雪の中で微笑む



なんとかたどりついた宿。
そこにアリアちゃんと蒼摩を待たせてあたしと光牙は街の外で…ユナを待っていた。
はあ、と白い息を吐いたとき馴染みの小宇宙を感じた。
ハッと立ちあがって道の奥を見ると、人影が一つ。


「ユナ!」
「ユナァ―――っ!」


戻ってきたユナに、あたしは抱きついた。
信じてたとは言え、帰ってきてくれてよかった…!


「けがはないか?」
「どこか痛いならなおそうか?」


そう聞くと、首を振って断った。


「いいえ、どこも怪我してないわ。」
「そっか、よかった…!」
「よかった良かったあ―!」


抱きつきながら安堵すると、真面目な顔をしたユナが口を開いた。



「あのね、光牙、ホタル。」
「ん?」
「なあに?」


抱き付いていた顔を話して、ユナの顔を見上げる。
ユナの顔は、真剣だった。


「アテナは…沙織さんは生きているわ。」
「「!」」

沙織が、生きている!?


「マルスの元にとらわれているだけ。」


マルスの元に…。
とりあえず、よかった…!


「それを、だれに!?」
「私のとても素晴らしい師が教えてくれたのよ…。」


誇らしげで、どこかさみしそうな顔…。
何か、あったのかな…?


「とりあえず、部屋にはいろ!
 アリアちゃんが心配してたよ!」
「ええ、そうね。」


あたし達三人は、アリアちゃんが休んでる部屋に戻ることにした。


「!
 無事でよかった!」


アリアちゃんの安心した顔。
ユナはそれを見て、ゆっくりとほほ笑んだ。



「…ただいま。」



おかえり、ユナ。















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