謝罪




テンマと別れて、軽い足取りで自室に戻る途中の十二宮。
処女宮を通り過ぎようとしたとき、誰かに呼び止められた。


「随分と楽しそうなのだな。」
「あ、アレ?
 アスミタさん?」



声をかけてきたのは、前に一度話したことのあるアスミタさんだった。



「何で楽しそうってわかったのですか?」
「小宇宙を感じればわかる。まるで小鳥のように軽やかだ。」
「はえー、そんなこともわかっちゃうんですね?」



小宇宙一つで何でも見破られる自分って…。
そう考えると悲しくなるので考えるのを止め、アスミタさんに言いたいことがあるのを思い出した。



「あの、少しいいですか?」
「…奇遇だな。
 私もあなたに聞きたいことがある。」


予想外の言葉に、逆に驚いてしまう。
アスミタさんが私に何の用だろうか。


「あ、そ、そうですか。
 じゃあ、ここじゃ何なんで適当な場所に座って話しましょう!」
「そうだな。
 ついて来るがいい」
「はい!」



―――――――



アスミタさんの後についてくと、朽ちた遺跡跡に出た。
あまり人も立ち入らないのか、草が生い茂っていたが吹く風がとても心地よい。
横たわった石柱に二人で腰を下ろす。



「それで、話しとは?」
「…まずは、謝らないといけないと思って」
「謝る?何を?」



そう聞かれると、言いにくいけどどうせ言わねばならないのだし、
重い口をゆっくりと開いた。



「無神経なこと、いってしまったことに関してです」









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