睡眠



少女はそのまま町の喧騒から遠ざかり、
人通りの少ない住宅街の、古いアパートの一室のドアを開けた。






「ただいま…。」







畳十二畳程度しかない狭い和式の部屋。

コンビニの袋をテーブルに乗せ、
少女は制服を脱いだ。








「ハァ…。」








軽いため息をついて、袋からコンビニ弁当を出した。
しかし、一瞬何かを考えたあと少女はテーブルの上に弁当を置いて、
そのまま畳の上に寝転がった。









「めんどくさ…。」








少女は、目を瞑った。








「せめて、夢だけでもいいから…。
良い夢を、見させて…。」











無表情だった顔に、少しだけ感情が浮かんだ。








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