが、止められなかった。吸い付く様に口付けて、ずるりと舌を押し込むとぬるぬると熱い狭間が蠢いて締め付けて来る。逃げる腰が持ち上がる様に動くのを幸い、そのまま腰の左右に手を置いて持ち上げる。空中で後ろ足を足が必死にじたばたともがいているがそのまま舌を動かせば応じる様にビクビクと揺れるだけになる。



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