欲しい望むと書いて欲望-4

「何で?」
 ぽろぽろと涙をこぼし始めたリスを冷静に観察しながら、兎は問いかけの言葉を投げた。その赤い瞳は熱を孕んで、とろりと溶けた様に潤んでいる。
 ジリ、と音を立てて下げた下衣の合わせ目からは覗く陽根は痛々しい位に赤く剥けた肉塊で、それは人型の形(なり)をしていながら彼も結局は獣なのだと言う事を示していた。

 ビクビク、ざわざわっと小さな痙攣の様にはしる毛の逆立ちの間隔が狭まりその時が近いことを教える。ソレが一体何なのか、やっとケンジにも分かったのだろう。今彼が流している涙は羞恥だ。ソレが恥かしくて恥かしくて、必死にここから逃げたがっている。だが、必死に感覚に耐えるその小さな手がソファの布地にツメを立てても、焦る体が逃げる様に身動ぎをしても、結局はカズマの片手だけで簡単に押さえ込める。
 逃がさない。
「駄目、ダメ、でぅ」
 呂律が回っていない口が、涙に濡れた目が必死に自分を見ている。
 手を離して。でなければ見ないで、と。
「何で?」
 笑いながら声をかけて、その小さな右足を口に咥え込む。じゅるりと舌を絡めて啜り上げると、ひぃっと息を詰めて、その全身が大きく震えて跳ねた。
 その動きで自分から腹をカズマの手に押し付けてしまい、そのまま長く身体を震わせ続けて泣き顔がぐしゃぐしゃに歪む。
 その間も、じっとカズマの視線はケンジの足の付け根に注がれている。
「だ、だって出ひゃう、から」
 顎を上下して甘噛みすると、柔らかなその感触は甘い果物の様でくしゃっと簡単に噛み潰せそう。かすかに肉食動物の気分を味わいながら、指と肉球に舌を絡め、言葉の先を促す。
「お、腹押さ、ないでっ」
 不規則に波打つ腹の下、足の付け根にぽちりと小さな赤い点が浮かぶ。ケンジは必死に歯を食いしばり、咽喉を反らして全身に力を込めている。不慣れな、多分初めての感覚に戸惑い、ただ知識に従って必死に耐えている。
 いや、知識よりも本能による羞恥か。
「我慢しないでよ…ほら見せて。楽になっちゃいなよ。」
 口から足を開放して、かりっとふくらはぎに歯を立てる。小さな痛みに見開かれた目を見つめてにやりと笑えば、またぽろぽろと涙を零す。
 目が赤い。頬が赤い。それからもう決壊しかけている、尿道を包み込んだ肉芽も赤い。
 先端の口が小さく口を開けているのが見えるけれども、ピクピクと震える様から必死に耐えているのも分かる。
 もう決壊が寸前である事も。

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多分ちょっとR18?。合体してないけど。

ちなみにSS書きながらリスに肉球があるのかどうか検索してました。
一応手のひらみたいになってるんですね。猫や犬的な物ではないですが。
とりあえずその辺が特に敏感だと良いなーとか思います。

20091210up

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