襲来 冥界から帰って来た時、思わず目を疑った。 だって、その光景は信じられなかったから…。 「な、なに。 これ…。」 パライストラが、闇の力で閉ざされていた。 おぞましいほど冷たくて重い力…。 無意識に腕に鳥肌が立っている。 「まさか、敵襲!?」 あたしがいなかったこの期間に!? でも、此処に卵とは言え聖闘士がたくさんいるはずなのに…。 広場で固まっていると、何者かが近づいてくる気配がした。 そちらを向いて警戒していると、明らかに聖闘士ではない者が現れた。 「おい貴様! 貴様も聖闘士だな?」 「! 火星士!?」 闇の力で体が重くてろくに聖衣もきれないこんな時に! 「さあ!マルス様に忠誠を誓うか…ここで死ぬか…。 貴様はどちらを選ぶ?」 ふざけた質問。 そんなもの、答えなど決まっている。 「どっちも……お断りだい!」 冥界で技を磨いたあたしをなめるなよ!? 「積尸気 冥界破!」 「ッな!? 何故貴様が…」 全てを云わずに、火星士は倒れた。 襲われたってことは、他の人たちも火星士に襲われてるってわけか…。 光牙と蒼摩とユナと龍峰…それに他のみんなは大丈夫なの!? 「早く、皆の所に行かないと!」 あたしは、とりあえず小宇宙が一番集まっている場所まで全力で走った。 大事な人を、仲間を守りたい・・・・ただそれだけを思って。 ← → back 141/35 |