襲来




冥界から帰って来た時、思わず目を疑った。
だって、その光景は信じられなかったから…。

「な、なに。
これ…。」

パライストラが、闇の力で閉ざされていた。
おぞましいほど冷たくて重い力…。
無意識に腕に鳥肌が立っている。

「まさか、敵襲!?」

あたしがいなかったこの期間に!?
でも、此処に卵とは言え聖闘士がたくさんいるはずなのに…。
広場で固まっていると、何者かが近づいてくる気配がした。
そちらを向いて警戒していると、明らかに聖闘士ではない者が現れた。

「おい貴様!
貴様も聖闘士だな?」
「!
 火星士!?」

闇の力で体が重くてろくに聖衣もきれないこんな時に!

「さあ!マルス様に忠誠を誓うか…ここで死ぬか…。
 貴様はどちらを選ぶ?」

ふざけた質問。
そんなもの、答えなど決まっている。

「どっちも……お断りだい!」

冥界で技を磨いたあたしをなめるなよ!?

「積尸気 冥界破!」
「ッな!?
何故貴様が…」

全てを云わずに、火星士は倒れた。
襲われたってことは、他の人たちも火星士に襲われてるってわけか…。
光牙と蒼摩とユナと龍峰…それに他のみんなは大丈夫なの!?

「早く、皆の所に行かないと!」

あたしは、とりあえず小宇宙が一番集まっている場所まで全力で走った。
大事な人を、仲間を守りたい・・・・ただそれだけを思って。









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